岡野陽一のパチンコ人生訓 Vol.5「人間・岡野陽一が信じるコト」

2021.10.08 / 連載

「借金芸人」岡野陽一が送るPiDEA新連載!
パチンコを打っていく中で岡野陽一がたどり着いた人生の境地を、月替わりの金言とともに語る。


今月の金言

「人間・岡野陽一が信じるコト」

 

:岡野陽一

鳩のフンが頭に落ちてくるというそれなりにレアな演出を高校生の時に体験したことがあります。その時はパチンコをやっていなかったから、めちゃめちゃムカつきました。でも、今の私からするとなんてことはない。そういうこともあるよなと受け流せます。

パチンコを打っていると、薄い確率の方を引いてしまうことがあります。「超韋駄天」のRUSHに入って1回目で7%の方を引いてしまったり、95%の確率で大当りするような演出なのにハズれてしまう。それでも私は動揺しないのでございます。

単純に信じていたのに裏切られるのってキツいじゃないですか。だから最初から何も期待しないのです。テレビに出たから売れるとか、すごいでかい案件が決まったから売れるとか、そういうことは一切考えません。「絶対今日こそうまくいく」と意気込んでもうまいこといかないとすごいダメージがでかい。

難しいところですよね。大人になっちゃったなと寂しく思うこともあります。激アツが出た瞬間は熱い方でいたいけど、ハズれた時にすぐにメンタルを戻せるようにしないと、毎日パチンコ打てないじゃないですか。ある種のリスクヘッジみたいなことなのかもしれませんが、落ち込むなんてことはパチンコやるようになってからなくなりました。

 

僕がハズれを引くことで誰かの役に立てた

もちろん、若い時は信頼度以上に信頼してしまっていたので、「なんで自分だけ」「なんでお金のない自分がこんな目に」と怒りはありましたが、でもそういうもんだと思うしかないですよね。信頼度90%ということは10回に1回はハズれないと成り立たない。「僕がハズれを引くことで、誰かの役に立てた」。そう思うことでメンタルを保てるようになりました。ガンジーみたいなものです。

結局、パチンコ打ちはみんなつながっているのです。みんなで戦っているので、仲間じゃないですか。自分がハズした時こそ心から喜ぶべきなんです。

そう考えると、パチンコは長い長い学校ですわね。15年生くらいの。長く打ち続けていると、誰しも「こんだけ長くやっているんだから得していないと嫌だ」みたいな後付けの意味を求めてしまう。でも、パチンコは本来楽しむもの。パチンコ学校に通った人はだんだんと、意味を求めるその考えが間違っていたと変わってくるのです。なんでも同じことを15年くらいやると誰でもそこにいきつくと思うんですよ。

……お笑いですか? お笑いがね、まだ13年なんですよ。15年から悟りにいけるんでしょうけど、あと2年はなんにも分かんないでしょうね(笑)。。

 

何も信じないということを信じるということ

そんな私もオカルトはやり尽くしてきました。カツを食べることから始まり、赤色の服とか金色の服を来たり、防犯カメラにお礼をしたり、負けたら着替えてもう一度勝負するとか。

結局、効果があったのは生贄打法でした。ゲン担ぎっていうのは楽して勝ちたいだけなんだなと気付いたんです。でも、そんなんじゃ出るわけない。社会というのは何事にも対価が必要で、オカルトで出していただく代わりに自分に嫌なことをするというのをやってみました。

ハンドルを握る手とは逆の手で、めちゃめちゃ太ももをつねるんです。夏場の熱い日にコーラを腕にかけるとか。ネトネトになって嫌じゃないですか。

そしたら、それがたまたま上手くいって、1週間くらい勝ち続けました。「これは見つけちゃったぞ」と。でも結局、いつかは負ける時がきます。でも負けた時オカルトって怖いのが、「今日は痛めつけが緩かったのかな」とか思っちゃったりして、もっと思い切り血が出るくらいつねったりしたのですが、そこくらいからパチンコが楽しくなくなってきたのでそのオカルトはやめましたけども。

というわけで、この岡野陽一、何も信じないということを信じております。悲しい人間かもしれませんけど、パチンコのスタートチャッカーに入る玉と同じで私も生まれた瞬間に、抽選の結果は内部的には決まっていると思うんです。もちろん大当りの書き換え抽選は人生でもあるのでしょうが、それをずっと狙うのって辛いじゃないですか。

だから何も信じないのが一番私のベストな生き方なんだと信じています。希望が絶望を生むことはありますが、大概の場合で絶望は希望を生まないものです。光を知らなければ暗いまま。だからって何もしないというのは違うという人もいるかもしれませんが、そこで後悔する人は頑張った方がいいです。

基本は期待せず、信じないということを信じる。その方がダメージがとにかく少ない。70点くらいの人生を歩みやすいんです。もちろん僕の中ではそれで100点です。どこかで僕も逃げてきた感はありますけど、でも逃げてもいいと思うんですよね。とにかくハンドルを握って、パチンコを打ってりゃそれでいいんです。

 

岡野陽一のパチンコ人生訓