岡野陽一、2022年を振り返るー岡野陽一のパチンコ人生訓Vol21

2023.03.14 / 連載

「借金芸人」岡野陽一が送るPiDEA新連載!
パチンコを打っていく中で岡野陽一がたどり着いた人生の境地を、月替わりの金言とともに語る。


今月の金言

岡野陽一

2022年を振り返る

:岡野陽一 ※PiDEA Vol.197掲載分


2022年を振り返ってみますと、仕事の量としてはこれ以上でもこれ以下でもなく、非常に適度な1年でした。

2021年の頭くらいから続いたクズブームも、さすがにもう終わるんじゃないかと見ています。そういうものに流されていると、後々すごい大変になると思うので、その波に乗り続けるとかはあまり考えていません。

こんな話をすると「意外と手堅いですね」などと言われますが、手堅いというよりも「求めていない」んですね。設定1でも爆発すれば勝てるんじゃないかとか、パチンコも大連チャンしたいと望むと大抵いいことがないじゃないですか。つまり、自分自身がそんなに「出る台」だとは思っていないわけです。じゃあそれをプラスにしようとすると、今度はデータを集めたり、期待値を求めたり、大変じゃないですか。そういうムーブはだんだん物事が楽しくなくなっていくので、積極的にやりたいとは思いません。

ちなみにお笑いの仕事で期待値を求めるというと、ネタをつくることだったりします。ネタといえば昨年末のM-1は仕事が入ってしまって生で見ることができかったのですが、ウエストランドは実は同期で、よく一緒にライブをやっていたんです。それこそ僕がまだコンビだった時には、月に20日くらいはライブで一緒になっていたような感じです。あの頃の僕らは人気がなかったので、人気があるヤツらの悪口をずっと言っていたんですよ。昔からやっていたことで優勝したんだからすごいことです。

人のことはともかく、自分も2022年はキングオブコントに出ました。ああいうショーレースに出て人気者になるというサクセスストーリーは、芸人として一番美しい姿かもしれないけど、それに人生をかけてというのは、僕はいいかなと思います。なぜかって? 楽しくないからです。

「今日勝てたらいいな」
くらいの感覚で適度にネタ

もちろん頑張ってネタをつくって、そのおかげで決勝に進んだ達成感みたいなものもありますが、年齢とかキャリアとか今の仕事量とか、いろんなものを複合的に冷静に考えた結果、ギリマイナスかなと思っています。自分自身が大クラスの芸人にはならないと思っていますし、芸人人生の大半をネタ作りに使うというのは、どうも現代の芸人のスタイルじゃないとも思うんですよね。

これはそういう方々を否定する意見ではなく、むしろそういう人が芸人としては一番かっこいいとも思います。でも、僕が生まれた時から一番を目指そうとはしていないからしょうがないんです。僕が芸人をしているのは、楽しく生きたいからというのが大前提なんです。先輩に熱く語られたって簡単に変わるもんじゃありません。

5、6年なんにもやらなかったのに比べて、2022年は珍しくお笑いも適度に頑張ったと思います。趣味というと誤解を招きそうですが、2023年も適度にネタをつくってウケたらいいなくらいに思っています。パチンコ屋に行く前の「今日勝てたらいいな」に近いですね。

実現できなかった
もぐらとオールナイト参戦

パチンコ関連の変化といえば、最近ではスマスロかなと思っています。僕も収録で、「リノ」「刃牙」「ヴァルヴレイヴ」を打ちました。「鏡」はまだ打てていませんが、ヴヴヴはいいですね。吸い込みも吐き出しも4号機の頃が戻ってきたかのように感じています。
先日鈴木もぐらといつになく真面目な話をしてしまいました。導かれた結論というのは、パチスロが出ない時代になってたけど、良かった頃のパチスロが帰ってきたと。ただ一方で、誰もそんなことをもう求めていないんじゃないかとも思うんです。4号機がなくなって離れた人がたくさんいて、その人たちはもう戻ってきてなくて、今残っている人たちはそこまで派手な出玉を求めているわけじゃないんじゃないかと。もちろん個人の感覚だとめちゃめちゃ嬉しいし、喜んでいます。
それと年末のオールナイトですが(※編注:取材は2022年末)、今年はいけないんですよ。それこそもぐらと年末年始のスケジュールを抑えちゃって行こうと思っていたんですが、もぐらの相方の水川かたまりが「年末年始は仕事したい」と言い出してしまったんですね。それをどうにか説得しているうちにスケジュールも埋まってきてしまって行けないことが確定しました。かたまりがオッケーしてくれていたら、僕ともぐらが三重県のどこかのホールにお忍びで行けるはずだったのですが、かたまりがね「今は大事な時期だ」とか言いやがってですね、今年は譲ってやろうと思っています。

そんなこんなで2023年に突入していくわけですが、僕は特に目標もなく希望も持たないでやろうと思っています。前回の記事でも言いましたが、パチンコに汁をいただいたので、どうにか汁を配る側にいけないかなと思っています。キングオブコントみたいなショーレースに出ることもある意味では汁をご提供できたかなと思いますが、それもありつつ、汁を知らない子供たちにもこうやったら汁を出せるようになるよと教えてあげていきたい。多分小学生の子とかって脳汁を理解できないと思うんですけど、実際にはやつらも汁出してると思うんです。脳汁ってこう言うことだよとわかりやすくネタにしたいなと思います。。

自分自身を「出る台」だとは思っていない
ネタづくりに人生をかけるのは、
複合的に考えてギリマイナスかなと

  

 

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