[連載:Twitterでは言えない話]池袋・パーラー富士Twitterアカウントの中の人/昔はゴリゴリのやんちゃ営業で通報されまくり

2021.09.17 / 連載

第36回 ツイッター上にいるプチ有名人たちに聞く

Twitterでは言えない話

雑誌や動画などの媒体に所属していないただのアルバイトスタッフに、数千人のフォロワーがつく時代になってきた。ツイッター上でわざわざ本人が語らなそうなことを、第三者であるPiDEAが根掘り葉ほりする。

池袋・パーラー富士Twitterアカウントの中の人

 


今回の言えない話

昔はゴリゴリのやんちゃ営業で通報されまくり
そんな富士の店長って何者なの?


PiDEA編集部(以下略編) : 失礼しまーす。PiDEA編集部コガワで……す……、え?

 

 

 

 

 

 

 

 

パーラー富士(以下略富):あー、こんなウサギ小屋みたいなところまで本当にわざわざ来たんですねー。ご苦労さまですー。

編:足上げで待ち構えるとは、逆にサービス精神を感じます。

:酒臭くてすみませんー。うちポップな会社なのでそういうの問題ないし、会社のチェックとかも入らないので、面倒臭いですが何でも答えますー。(編注※以下、文中では音引き「ー」は割愛させていただきます)

 

編:さて、彗星のようにパチンコ業界Twitterに舞い降りたパーラー富士さんですが、名刺上では本当に店長とのこと。創業52年とのことですが、いつから勤めているんですか。

:2006年入社で、店長は2011年からやっています。もともと広告代理店で働いていて、その時のお客さんがこのお店でした。その時にスカウトされたんです。「うちさー、身内の人が店長やっていて、その人が結構トシでさ、マネージャー待遇で来ない?」と。

編:それまでホール経験は?

:学生時代はPIA上野店でアルバイトリーダーをしていました。

編:ずいぶんとまぁ明け透けに……。

:先代の店長は創業社長の弟で、いわゆる経営者一族。その時点でもう大分ジジイになっていたんです。社長が代替わりする時に、古い社内体制を刷新する一環で私に声が掛かったんです。

編:マネージャー待遇というのはどういう心境でしたか。

:チャンスだと思いました。その時の営業部長が釘師だったんですよ。孤立まではしてないけど昔カタギで、個性が強い曲者でした。でも自分とは馬があったんですよ。釘とか営業理論的なことを教えてもらいました。

編:釘師の凄腕部長がいるならチャンスではないのでは?

:どんな凄腕でも当時の店長は創業者の弟で、自分はあくまでも職業釘師としてコンサル的に関わって来た流れで営業部長になってますからね。また、創業者の息子で今の社長も当時まだ代替わりしたばかりですから、両者の納得を得た上で技術や知識とかをフルパワーで営業現場に反映させるのは難しかった。なので、自分がどうこうというよりは、持っているものを若い奴に叩き込んでやろう、後はそいつがやればいい、そう考えたみたいです。3年前に交通事故で亡くなっちゃいました。それから、店長と営業部長の業務内容を私が兼務しています。

編:劇的な展開ですね……。

:そんなこんなで、ショボ会社ながら私はホール事業全体に責任を負う立場なので、まあ敢えて言うなら「全権委任店長」なんでしょうね。労務管理者とか店のお留守番係的な店長じゃなくて。

 


 

編:なるほど、よ~く分かりました。ところで、パーラー富士といえば、Twitterもそうですが、店内POPなんかもかなりふざけていますよね。なぜ急にTwitterが始まったんですか。

:7、8年前まで会社の方針でやんちゃな営業していたんです。完全なやりたい放題の逸脱店舗でした。それを、社長の理解と社員の協力を得ながら頑張って健全化したので、「そろそろいいかな」と。店舗のTwitterは昔からやっていたけど放置していたんです。やんちゃな営業を辞めたので、そろそろいいかなと。

編:やんちゃってどれくらい?

:朝一からゲーム数が3桁ゾロ目になるたびに抽選券を渡していき、当選した人は好きな日に好きな台の設定6を予約できるという「アンコウ争奪戦」とか。多い日は月に10枚くらい予約券を出していました。予約はハイスペック機種に集中してましたね。

編:4号機の時代とかじゃないですよね。エグすぎません? なんで営業できているんですか。

:多い時だと月に5~6回、健全化センターからの電話が鳴ったり突撃来店喰らって「こういう情報提供があったんですが」「これはマズいですよ!」などと是正勧告受けてました。でも当時はそういう方針でしたから、テキトーに対応してました。ウチに限らず昔の小規模店舗は、逸脱自体を個性としていて、それを黙認したり支持するお客さんとの相互理解で成り立ってましたからね。

 


 

編:今店長に変わって、健全化したけどふざけたTwitterを発信するようになったと。そこまでしてやりたいことって何ですか。

:ちっちゃい店でも生き残れることを証明したかったですよね。発信としては何か尖っていないと、それでも2割くらいの力加減でゆるくやっていますよ。通過目標ではありますが、なるべく早く池袋のホールで最多フォロワー数になって、池袋商圏全体を盛り上げたいですね。新装開店情報とかアイドル店員さんとかが目立ちますが、それに対して飽きている人も多いと思うので、私としては他のホールさんじゃなかなかできないようなことを面白おかしくやって「射幸心じゃなくて興味をそそる」ことができればと考えています。パチンコ業界って強弱じゃなく多様性で成り立っていると思っているので、そのパズルのピースとしてこのお店を残していきたいです。

編:その後は?

:もう5年、10年もしたら店長として最前線には出られなくなっていると思うので、営業部長として裏方に引っ込みます。店が存続するように全力を注ぎますが、仮に廃業したら、私もホール職域から引退します。


 

顔は出せないので写真を送ってもらいました

取材を終えて

終始やる気のなさそうな態度でしたが、聞けば聞くほどかなり深いところまで教えていただけました。顔出しはNGということですが、普通に店に行ったら会える店長ということらしいので、お近くで気になるという方はぜひお店にいらしてみてはどうでしょうか。ただ、「かなり特殊な法人の特殊な店長」ということは、当のご本人としても認識しておりますので、絶対に真似することのないようにお願いいたします。

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