GW後の〝ぶっこ抜き突然閉店〟がパチンコホールで相次ぐ

2022.05.10 / ホール

GW後の休業・閉店15店舗閉店を迎える

コロナ禍3年目となり、世間が初めて行動制限のないゴールデンウィークを満喫した一方で、パチンコホールの休業や閉店が相次いでいる。PiDEA調べでは、ゴールデンウィーク後(5月8日~5月15日)に休業・閉店する店舗は、全国で15店舗にもおよぶ。その中には、創業60年以上の幕を閉じる神奈川県川崎市の「JAM」や創業50年の大阪府豊中市の「しんばし千里中央店」などの老舗店舗もある。

経営が立ち行かなくなった企業にとって、最後の書き入れ時であるゴールデンウィークに出玉を出す理由はないので、全台回収調整、いわゆる〝ぶっこ抜き〟というのが相場である。店のマインドとしては、来てもらった人たちから惜しまれつつ最後の売り上げを置いていっていただくというのが適切だろうか。

だがそういった相場を覆し、大量出玉でグランドフィナーレを迎えた珍しい例があるので紹介したい。将軍南越谷店だ。

同店はJR南越谷駅目の前の店舗で、設置台数はパチンコ278台、パチスロ125台の中規模店。駅から最寄りという立地条件ではあるものの、大型店である楽園南越谷店(P918/S720台)やほぼ駅前ロータリー内のT-NET南越谷1号店・2号店(P400/S230台)と徒歩圏内でぶつかっていた。

単店であればぶっこ抜きで問題ないが、チェーン店ともなるとまだ生きている店舗に与える影響もあるためそうはいかない。とはいえこの圧巻の出玉は異例だ。ユーザーはどんな形であっても「特別な日」には期待を持ってお店に向うが、さすがに閉店するその日に出玉を期待する人はそれほど多くないだろう。

誰もがそのように考える中で、外部媒体などを用いてその相場を覆す仕掛けとしては十分な広告効果をもたらしたのではないだろうか。

一方で、業界として問題視すべきはぶっこ抜きクローズよりも、突然閉店の方だ。なんの前触れもなく急に「明日閉店します。精算は1週間以内に~」というのは、貯玉を保有するユーザーにとっては重大なリスクであり、あまりに不義理だ。今、業界は苦しい状況下にあるが、特にチェーン展開する企業については、ブランドイメージを保持するためにも猶予ある閉店告知をすべきである。もし余力があるならば、将軍南越谷店のような最終営業日の仕掛けをすると、ただ閉店するだけではなく次の一手になるだろう。

閉店, パチンコ, パチスロ