これから導入される6.2号機はすべてダメな台か?いや、そうではないー「S花火絶景」機種講座
2022.10.21 / 連載【月曜】大手法人機械対策課SH@CKの新台講座#269
今週の紹介機種は「S花火絶景」
2022年11月6日週導入開始予定
メーカー:藤商事
全国20,000台予定
パチスロ市場が6.5号機で活性化し、さらに管理遊技機の「L機」へ期待も相まって、日に日に注目が高まっている。5号機時代では5.5から5.9号機へと移行した際とは異なり、6号機時代には6.1・6.1・6.4・6.5号機とナンバーが進むにつれて内規性能が向上し、過去の内規機種への期待感がホール側で削がれ始めている様にも思える。
そんな中で「S花火絶景」は、6.2号機でのリリースで、6.2号機ということを理由に期待感を削がれている様なコメントが散見される。しかし本機は6号機の暗黒時代とも呼べる低迷し切った時代の作りであった、「高ベース」「出来レ感」「単調なスランプ」の要素は払拭され、内規とゲームフローがかなりマッチしているのだ。6.5号機に固執し過ぎるのは、台の良し悪しと乖離した判断基準となる可能性もあり、本機にはナンバーによる性能だけではないことを稼動実績で周知させることに期待したい!
そんな本機は、シリーズ機スペックの大量獲得AタイプをATで再現している。それでは基本情報を確認しよう。
スペック
<通常・AT仕様>
設定 | BB確率 | RB確率 | 合算確率 | 出率 |
設定1 | 1/439.5 | 1/565.1 | 1/247.2 | 98.6(101.1)% |
設定2 | 1/434.9 | 1/556.3 | 1/244.1 | 99.1(101.5)% |
設定3 | 1/419.1 | 1/526.3 | 1/233.3 | 100.6(103.1)% |
設定4 | 1/399.4 | 1/510.1 | 1/224.0 | 102.5(105.1)% |
設定5 | 1/386.7 | 1/488.5 | 1/215.9 | 103.9(106.6)% |
設定6 | 1/372.0 | 1/475.0 | 1/208.6 | 105.5(108.3)% |
《通常・AT仕様》
50枚ベース | 約35.1G |
タイプ | 左1ST/AT |
AT仕様 | 2色1ST押し順AT・約7.77枚/G |
ボーナス抽選 | ゲーム数・リーチ目・CZ |
CZ抽選 | CZ①レア(山)役 CZ②100ポイント到達※到達時の約30%・1周期目50% |
CZ①仕様 | 20G+α・期待度25%OVER 告知方法『リーチ目50%・演出50%』 |
CZ②仕様 | 40G+α・期待度25%OVER 告知方法『リーチ目90%・演出10%』 |
ボーナス期待枚数 | RB約60枚 BB約600枚※完全攻略時 |
BB仕様 | 15枚役30回消化or JAC IN(ベルナビ9回)3回 技術介入JAC IN(リプレイ)外し ビタ押し100%・アシスト75% 1G連抽選あり※最大3回 |
引き戻し詳細 | ボーナス終了後必ず突入・5G+α 小役当選で演出発生抽選・演出発生時期待度40% |
天井 | ボーナス間950Gでボーナス当選 ポイント周期10周期到達でボーナス当選 |
コンプリート機能 | 搭載 |
通常時はゲーム数とCZでボーナスを目指すフローとなっている。ゲーム数契機は約25%となり、メイン契機はCZ経由でAT当選となっている。
CZは約90G~100Gで到達するポイント周期による抽選と、レア役による抽選で当選を目指すフローだ。CZ自体は通常時からナビにより回避させられるリーチ目役の出現率が大幅に上昇する、リーチ目高確率状態となっている。ボーナス当選時にはおおよそBB昇格ゾーンへ移行し、BB昇格を目指すフローである。
RUSHとなるボーナスはAタイプライクな仕様となっており、RBはいわゆる「残念ボーナス」となっており、約60枚を獲得して終了する。一方で、BBは10倍となる約600枚の獲得期待値があるものとなっている。
BBの終了条件は「ナビ30回消化」or「JAC IN(リプレイ)入賞3回」となっており、4号機時代のボーナス同様に30回ナビがボーナスゲームとなっており、ギリギリまで消化してJAC INを引き延ばすフローだ。JAC外しはユーザーが任意で選択可能で、ビタ押しで100%外しと、75%でアシスト外しが発生する仕様となっている。ボーナス終了後はATタイプならではのフローとして引き戻しゾーンへ必ず移行し、ベースゲーム数5G内に小役入賞で連続演出が発生し、演出成功でボーナス当選となる。
演出
演出においては、通常時はゲーム数やレア役により移行する前兆やCZ抽選となるポイント獲得演出がメインとなっている。
CZは2種存在し、シリーズ演出となる「大花火ステージ」はポイント抽選から移行し、「花火百景ステージ」はレア(山)役から移行する。大花火ステージは、原作「大花火」同様に「鉢巻リール」とリーチ目出現をメインとしたボーナス告知となっている。同ステージは「花火百景」同様にリーチ目をあえて発生させずに液晶演出にて告知させる仕様となっているのだ。そして、BB中は演出方法を3種から任意で選択可能となっているが、ゲーム性としてボーナス中に1G連抽選を頻繁にするものではないので、小役ナビの演出方法を多少変化させた程度のものとなっている。
本機の訴求ポイントは「コンテンツ&スペック」だ。
コンテンツはシリーズが市場で最も周知された初の大量獲得Aタイプであり、「大花火シリーズ」として訴求することが効果的だ。実際の史上初の大量獲得機は、同社機「B-MAX」となり、初で言えば「711枚獲得機」となっているので、初の大量獲得機シリーズ機ではないことは注意した方が良い。
そして、スペック訴求は「大花火シリーズ正統後継機!BB期待度600枚OVER!」「4号機BBスタイル!15枚役ナビ管理ボーナス!JAC外し効果絶大!」「即連ゾーン搭載!絶景LOOP!」など、大量獲得疑似Aタイプである訴求が効果的だ。
注意点としては、出荷台数が技術介入度の高い仕様としては非常に多く、タダでさえ現市場は異例な程に出率100%越えをウリとする機種が多過ぎる状況にあるので、甘さをウリにする事は得策ではない。台数的にも幅広い層に遊技されなければ、稼働を維持する事が困難となり、本機のメインターゲットとなる40歳前後が遊技し易い環境の整備が重要と言えるだろう。Aタイプライクな仕様にしては想定単価も3円以上と高い仕様ともなるので、鉄火場を演出するならば「犬夜叉」などと合わせて配置するのも良いだろう。