SANKYOは驚きの好決算。フィールズはストップ高を記録/遊技機メーカー第1四半期決算

2022.08.10

遊技機メーカーの4-6月期(1Q)決算が出始めた。

市場にインパクトを与えたのはフィールズ<2767>[東証プライム]であろう。売上高は前年同期比▲64.1%の82億4300万円、営業利益は▲50.8%の1億8600万円と不振。最終の純利益に至っては2億900万円と赤字に転落してしまった。しかし、発表翌日の株式市場ではストップ高を記録。東証プライム市場で上昇率1位となった。

株価急騰の要因は、遊技機ではなくコンテンツである。5月に日本で公開された映画「シン・ウルトラマン」が43億円以上の興行収入を叩き出し、中国では、上海に開設された政府公認娯楽施設のウルトラマンエリアにおいて爆発的な人気となった。同エリアでは立錐の余地もない集客となっているようで、中国市場におけるコンテンツ事業の伸びが期待されることから、連日の大商いとなった。

一方、SANKYO<6417>[東証プライム]は新規タイトルの「Pフィーバーダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」と「Pフィーバー蒼穹のファフナー3 EXODUS 超蒼穹3800ver.」に、追加販売の「Pフィーバー 機動戦士ガンダムユニコーン」を合わせ6.2万台の販売台数となり、業績を大きく引き上げた。営業利益は94億5500万円、前年同期比で12倍にも達する驚きの好決算となったものの、翌日の取引では寄付(※最初に成立した取引)こそ高く始まったが、半導体不足の長期化が懸念され下落。決算発表前と同水準の値動きとなっている。

平和<6412>[東証プライム]は、ゴルフ事業が引き続き好調を維持したことに加え、昨年実施した希望退職制度により人件費が減少。営業利益は78億5500万円、前年同期比79.9%増と、こちらも好決算であった。市場でも好意的に受け止められ、翌日の取引では一時、株価2100円を回復した。

セガサミーホールディングス<6460>[東証プライム]の業績はパッとしない。純利益は7.4%増の31億5800万円で着地したものの、本業の儲けを示す営業利益は前年同期比▲27.8%の27億7700万円と、市場の期待を裏切る結果となった。ゲーム部門は比較的堅調だったものの、遊技機部門は赤字。パチスロは「Sこの素晴らしい世界に祝福を!」が8000台、パチンコは「P頭文字D」他14000台と、同社としては物足りない結果となった。

また、コロナの影響でリゾート事業の赤字が拡大している。低調な決算を受け、2300円を伺う水準であった株価は発表直後から大きく下落。翌日以降も下落傾向は続き、8月10日現在、2000円を割り込む水準で取引されている。

藤商事<6257>[東証スタンダード]は黒字転換となった。新たに投入した「PストリートファイターV」の販売台数が1万台を超え、前期から継続販売した機種群も4900台と売上に寄与。前年同期と比べ、売上高は58.5%増の55億400万円。営業利益は17億7600万円の赤字から5600万円の黒字に浮上。業績不振が続いていた同社にとって、明るいニュースとなった。

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