2022年4月に新任、ニューギン新井宏明社長はファンファーストを重視

2022.07.20

7月5日、株式会社ニューギンは、新しく代表取締役社長を務める新井宏明氏の合同取材を行った。そこでは同氏がどのような思いで、新任したのか。またこれからどのような考えでニューギンを変えていくのかが語られた。

   社長就任した際のお気持ちはいかがでしたでしょうか。

非常に大変な役割を仰せつかったというのが1番大きな思いです。規則改正があって、コロナもあって、さらにはスマート遊技機も始まると。さまざまな事情が積み重なった状況下なのでよくこのタイミングで就任したなという思いもあります。ただ、事業承継としては計画的に進めていたので、来るべきタイミングがきたといったところです。あとはここから良くしていこうという気持ちです。

 

   これまで担当された部署や業務内容などをお聞かせください。

入社当初は直営店に配属されたので、ホールでは玉運びから景品交換まであらゆる業務を担当しました。それから、グループ会社のシンセイの購買部で、リユースを中心に担当していました。その後マーケティング部を設立するという話になりまして、上野の方の事務所で立ち上げを行いました。次に研究開発本部長を任され、その後製造本部長を兼任した次第です。それからは今に至るといった流れです。

 

   これまでで1番印象に残っている仕事について教えてください。

私に代表権がついたのが、2014年だったんです。その時がちょうど赤字で、「パチスロ信長の野望ー天下創世ー」でホールさまからの信頼度が落ちており、他の機種も芳しくなかったという状況でした。その際に今の会長から、立て直しを任されました。今までの仕組みや機種のラインナップ、開発の方法などをすべて見直し、改めて立て直しを図りました。

    社長に就任して、社内にどのようなメッセージを伝えられましたか?

もともと経営理念を掲げていましたが、それらすべて見直し、新たに設置しました(グループミッションと行動指針は以下の通り)。また、各部署・各課に向けてグループ内にメッセージを配信しました。新設したグループミッションの具体例を挙げると、開発部署だったら今の市場にはない新しいスペックで、想像を超えていくということです。私自身、プライベートではユーザーでもあるので、今ままで打ったことのないような台を打つ時が感動するタイミングでもあります。そういった台をニューギンからリリースを続けるという意味合いがあります。

ニューギングループが掲げるミッションと経営理念、同社HPより。

   どのようなところがニューギングループの強みですか?

2つあります。1つが直営店を持っているので現在のリアルな数字も分かります。なのでホールさまの目線に立てるということが第一の強みです。また、弊社のECOパチなどの取り組みでホールさまの遊技台代金の負担を減らすことができることが2つ目の強みです。

 

   今後着手したい改革や取り組み、経営方針について教えてください。

グループミッションが「お客さまの想像を超えていこう」ということなので、想像を超えるモノの継続した提供は続けていきたいです。これが1番であって、基本であって、変わらない取り組みではあります。ただ漠然と頑張りましょうというだけでは実現できないので「先端技術ラボ」という部署を新設しました。構想は2021年くらいから始まり、メンバーの人選・提携開発・下調べなどの後に今年から始まりました。無駄になることもあるかもしれませんが、必要経費だと捉えて、さまざまなことを研究して着手していきたいです。

 

   先端技術ラボの設立は機種メーカーの中でも違ったことをやっていきたいというところでしょうか?

もちろん機械絡みでは新しいことをしたいという意図はありますが、さまざまな規則の制限があり、できることできないことがはっきり分かれています。現時点では遊技機に実装させるというところまでは見えていません。ただ、広報の面では技術の発展で新しいアプローチができるのではないかと考えている点もあります。

   人材育成の取り組みについてお聞かせください。

もともと弊社の中では外部研修などの費用負担する制度はあるんですが、そこは引き続き強化していきたいです。今はコロナ禍ということもあって、WEBセミナーも当たり前になってきていますよね。わざわざ会場に行かなくても自身のデスクで受講できるので利便性があります。そういった時代に合わせた研修も強化してきたいですね。

 

   今年15周年を迎える「花の慶次」シリーズの今後について、遊技機開発やファン向けの施策の方向性について教えてください。

弊社の中でも15年と長くご支持いただける理由が、初代のパチンコ機をリリースした時から、原作の世界観に加えて、斬新なスペックで支持を受けたと考えています。もちろんチャレンジする姿勢は続けます。その上で、広報はファンファーストの精神で新しいユーザーを生み出し続けるシリーズ機にしていきたいです。

 

   今後のECOパチの展開についてお考えがあればお聞かせください。

ECOパチのプロジェクトを始めて14年くらい程経過しました。当初は私自身もプロジェクトメンバーだったので思い入れ深いです。そろそろプロジェクト本体を進化させたいなと思いまして、実は新プロジェクトを進めております。この場で詳細は申し上げられませんが、来年を目処に新しいECOプロジェクトを発表しようとしているのでぜひご期待ください。

 

   スマート遊技機について御社ではどのようなお考えで取り組まれていますか?

私はスマート遊技機を、デジタル化の第一歩だと思っています。正直どこまでできるかは、行政のご理解次第という側面もあります。世の中でいえばデジタル化が進んでいますよね。もちろんその流れにはついていかなければいけないという点で業界も一歩進んだ、というように考えています。既存の技術を取り組むとしたら基本的にはECOパチでよりコストを下げるとか、新しいサービスにつながる要素は多く含んでいるのではないかと。スマート遊技機はリリースすれば完成系ではなくて、今後広がるためのスタートラインになると思っています。

ゲーム性に関して言えば、もちろん魅力のある遊技機を出していきたいです。当然ホールさまのユニットや設備負担もあるので、すぐにスマート遊技機に全力投球とはいきませんが、導入ペースを考慮しながら、早め早めに形にしていきたいです。実際にスマートパチスロの申請は進めている状況で、11月くらいを導入予定なのでそこに間に合うように進めていきたいです。

 

   スマート遊技機は業界に対してどのようなポジティブな影響を与えているとお考えでしょうか。

パチンコ・パチスロをしない理由の中には騒音の問題もあります。そこで島設備が小さくなり、必然的に遊技機の音量が小さくすることができると考えています。僕自身はホールに入った瞬間の騒音は、非日常感を感じられ好きな要素ではありますが、やはり問題視されている環境が改善できるという点では役立てそうです。

    ニューギンアドバンスさまの設備機器事業について、既存のシステムアップデートや、スマート遊技機への対応はあるのでしょうか?

スマート遊技機になることで、循環器がいらなくなるので、レイアウトを自由に設定できたり、小さな店舗を作りやすくなると発表がされています。今後パチンコホールさまではスマート島と既存島を併用する環境になるかと思います。今まさにパチンコホールさまは「スマート遊技機の設備どうしようか」「費用対効果は見合うのか」など悩んでいるところです。ニューギンアドバンスでは、スマート遊技機の導入で撤去する島設備を別の店舗に持っていき、それを別の店舗に入れて既存の古い島設備は撤去するという流れにすれば、効率よく新陳代謝ができると考えています。そこでホールさまを手助けできるよう、既存島を改良し提供できるよう当社のECOパチのような島製品開発にも取り組んでいます。

 

   業界全体の課題であるファン人口の増加について、ニューギングループがどのような役割を担えるかについてお聞かせください。

先ほども申し上げた通り、ファンファーストという気持ちで取り組んでいきます。組合としても、昨年度には大正大学の学生とファン人口を増やす企画を行ったんですが、パチンコのやり方がわからない、周りの人がやっていないから興味がわかないといった意見がでてきました。そこで自分たちが体験してきた当時の環境と比較してみると、やはり一番最初に触れる機会という点が課題であることが分かりました。なので、もっとパチンコ・パチスロに触れられる環境を整えていかないといけないという危機感を覚えました。ですので、アナログでもデジタルでも手に触れられる機会を増やしていきたいです。

また私自身、日工組の広報の担当になったので、業界の印象向上に努めていきたいです。例えばハイボールはもともと、飲まされるお酒という悪い印象でしたよね。でも今は気軽に飲めて楽しめるお酒として世間に認知されてます。それは広報のおかげでいい方向に認知されたんですよね。まだまだ正直、パチンコ業界に良い印象はないので、広報で良い印象をもたれるよう活動を行っていきます。

 

   最後にホールさまに一言お願いします。

斜陽産業だと言われ続けていますが、まだまだ巨大な産業ですよね。本音でいってしまえば、お客さまが1万円札を次々にサンドに入れる業界です。他にこんな業界は、ほとんどないですよね。それだけ魅力のある産業だと思っています。一方で、ユーザーが遊技しなくなった理由は明らかになってきています。至らなかった点や、今までやってこなかった点が浮き彫りになってきました。そこで、改めてちゃんとやってきましょう。力を合わせていけばもっと良い業界になるはずです。ぜひ一緒に業界発展をさせていきましょう。

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