PiDEA注目機種(中古機部門)〜2021年10月の中古機市場の流れを振り返る〜

2021.11.12 / 連載

緊急事態宣言が解除されても稼働は戻らず

新規則機完全移行へ向けて
入替の二極化が進む

 

飲食業などは通常営業に戻ったがホールの稼働は変化なし

長かった緊急事態宣言が明けて、10月25日からは飲食店などの時短営業も解除されました。渋谷や新宿といった繁華街の人出も増えてきて、徐々に日常が戻りつつあります。

パチンコ業界の稼働を見てみると、パチンコは10月4日時点は約1万1200個で、10月14日が約8300個(今年ワースト2位)、10月29日が約8900個という推移。パチスロは10月4日が約5300枚、10月14日が約4600枚(今年最低値)、10月29日が約5200枚という結果でした。月末に微増していますが、他業種のように日常に戻ったという恩恵は受けていないといえるでしょう。


撤去期限が迫る中入替は新台or中古で対応二極化

3〜4カ月にわたってパチンコの稼働を引っ張ってきた「牙狼月虹」と「ガンダムユニコーン」ですが、10月に入ると徐々に落ち着いてきて、新機種の「うまい棒」が台頭。高稼働、高粗利で話題になりました。そのほかにも「神・天才バカボン」や「沖海5桜ver」「マクロスフロンティア4」など新機種が続々と登場し、パチンコは再び新台が稼働を引っ張る状況になっています。パチスロは稼働好調だった「チバリヨ」が増産され、市場導入台数が6000台から10000台になりましたが、変わらず好調をキープ。新台は「ファンキージャグラー2」「ツインエンジェルPARTY」などが導入されました。「ファンキー2」は同シリーズの5号機下取りが販売条件となっているため、スローペースでの導入となっており、全国に行き渡るまでは少し時間がかかりそうです。

中古機相場を見てみると、10月は全体的に高額機種の取引が停滞してきた状況です。一時期は170万円まで高騰した「ガンダムユニコーン」は10月下旬に75万円まで急落。「牙狼月虹」の需要も落ち着き、70万円を下回るのは時間の問題といえそうです。要因としては年末商戦に向けた話題機種の購入に向けての予算確保のためと思われますが、残り3カ月を切った旧規則機の入替を、新台で賄うか、中古機(自社物件の再設置)で賄うかという対応が法人ごとに分かれて、二極化してきています。さらにはパチスロは安価な機種で数合わせをしようとする動きもあり、「Sエウレカセブン3」や「S物語セカンドシーズン」など3〜5万円の機種売買が活況になってきています。


入替機種選定に対してリセールバリューを意識

年内登場予定の新機種も出そろったタイミングですが、どんな中古機を売って、購入すべきかを考える上で、今回は中古機のリセールバリュー(購入した資産を売りに出すときの価値)を検証したいと思います。

 
図:6号機AT機の累計粗利と中古機相場合算値

累計台粗利と中古機相場は10月末時点のもの(導入から約半年経過した機種を選定)

 

上記の表は、一部AT機の累計粗利と中古機相場の価格を合算したもの。このように数値化することで、自店の保有物件の価値や中古で購入しようとしている機種の価値が見えてきます。これに販売台数や導入店舗数、平均設置台数を追加して検証するとより詳細な情報分析が可能です。合計額的にも「マクロスデルタ」の価値は高いですが、導入店舗数も全国で1500店程度、台数も2300台程度とレア度の高い機種となっており、購入の価値があると見て良いでしょう。旧規則機撤去に向けて、リセールバリューを意識して、入替対応してみてはいかがでしょうか。

さて、長らく担当してきました本企画ですが、次号からは新しい担当者にバトンタッチ。今後も有益な情報を発信していきますので、よろしくお願いいたします。


ケーエス販売渡辺氏今月のオススメ中古機

 

累計粗利120万円超えで
コスパ重視の小当たりRUSH機

今月はリセールバリューを意識して、累計粗利が高く、相場が手頃な機種をピックアップ。パチンコは累計粗利が120万円を超えているオッケーの「GANTZ極」。相場は10万円前後とお手頃で、アウトが低迷している現状において、まだ引き続き粗利貢献に期待できる機種としてオススメです。

©奥浩哉/集英社 ©奥浩哉/集英社・「GANTZ:O」製作委員会

 

大当り確率(確変中)

約1/319.9(約1/114)

賞球数

3 & 1 & 2 & 4 & 10

ラウンド & カウント

2 or 10R & 10カウント

確変突入率

45%(ヘソ)、70%(電チュー)

時短

通常大当り後0 or 30回転

出玉

300 〜 1500個

 

市場流通台数は5000台
希少価値の高い粗利貢献機

パチスロは「戦国コレクション4」をピックアップ。粗利貢献に苦戦している6号機AT機のなかで、昨年の販売機種の中ではトップクラスの粗利貢献度を誇る本機。販売台数も5000台とそこまで多くなく、バラエティコーナーの拡充など使い道は多いのではないでしょうか。アウト面でも活躍が期待できそうです。

©Konami Digital Entertainment,NAS/「戦国コレクション」製作委員会

 

AT初当たり(夢幻の間)

約1/399.4(設定1)〜 約1/241.6(設定6)

タイプ

AT

50枚ベース

約51.5回転(設定1)

天井

最大1216G(通常A滞在時)

AT純増

1Gあたり純増約10.0枚

出玉率

97.0%(設定1)〜110.2%(設定6)

 

今月のまとめ

間近に迫った旧規則機完全撤去に向けて
保有物件のリセールバリューを検証してみましょう

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