Pウルトラマンティガ の〝84%継続〟なぜできた?そのからくりを大解剖/SH@CK新台講座

2022.09.27 / 連載

【月曜】大手法人機械対策課SH@CKの新台講座#264


今週の紹介機種は「Pウルトラマンティガ」
2022年10月2日週導入開始予定
メーカー:京楽
全国20,000台予定


今、パチスロ市場が活性化している、一方でパチンコは下向きだ。パチンコ市場の停滞理由で考えられることは、現市場機種が遊技機として、スペック面で行き詰まっていることにある。というのも、おおかたのの遊技機のRUSHが「継続率81%×ALL1500個」をベースに制作されているためだ。RUSH継続率を上げる分、初当りの出玉を減らすことや、初当りにボリュームを持たせることなどわずかな差しかできていない。金太郎飴のような機種リリース状況が続き、パチンコ市場に閉塞感すら感じる。

そんな現市場に一石を投じるかのようなスペックでリリースされるのが「Pウルトラマンティガ」だ。本機がパチンコ市場の再活性化につながることに大いに期待したい。そんな本機は奇をてらったスペックなどではなく、王道のハイミドル機スペックとなっている。詳細は基本情報を表にて確認してみよう。

スペック


<通常・AT仕様>

通常確率 約1/319.9
RUSH仕様 2種転落ST
RUSH突入率 約50%
RUSH中当選率 約1/67.7
RUSH中転落確率 約1/320
RUSH継続率 約84%
RUSH突入期待値 約8,600個
遊タイム 非搭載
時速獲得出玉 約34,000

 

《大当たり振分 特図1》

ラウンド数 出玉(払出) 移行状態 振分
10R 約1,500個 RUSHへ 50%
3R 約450個 通常へ 50%

 

ラウンド数 出玉(払出) 移行状態 振分
10R 約1,500個 RUSHへ 100%

 

現行ハイミドル機の多くはRUSH性能「1500個×81%ST」だ。しかし本機は、それを大きく上回る「1500個×84%ST」と高RUSH性能を搭載している。しかもRUSHは、転落STタイプで、現市場の転落RUSH系でも唯一無二の実績を残した「ガンダムUC」に近いスペックなのだ。本機はRUSH中に1回でも当選できれば2回目以降は高速消化へと移行し、通常ST程度のTSAにも関わらず、出玉速度は十分に有した性能となっている。転落時は当選or転落のジャッジを行う。本機の転落抽選システムは、通常TS1/319を引くと転落となる。残保留での抽選は2種搭載の機種とは異なり通常TSでの抽選と切り替わる仕様となっている。

演出


過去シリーズ機が昭和ウルトラシリーズでリリースされていたことに比べ、本作品は平成ウルトラシリーズと、放映された年代は新しい。また原作では「姿が変化する初のウルトラマン」として真新しさがあるが、実機にもこれまでにない仕様を搭載している。

RUSH中は「ガンダムUC」同様に、即当りをメインにバトルやサブ液晶を活用した多くの演出が盛り上げ、早い展開が招く出玉速度が本機一番の演出となっている。確率的に発生頻度は限られているが、保留内連続大当りの際には84%の高継続を生かしフリーズ演出を伴うこともある。また転落時の演出は発生した時点で「当選or転落」となっている。


本機の訴求ポイントは「コンテンツ&スペック」だ。

コンテンツ訴求
ウルトラマンシリーズ機が時代と共に稼動貢献しない傾向が強くなってきている。そんな中でう30代からの絶大な人気を誇り、先日の2022年9月10日にNHKで発表された「全ウルトラマン大投票」では不動の1位を獲得したコンテンツでもある。原作を知っているユーザーにはもちろんのこと、実際に原作を見たことのないユーザーも、ウルトラマンを知らないユーザーはいないので、人気一位のウルトラマンに興味を持ってもらえるように訴求することが効果的となるだろう。

スペック訴求
他ハイミドル機とは一線を画すRUSH性能に重点を置いて「RUSH継続率84%×ALL1500個!!!」が一番の効果となる。ただし、継続率の数値的には3%しか差がないと感じられるかもしれないので、補足程度に「期待連荘回数81%ST⇒5.26回・86%ST⇒6.25回(初当り込)」と3%で約1回分の大当り回数の差が出ることも合わせの訴求が効果的となるだろう。

コンテンツとスペックで構成される遊技機ではあるが、パチンコユーザーは「コンテンツ>スペック」の傾向が強くパチスロユーザーは「スペック>コンテンツ」の傾向が強い。そのため本機はパチスロユーザーにも刺さるスペックなので、意識的に訴求していくこともポイントなり、出玉情報などを活用して動線形成は長期稼働につなげるために重要となるだろう。


本機のRUSHは前述した様に、RUSH終了となる転落フラグの図柄ぞろいとなっている。表向きはALL1500発となっているが、実際には、他の転落STとは異なり転落フラグが大当りフラグとなっていることで、実際には0個の振分がある仕様となっている。そのため1回当りの期待出玉が1500個ではない計算となるので、他ALL1500個機種とは異なり、継続率を3%上昇させることに成功した。この手法を取ることで、今後は現在の81%よりも高い継続率の市場へと変化する可能性もあるのかもしれない。

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