7月以降は「Sスーパーハナハナ2」を除いて、リリースされるパチスロ機は、ほぼ6.5号機だ。ただし、6.5号機の特徴である差枚有利区間ランプ報知撤廃を生かしたゲーム性の機種は限られている状況で、有利区間リセットを察知されない仕様や吸込み分を吐き出す仕様には仕上がっていない機種が多く、まだまだ開発はこれからといった所である。そんな中でも本機は有利区間リセットのON/OFFを状況に応じて行う仕様となっており、今までの6号機とは異なり、5号機に近いゲーム性を搭載している。
《基本スペック》
設定 | 通常時ボーナス確率 | RUSH確率 | 出玉率(完全攻略) |
設定1 | 1/220 | 1/393 | 96.8% |
設定2 | 1/206 | 1/374 | 98.7% |
設定4 | 1/176 | 1/331 | 103.0% |
設定5 | 1/167 | 1/309 | 105.4% |
設定6 | 1/159 | 1/289 | 108.3% |
設定L | - | - | 81.6% |
《通常・AT仕様》
50枚ベース | 約33.9G |
タイプ | 左1ST/AT |
AT仕様 | 押し順AT・約2.5枚/G |
CZ抽選比率 | レア役50%:ゲーム(PT)数50% |
下位CZ仕様 | 10G~30G・期待度約45%・レア役成立で当選濃厚 |
上位CZ仕様 | 10G~30G・期待度約80%・レア役成立で当選濃厚 |
RUSH仕様 | SET上乗せ・ゲーム数上乗せ |
SET上乗せ仕様 | 初当り時ストック・RUSH中BAR揃い |
ゲーム数上乗せ仕様 | レア役抽選・上乗せゲーム数0Gor5Gor10G+特化ZONE |
特化ZONE仕様 | 5Gor10G(LOOPあり)・上乗せ1~30G、突入時の上乗せG数を元に上乗せしたG数で乗算・桁加算 |
天井 | RUSH間1,000(PT)G消化でRUSH、CZ4回スルー後5回目CZは当選濃厚、CZ間700G消化でCZ |
基本的にRUSHへはCZを経由して当選を目指すフローだ。CZはレア役とゲーム数で抽選を行なっている。ゲーム数は液晶上部に表示されているポイントと連動しており、ポイント特化ゾーンによるゲーム数加算もあるので、当選期待度の高いゾーンおよび天井G数までを短縮するフローも搭載。本機レア役は、単体での強・弱の概念はなく、「スイカ・ベル」「ベル・チェリー」「チェリー・スイカ」の複合役が強レア役の役割を担っている。単体レア役には設定差は設けられていないが、複合役には大きく出現率に差が設けられており、チェリー・スイカは約1/2,000で、期待度も高い仕様だ。
複合役の合算確率は約1/188で、様々なポイントで期待値を跳ね上げる仕様だ。CZは上位と下位の2種が存在しているが、どちらのCZもレア役でRUSH当選濃厚。レア役合算確率が約1/27なので現実的かつ明確なレバーの叩き所となっている。RUSHは初期ゲーム数を決定する1G完結のゾーンがあり、成立役により初当り時は70G~300Gが抽選され、2連目以降は30~300Gの抽選となる。
RUSH中は「バジリスク絆」の様に特定のレア役による抽選を高確率で行い、該当するレア役を引くと上乗せ確定だ。本機の上乗せは「上乗せ=特化ゾーン」となっており0Gor5Gor10Gが選択される。上乗せ特化ゾーン中は初期の上乗せゲーム数に対して、特化ゾーン中の1G~30Gを上乗せしたゲーム数を利用し、上乗せゲーム数を決定する仕様となっている。特化ゾーン中の上乗せは2パターンあり、「特化ゾーン中の上乗せゲーム数×初期上乗せゲーム数」を乗算するパターンと「特化ゾーン中の上乗せゲーム数と初期ゲーム数」の数字を並べた数字となる桁加算するパターンがある。仮に特化ゾーンのゲーム数を10G、初期10Gだとしよう。乗算パターンでは「10×10=100G」となり、桁加算では「10・10=1010G」と大量上乗せの契機を搭載しているのだ。
そしてRUSHにはSETの概念もあり、シリーズ機を踏襲したBAR揃い特化ゾーンも存在する。多様な上乗せ性能に加え、SET数も上乗せとシリーズ機の特徴でもあった永久機関のようなRUSH性能なので、吸込み分の出玉放出にも十分に手が届く仕様なのだ。さらに、本機の有利区間リセットは有利区間ゲーム数および有利区間ランプ報知をしない仕様で、RUSHで吸込み分以上の出玉を放出できなかった場合は有利区間を引継ぎ、天井ゲーム数が浅くなるモードの抽選を繰り返す仕様だ。
本機は「ALL STARS」と銘うっているものの、「ロゴス」はほぼ入っておらず「初代」と「EVOL」の2シリーズをメインに取り扱っている。通常時はレア役によるゲーム数ポイント特化ゾーンやCZ抽選に加え、ゲーム数による抽選など多数ルートでCZの抽選を行う。複合役から出玉につながるフローも多く、CZ中での出現で初期複数ストックや初期ゲーム数3桁以上の抽選、RUSH中の上乗せも濃厚かつ乗算・桁加算上乗せ抽選など複合役からの演出発展が鍵となっている。RUSH中は上乗せ濃厚役を告知する「創聖モード」と告知を隠す「EVOLモード」から任意で演出を選択可能だ。シリーズ人気キャラの「不動ZEN」のキャラクターボイスは変更されている。
本機の訴求ポイントは「スペック」だ。コンテンツ訴求は2007年に同シリーズが初リリースされてから業界でも知名度の高いシリーズとなるので、最新作がリリースされたことがわかる程度で十分だろう。
そして、本機のウリとなるスペック訴求は「2400枚では終わらない!シリーズ踏襲“6号機仕様永久機関”搭載!」や「RUSH低枚数後は高モードにも期待!」など、6.5号機の仕様を十分に生かしたポイントを訴求することで他機種にはないセールスポイントとして大きな効果に期待できるだろう。
これからパチスロ市場を活性化させるためには、6.5号機の活用が必要不可欠だ。そのためには「有利区間ランプ報知撤廃」を広く周知させることが一番重要となる。規則上アシスト機能(AT)発動時にはアシストランプの報知は行われ、これを有利区間ランプと混同しているユーザーが少なくない状況にある。6.4号機(有利区間ランプ報知義務撤廃内規適応)は「ひぐらしカケラ」「海JAPAN祭」の2機種しかないこともありのないこともあり、周知には至っていないと思われる。さらに日電協が定期的に行っているユーザーアンケートでは半数近くのユーザーが最新内規の詳細を理解していないような状況だ。遊タイム同様に6.4号機以上である機種と対象機種は「有利区間ランプ報知がないこと」を分かるようにホールサイドの取組として行う必要があるだろう。