ピデアな男 近藤一城(キング観光サウザンド今池2号店 店長)

2019.12.12 / 連載

名古屋から地下鉄で5〜6駅の場所、今池には2つのキング観光の店舗がある。1号店は低貸玉なしの高レート専門店。そしてもう1つが低貸を含めた2号店だ。
今回話を聞いた近藤店長は2号店に赴任してから2年が経過する。かつては、苦戦していたお店を、独自のコーチングで立て直した。
近藤店長はどんな言葉で、手法で、スタッフを導いてきたのか。

設定が入っていると思うと、自然とスタッフの顔が
イキイキとして、お客さまにも熱意が伝わるんです

PiDEA編集部(以下略編)まずは業界歴から教えてください。

近藤一城店長(以下略近) 現在39歳で、19歳の時から勤めているので、もう業界歴は20年になります。

編 どういった経緯で入社されたのでしょうか。

近 当時アルバイトとして勤めていて、そのまま社員にならないかとお話があったので、そのまま社員になりました。

編 19歳ということは、大学生というわけではない?

近 大学に行くための浪人時代だったんです。家計の足しにしたかったので、近所でよく打ちに行っていたキング観光でアルバイトをしようと。

編 4号機バリバリの時代ですから、お金は必要ですよね。結構勝っていたのもあって、いいイメージを持っていたとか?

近 いやいや、あまりにも負けすぎていて、どうやったら取り返せるかなと考えた結果が、「働いて戻すしかねぇな(笑)」だったんです。

編 またそれは面白い考え方ですね。どこの店だったんですか。

近 若いノリというか、宵越しの金は持たなくて良い。とりあえずいっちゃえ的な流れですかね。通っていたのは新瑞店です。名古屋のキング観光の歴史としては古いお店で、今の社長が店長をやっていたこともあるお店です。

編 気っ風が良い江戸っ子みたいですね。結構楽観的というか、難しく物事を考えないタイプなんですか。

近 そうですね。僕のコンセプトは楽しく働こうです。「楽しく働けないと仕事じゃないよ」「自分がどう楽しんで働くかを考えよう」とスタッフにも伝えています。

編 ちなみに近藤店長が楽しんで働いているなって感じるのはどういう時ですか。

近 僕が1番楽しんでいるのはお客さまの反応ですね。機械を入れたりした時に反応が良かったりすると、提供したものがニーズにあっていたと感じますし、それが僕の役としての楽しみです。

編 自分の考えがマッチしていたみたいな、答え合わせみたいな感覚なのでしょうか。

近 ですね。営業成績が上がるのは当然嬉しいことなのですが、今いるお客さまがどんな機械を望んでいるのか。それを自分が汲み取れたかどうかが楽しいのです。そういう話をスタッフにもすると、スタッフも注目してくるんですよね。自然とお客さまの状況も話してくれます。そうやってスタッフも巻き込んでお店を盛り上げようとしています。

編 結構スタッフ教育は熱心なタイプですか。

近 基本的には僕が指導するのは役職者や社員に対してで、僕からスタッフに直接指導はしません。役職には、「駄目なことは駄目。でも良い時は必ず褒めなさい」と指導しています。評価や時給とは別に、自分のことを認めてもらっている一言があるかどうかは1番重要だと思っています。自分がされて嬉しいことをするのがサービス業だと思うので、自分たちが褒められているからこそ、お客さまにも優しくニコニコできるわけです。
つい最近も、ファン感で景品が当たったお客さまに、スタッッフが「おめでとうございます」と声をかけたんです。その方は、今まで話したことなかった方でした。でも、その日をきっかけにお話できるようになれて喜んでいたんです。こういうことの繰り返しでお店のファンになってもらえる好循環が生まれるのではないかと。

編 その方は褒められたでしょうね。

近 もちろんです。一方で、駄目なことを駄目って言わない環境も駄目です。どれだけ褒めても、駄目なことを野放しにする環境ができ、それがよしとされると良いことが無効化されてしまいます。

編 褒められながら楽しく働いて、時に厳しく成長をうながすって、働いている側としてもいい環境ですね。

近 あとはやっぱりパチンコ・パチスロを好きなスタッフが多いと思います。そういう人って、自分が働いているお店でも出ている玉をみて「すごいな」と思ってそれがモチベーションになるわけです。だから僕は、スタッフたちにあえて声をかけるんですよ。「今日はどうだった? 出てたと思う?」と聞くと「ここじゃないですか?」みたいな答えが返ってきて、「お、よく分かったね」など。明確な答えは言えませんが、スタッフもその答え合わせみたいなのを楽しみにしているんです。

編 そういうこともモチベーションになるんですね。

近 スタッフが設定入っていると思うと、自然と顔がイキイキとして、お客さまにも熱意が伝わるんですよね。

編 本当にスタッフの表情で自然と伝播させていけるものなんですか。

近 お客さまに向けて発信する方法はいろいろあると思うけど、規制もありますし、その中で信頼度を上げるのって大変だと思うんですよね。だけど、うちのお店すごいなと思ってもらえると、お客さまとの会話も盛り上がるんですよね。

編 そういう工夫、ほかにもありそうですね。

近 エンタープライズの稼働ランキングの推移はスタッフにも見せたりしています。こちらから「見てね」と言わず、休憩所に置いてあるだけ。スタッフによってはそれを見て、今の自店がどういう状態なのかが分かるようになっています。僕は楽しい仕事って誇れる仕事だと思うんです。この店で働いていることを誇れるようになってほしい。一般的にはパチンコ業界って評価良くないかもしれないけど、自分たち以外の人から、「あの店すごいって聞くよ」と聞くと、誇りに思えると思うんですよね。

編 近藤店長は、そういう考えを誰かに教えてもらったんですか。

近 僕、結構下積みが長かったんですよ。副店長時代が10年くらいあって、折れてしまいそうな時もあり、「このままやめてしまうか」なんて思った時期もありました。それとは反対に、「このままでいいんだろうか」とも考えていた時に、会社自体がコーチングを見直す動きがあったんです。そのタイミングで経験と知識を結びつけたのはあります。

 


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