ぶっこ抜き突然閉店を上回る〝貯玉補償なし突然閉店〟が発生

2022.09.07 / ホール

新規則機時代に移行してから、GWに続き、大型連休となるお盆が終わった。新型コロナウイルスによる制限もない久しぶりの大型連休。業界としてはかき入れ時にもかかわらず、残念ながら閉店の波は歯止めがかからない。

8月中には32店舗のパチンコホールが閉店を迎えた。その中でも上野の名店「サイバースパーク」が閉店したことはSNS上でも大きな波紋を呼び、多数のユーザーから閉店を惜しむ声が上がった。9月から11月にかけて業界の中で1番に業績が落ち込むことを想定して、8月末に致し方なく閉店するということだろうか。

有終の美を飾る店舗もあれば一方で、あまりにも乱暴な閉店をむかえる店舗もある。それが株式会社新清が運営する「シンセー八億」のケースだ。同グループは神奈川県のパチンコホールで、グループ3店舗を運営していた。それぞれ、8月22日頃から店頭で改修・改装を理由に臨時休業を行なっていたものの、8月末をもってホームページ上でそれぞれの店舗が閉店することを発表した。

株式会社新清が閉店した3店舗
シンセー八億平塚店 神奈川県平塚市
シンセー八億厚木店 神奈川県厚木市
シンセー八億南足利店 神奈川県南足利市

平塚店と厚木店に関しては、ホームページ上にて「(前略)なお、当店に貯玉・貯メダルを有していた会員のみなさまにつきましては一般財団法人 貯玉補償基金より補償がなされる予定であることをお知らせいたします。」と貯玉補償基金に加入していたので、そこが対応するとアナウンスがなされた。

一方でグループ店の「南足利店」は貯玉補償基金に加入していなかったようで、ホームページに記載されていた閉店告知からその内容が分かり、南足利店のみ他の2店舗とは異なる告知を行なっている。貯玉交換の猶予もないままに突然の閉店となったようで、SNSやネット掲示板上には「貯玉あるんだが、助けて」「リアルガチで後告知だな」「遅すぎる」など、怒り、嘆きの声が書き込まれた。特に貯玉ユーザーは多いようで、真偽は不明だが、ネット上ではこんな書き込みも発信されている。

2022/08/31 03:02 知り合いの地主ここで200万発以上貯玉あるって言ってたけど精算したのかな… 多分ランキング上位の人

200万発というモンスター貯玉ユーザーが本当にいるのかはさておき、他にも貯玉(貯メダル)しているユーザーは多く存在するようだ。

 

大多数の閉店ホールの対応は、貯玉の交換期間は短いものの、貯玉交換期間も設けて、閉店後も貯玉補償基金へ対応を委ねると、終わり方には責任のあるものである。

しかし、シンセー八億南足利店の場合は貯玉の補償体制すら整っておらず責任がない終わり方をしてしまった。

ホームページ上には「当店に貯玉、貯メダルを有していた会員の皆様につきましては今後法律に則った公平な手続きにおけるご対応となりますが、詳しくは本HP等にて改めてお知らせいたします。」

と書かれており、何らかの対応を取るような示唆をしている。しかし、具体的な対応策は明記されておらず、貯玉や貯メダルを有している会員ユーザーは不安を抱えるだろう。

一方でシンセー八億南足利店の閉店告知。貯玉・貯メダルの補償は法律に則った公平な手続きで対応するとしている。

  

実際に一般社団法人貯玉補償基金で同店の店名を検索してもヒットはしなかった。

実際に貯玉補償基金に加盟していないホールがこのように閉店した場合に補償する可能性はあるのだろうか。とある組合関係者に話を聞いてみた。

「貯玉・貯メダルは資産でも金銭でもないため、残念ながらそのまま泣き寝入りになる可能性が高いと思う。法的には、金銭や物品で返却する必要もありません。潰れたゲームセンターにメダルを預けていても戻ってこないのと同じ理屈なのです」という。

このような閉店は、あまりにもユーザーに不親切で、パチンコ業界全体の印象を悪くすることにもつながる。近日中に裁判所で自己破産申し立てを行うようだが、ユーザーの対応はどうなることか…… 同社の引き続きの発表を待つしかないだろう。

閉店, パチンコ, 貯玉