ピデアな男 池田優樹(グランキコーナ堺店 店長)

2019.10.10 / 連載

今年7月27日、大阪堺市に総設置台数1817台の新店「グランキコーナ堺店」がグランドオープンした。アンダーツリーグループの中でも最大設置の店舗であり、全国150店舗あるグループ店で唯一「グラン」の冠をつける。
そんな押しも押されぬ旗艦店を任されたのが、31歳の新鋭・池田優樹店長だ。京都の新店立ち上げにも大成功を納めた正真正銘のエース店長に、パチンコ店で働くということを聞いた。

 

 

目的を達成するために今の時間がある
与えてもらえる職責は全部やりたいと思っています

PiDEA編集部(以下略編)キコーナ150店舗の中でも最大の設置台数を誇る店を31歳の若さで任される人物である池田店長は、どのようなキャリアを積まれてここまで到達したのですか。

池田優樹店長(以下略池) キコーナでは6年目に入ります。もともと中途採用で入社し、最初は守口店、四條畷店、大東店を経て、その後キコーナ京都向日店を立ち上げ、会社の後ろ支えもありアンダーツリーグループのトップ稼働を獲得できました。全国区でもピーク時で15位くらいのお店です。

編 押しも押されぬキコーナのエース級店長というわけですね。

池 そういう風に声をかけてくださる方はいます(笑)。

編 そういったエース級の店長が考えるパチンコホール営業とはどのようなものなのでしょうか。

池 偉そうなことは言えませんが、パチンコ店って業態上、お客さまの勝ち負けがあります。そもそも、アパレルでも飲食でも、お金を支払ってサービスを受けることで、ニーズを達成することができます。しかし、パチンコ店営業は、お客さまの「勝ちたい」というニーズに対して、必ずしもお答えできないこともあります。つまり、ニーズを満たせていないのに再来店を求めないといけない業種なのです。
パチンコ台を商品として考えた時に、商品提供はどこの法人も一緒なので、どこの店にいっても似たり寄ったり。その中で差別化を図ることができるのは人の力です。人の魅力で違ったニーズを引き出して満足感を与えていくこと。
なので、私は人の部分、教育は徹底しています。

編 これだけ大きなお店なので、部下やスタッフの方はたくさんいると思います。一人ひとりタイプは違うので、どのような教育をするのでしょうか。池田店長の軸となる教育方針はどんなものですか。

池 このご時世、どこも人手不足で、労働者が仕事を選べる時代にあります。その中でパチンコ店に就職された方は、必ずしも第一希望でこの会社に勤めているわけじゃないと思うのです。だから一人ひとり全員と面談をして、自分がどこにやりがいを感じるか、将来のビジョン、夢を聞きます。そこで私が伝えるのは、「その目的を達成するために今の時間があるんだよ」ということです。未来の目標であったり目的を達成するために今の時間を有意義に、貪欲に成長させていく。成功するためには今を捨てていたら達成できない。私が教えるのは、そうした働く姿勢についてです。
細かい作業などは教えません。どうしても、作業を教えていると「こうやった方が早い」などと、応用を教えたくなってしまうんですよね。応用って基本を知らない人からすると選択肢の1つでしかないんです。でも0から1を生み出す教育をしてあげると自ら知識を求めていくようになるので、基本を覚えて応用も身についていくのです。
あとはそこに自分が傲慢にならずに常に変化を続ける人材であるということです。育成で1つテーマを掲げているのが、常に変化をすること。最前線でお客さまと対峙しているキャストたちが「もっとこうやった方がいい」という意見をいただくことは多々あります。そこに本気で向き合うことで、もともとは自分で見ていたはずの世界なのに曇って見えなくなったものがあると思うのです。だから部下の意見は自分の時間を捨ててでも聞くようにしています。

 

 

編 人数も多いでしょうし、全員と面談って大変じゃないですか。

池 この1817台のお店は想像していた以上に忙しいです。ただ私がそれを言い訳にしていたらダメだと思います。私は昔から人を嫌うことが嫌いで、もちろん人間なので心の中では嫌だなと思っちゃうこともあるのですが、そう感じる人とは逆にコミュニケーションをよくとるようにしています。どこでこの人とうち解ける部分があるか考えて会話をするのは意識的に行っています。

編 意見を聞いてくれるというのはスタッフからしてもモチベーションになりますよね。そのモチベーションの高さが、池田店長が言う人の差につながってくると。

池 いろんな経験を持っている方って世の中にはたくさんいると思います。私自身は能力は高くないと思っています。ただ、人から支えていただける力は強いかなと。少しでも私の意向を汲み取って実行してくれる、私と同じ考えをもった分身を増やすことが重要です。月に8日、9日休むということは、1カ月間の25%は出勤していないということです。部下が自分と考えを似通わせていけば、私が休んでいる日でも、100%のゲインがある。
私、昔からサボり癖があるんです。サボるというのは、ただ仕事をしないのではなく、早く仕事を終わらせて本来自分がフォーカスを当ててこれなかったところに空いた時間を使うこと。言い換えれば時間効率がいいということです。その効率化は常に意識しています。


続きは10/15発行のPiDEA Vol.158で

 

 

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