6.5号機でパチンコを超え、スマスロで差が開く。 これからのパチンコ市場変化を予測する

2022.09.18 / コラム

普段、当サイトで新機種のレビュー記事を執筆している私が特別寄稿させていただいた「6.5号機(仮)がもたらした変化、パチスロ市場が盛り上がったワケ」なる記事は、ありがたいことにそれなりに反響があったよう...

普段、当サイトで新機種のレビュー記事を執筆している私が特別寄稿させていただいた「6.5号機(仮)がもたらした変化、パチスロ市場が盛り上がったワケ」なる記事は、ありがたいことにそれなりに反響があったようで、編集部からは「続編もぜひお願いします」と請願されていた。前回は6.5号機(仮)の登場で業界がどのように変化をしたかを書いたが、今回はその続き。6.5号機(仮)の登場をきっかけに、これから起こるであろう市場変化について考えていきたい。

 

その前にまずは市場全体の流れについておさらいしていこう。前回の記事でも、6.5号機(仮)の導入によってパチスロ市場が戻り始めているとお伝えした通りで、独自調査によるレート別遊技時間比率を見ると、4円パチンコ31.0%に対して、20円パチスロが31.1%とわずかではあるが上回る結果となった。

過去を振り返ると、4号機から5号機へ完全移行した1年ほどの間はパチンコの遊技時間がパチスロを上回っていて、それ以降しばらくの間はパチンコ優勢で市場は形成されてきた。今回の5号機から6号機では半年ほどで、パチスロが再逆転した結果となった。

レート別の遊戯時間推移のグラフ。わずかながらに20Sが4Pを上回った。

変化1 パチンコの中古機価格が適正化されていく

市場のPSバランスが元に戻るということは、それまでの過程で変化してきたこともまた、元に戻る可能性がある。

例えば、PSバランスの変化が招いた現象の1つに、パチンコ中古機価格の高騰が挙げられる。パチンコが市場を牽引する形に変化したことで、パチンコの中古機価格は450万円を超えるなど記録的な高値となった。今年の1月末時点では、「エヴァ15」も「Re:ゼロ鬼」も100万円程度だった。それだけでも十分に高いが、2月に入ると300%以上の高騰だ。私もパチンコ業界歴は20年以上と決して短くはないが、これほどの高騰はいまだかつて目にしたことはない。

パチンコとパチスロの間に圧倒的な出玉性能差があったことで、パチンコ中古機価格は高騰状態を維持してきたが、パチンコの出玉性能に肉薄する一部の6号機が登場してきたことで、情勢次第では価格の適正化が起こる可能もあるということだ。これはあくまで可能性の話であり、即座に変化するわけではないだろうが、少なくとも遊技時間比率は逆転したのだから、元の形に戻ると考えるのは自然なことだろう。特にこれからのことを考えれば、11月にはスマスロの導入も始まり、パチンコが再び形成逆転することは何かキッカケがない限りは厳しいと見ている。


変化2 パチンコの閉鎖的な市場は解消する。スマパチが成功すれば……

現在、パチンコの業績を牽引している「エヴァ15」「Re:ゼロ鬼」。その功績は誰の目にも明らかで、今年を代表する機種を選ぶならこの2機種以外には考えられない。しかし、見方を変えれば、現在のパチンコ市場はこの2機種によって変化を拒むようになってしまったともいえる。

この突出した2機種がもたらした副作用はこうだ。2機種が圧倒的な支持を得る→新台の効果が薄れる→新台の費用対効果が激減する→遊技環境(出玉)のさらなる圧迫……。今年のお盆、十分な新機種がリリースされたにも関わらずパチスロに優位性を奪還される結末を迎えたのは、この辺りにも要因があるだろう。

もしパチンコ市場が再び活性化する可能性があるとすれば、それはきっと来春に予定されているスマートパチンコの登場となるだろう。だが、スマパチの方向性も現時点では懐疑的にならざるを得ない。

大当り確率の下限が1/350と重くなる以外の変化は、いまだに革新的なアイデアを見せられておらずあまり必要性の感じないc時短でしか差別化が図れないし、右打ちの性能がスマパチになって劇的に向上するわけでもなく、仮に多少右打ちの性能を向上させてもコンプリート機能の発動リスクを向上させるなど、開発は行き詰まっているように感じた。

しかし、今は幸いなことに初当り時に1500個獲得できたり、時短が100回つくなど間口の広さが求められる市場となっている。スマートパチンコで確率分母が1/350になる分、初当たりに恩恵を持たせられるようになると、そうした間口の広い機種開発ができるようになり、市場ニーズに合う機械が登場しやすくなる。そこでようやく世代交代に際してパチンコも閉塞的な市場が解消されることだろう。

 

「なぜ?」急ピッチで進められたスマート遊技機の販売体制

さてここからは、この業界情勢をどう読み解くかという話をしていきたい。

11月からリリースされるスマスロについて、有利区間ゲーム数の制限がなくなることはプラス要素だが、今業界が帯びている熱量ほどの変化は期待できないだろうと感じている。

私が聞く限りでは、行政との取り決めで来年1月中旬以降は原則スマート遊技機をメインとした型式試験になると聞いていた。導入時期でいえば来春頃からは、新台のほとんどをスマート遊技機が占めることになり、スマート遊技機の設置は特別なことではなく、むしろ旧規則機を撤去した流れに近いイメージを持っていた。

しかし、ただでさえ設備投資などで導入単価が上昇している中で、ホールは厳しい機歴のハードルを越えてまで導入する代物なのかは理解し難い。これがシリーズやメーカー実績のある遊技機ならば内規仕様問わず良さそうなら購入すべきなのだろうが、どちらにも当てはまらない遊技機というのだから懐疑的にもなるというものである。

そもそも強引にも感じられる11月下旬のスマスロリリースは、夏の参議院選敗北で自分たちを自ら追い込んだ結果ではないだろうか。当時はスマート遊技機という言葉はなかったが、2019年頃からスマート遊技機を発売すると行政と交渉をし続けてきて、全機連はその発売をズルズルと先延ばしにしてきた。本来は参院選を勝ち取って、行政との交渉力を強めた上で、誰もが納得感のあるスマート遊技機を出したかったはずだが、予想とは裏腹に参院選で敗れたため、これ以上引き伸ばすことも叶わず3年越しの口約束を果たさざるを得ない状況になってしまったとしか思えない。9月には販売ラインに乗っているということは参議院選前に持ち込んだ機械である可能性が高く、これはifの話になるが、「参議院選で勝利で納めていた場合、スマート遊技機はリリースすらされなかったのでは?」と思うほどに11月リリースに向けて設備メーカーも含めた準備が整っていない状況が実際に存在している。

スマスロは導入3カ月前からプロモーションが始まっていることもあり、話題性は間違いなく高い。しかし、肝心の機械性能としては内規が変わらない以上は過度な期待はするべきではない。昨年末頃にひっそりとスマート遊技機用の内規である6.3号機が承認されて以降、有利区間ゲーム数無制限という新しい条件が付加されるようになり、スマスロで初めて市場導入されるわけだが、それがどういった結果につながるだろうか。現在の市場を支えているのは、有利区間の移行をチャンスとするいわゆるシームレスタイプ(例:カバネリ、犬夜叉など)だが、スマスロは原則、有利区間を切らない。

一番のメリットである一撃性については、これまでの記事で何度も触れてきたが、6.5号機の性能が向上したと感じられる一番の要因は「有利区間報知義務撤廃」にある。差枚数管理による2400枚の突破は見せ方程度でしかなく、2万枚報告で市場を騒がせたあの「犬夜叉」も差枚数管理によって放出されたものではなく、シームレスのゲーム性が実現させたものだ。つまりスマスロは一撃性に大した影響は与えないということだ。

まだ懸念点は尽きない。設定変更で吸い込み情報がクリアされるのは、パチスロとしては致命的だ。かつての枯渇しやすかったストック機のように、設定変更でクリアされてしまってはゲーム性が破綻する恐れがある。かといって、差枚を十分に吸い込んだ状態で営業することは正解ではない。大量な一撃が出てしまったら低設定据え置きを露呈してしまう可能性があるので、そんなことで割を上げるくらいならば設定を使用した方が良いに決まっている。スマスロは、一日単位でのみの性能でしか優位性を発揮できない性能といわざるを得ないというのが冷静な見方ではないだろうか。

実際にリリースされなければ分からないが、吸い込みはユーザーが負けることでしか蓄積されないし、負けが込んでもなおリピートするユーザーがどれだけいるかは不明だ。この先登場するスマスロが吸い込みを軸に開発された場合、それまでユーザーが持つかは別問題で、性能を発揮できない恐れは非常に高いだろう。無理に一撃性を追い求めるよりも、2400枚の上限を軸としたゲーム性の方が、吸い込みに左右されないポテンシャルを生かすことのできるスペックとなるように思える。

そろそろ話をまとめよう。特にこうした方がいいなど具体的に言えることはないが、6号機ATパチスロ市場を支えてきたメーカー(ユニバ・サミー・大都など)の新台がリリースされた際に、それを導入できる環境整備だけは絶対にしておくべきだと思う。12月には、大都の「鏡2」、サミーの「バイオor北斗」といった実績のあるコンテンツでのスマスロが導入となる可能性もあるので、11月機よりも実績の積み重ねてきたメーカーのリリースが控えている。

だが、アタリハズレがあるのは現行機もスマート遊技機も変わらない。スマスロは11月から導入となるが、蓋を開けてみればサミー製現行機の「幼女戦記」が一番良かったなんてこともあり得ない話ではない。今の所は理不尽に購入単価を引き上げる販売とは耳にしていないので、結局のところ、スマスロだから盲目的に飛び付くとか、現行機だから買わないとかではなく、冷静に機械としての良し悪しを判断するべきなのである。


……それにしても「鏡2」が販売60万円や「Re:ゼロ鬼」レンタル機の故障による100万円弁償などの事実とは異なる風評被害は、身から出た錆とはいえ業界全体にヘイトが溜まっているように感じる。アミューズメント業としてもっと楽しい気持ちで業界に向き合えるよう、またそうなれるようにスマート遊技機の活躍に期待したい。

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