キング観光のしまんくすさんがTwitterを続ける理由は、やっぱり営業戦略と絡んでいた(Twitterでは言えない話)

2022.08.17 / 連載

第47回 Twitter上にいるプチ有名人たちに聞く

Twitterでは言えない話

雑誌や動画などの媒体に所属していないただのアルバイトスタッフに、数千人のフォロワーがつく時代になってきた。Twitter上でわざわざ本人が語らなそうなことを、第三者であるPiDEAが根掘り葉ほりする。 

   


今回の言えない話

キング観光・しまんくすさんがTwitterを
始めた理由と、それでも続けている理由!


PiDEA編集部(以下略編) :今回はキング観光のしまんくすさんにオファーをしたのですが、なんと副社長のジェームス(@jamesyanagibash)さんや、しばしばまとめサイトで炎上されていたちょたまさん(@king_chotama)も同席されているとのことで、お2人の話は次回、次次回で記事にさせていただきます。
 ではしまんくすさん、2016年8月からTwitterをスタートしていますが、この頃の役職は店長でよろしかったでしょうか。

しまんくす(以下略し):若宮大通店の店長でした。今は愛知県9店舗の統括エリア長を務めております。

編:その時って下の若い人に任せようとは思わなかったんですか。

し:僕ね、Twitterを始める前はブログをやっていたんですよ。アメブロの全国パチンコ部門で7位くらいの。それをやめてTwitterを始めたんです。YouTuberとか有名人がSNSを通じて人とつながるように、僕もプロの設定師としてお客さまとのつながりを持とうとして始めたのが最初のコンセプトなんです。

編:ブロガーの頃からその才を発揮されていたんですか。そりゃTwitterも上手なわけです。

し:ブログってめちゃめちゃ陰湿で、長文で辛辣なこと書かれるんです。僕はそれを毎回丁寧に返していたので、Twitterだったら文字数が決まっているじゃないですか。若宮のTwitter好きが集まってくるように囲い込みたかった。それが第一のフェーズです。

編:では、第二のフェーズは。

し:お店がイベント的な情報発信するのではなくて第三者が発信した方が落とし込みが深くなると思っているんですよ。だから、ホールのアカウントが頑張るよりも、一般ユーザーの間で広まった方が口コミ効果や信頼度は大きくなります。店に来た人が、家に帰った後出玉はどうだったのかとか、次の日にこのTwitter見たとか、そういうアクションを起こしてもらって、「すごいじゃん、次行こうか」となるわけですよ。

何が言いたいかというとね、あくまで事前告知ではなくて、囲い込んでからの事後告知が重要なんですよ。だから台の後ろにドル箱を置くところに店名あるのを初めにやったのが僕なんですよ。あれやったら、写真でどの店か一発で分かるでしょ。

編:要職の方だからこそ、分かると思うんですが、実際Twitterの効果ってあるんでしょうか。

し:自分の店でも売上で8%くらいしか上がっていませんし、手応え的にそんなもんだと思っています。でも、初めから集客というのは二次的なものとして考えていて、いかにアカウントのファンになってもらうかを大切にしています。若宮大通の中の人といったら僕だったわけじゃないですか。そういう人の顔が見えるというか、生産者の顔が見えるみたいなことです。設定師とコミュニケーションが取れるツールというのもなかったですからね。

お客さまが来店系などの日に行って、「この取材だから勝った」とか「この取材だから負けた」と言われるのは怖いことで、それってお店に感情移入していないですよね。良くも悪くも「おい店長ふざけんな」となれば、それはお店に感情移入していることになります。

編:どこの店にも共通する話で金言です。しかし、その売上8%アップがTwitterの成果というのはどう判定するんですか。

し:Twitterでショート動画を撮って、僕の素人編集でアップしたら何百万か上がったんですよ。最初に金山店でやってみて、週末の売上が過去最高になったので、他の店でもやりたいと言い始めています

編:Twitterしか使っていないわけですよね。それで増えるとは。

し:さっきの話じゃないですが、Twitterで増えた人が8%で、それ以外の人は「なんか今日多いな」としか感じていないわけです。告知を知らずに来た人は漠然と「もしかしたら店が強化しているのかも」と感じて次の日も来るんです。でも、告知を知っている人は次の日は来なくなる。

余韻を引っ張るというかそういう使い方は良いと思うけど、これはめっちゃ難しいですよ。

編:今回の記事は店長さんとかが読んでほしいです!

し:気付いてしまったんですよ。*ザイオンス効果(単純接触効果)というのがあって、パチンコ屋さんってこれが一昔前なんですよ。というのも、お客さまが反応している入り口が全部1つ。ワークマンとか広告の打ち出し方を見ていると、ゴールは一緒なんですけど、入口は全部違っていて気が付いたら接触してるんです。だから僕はこういうのを取り入れるんですね。TwitterとLINEも一緒にしたくない。接触はさせるけど、その角度を変えるとより深く入るんです。

(編注)*ザイオンス効果……繰り返し接すると印象や好感度が高まり、関心の度合いも高まるという効果。

編:相当マーケティングの勉強とかされているんですか。

し:全然していないです。全部経験値でやっています。

編:Twitter頭打ち感ないですか。

し:最近止まりましたね。寺井一択さんに抱いてもらった時はバズって100人くらい増えましたけど。柳橋もね、1500台の店がキング観光史上最大のオープンでしたけど、グループ内で取り合っても市場拡大せんなと。じゃあより商圏を広げることを考えた結果、SNSを拡大していくことにフォーカスしました。玉を出している自信はあったので、どういう料理をしたら美味しく見えるのかを考えるのです。

 


取材を終えて

「キング観光内では独壇場のポジションだったのに、ジェームスさんがTwitterを始めちゃって、気持ちがザワついたりしませんでしたか?」と聞いたところ、「(副社長のおかげで)ヘイトが分散しましたからそれはないです(笑)」と一笑。それまでは2年間くらい全部クレームなど受けてきたそうです。ジェームスさんは「俺、ヘイト入ってもなんとも思わない。昔から嫌われているので」とのこと。2人ともエライ人でありながらメンタル強すぎ。次号はジェームスさん回、お楽しみに。

聞き手・PiDEA編集部コガワ

 

Twitterでは言えない話, キング観光, しまんくす