地域のパチンコファン感謝デーを企画した組合も景品のセットを企画したが断られている。
そういう経緯があったことを知る由もない、別のホール企業が企画書を携えて会社を訪問した。
企画内容は「〇〇〇〇〇推薦の景品コーナー」。
ホール企業担当者は自信たっぷりに企画内容を説明した。商品を買ってやるんだから協力するのは当たり前の雰囲気を醸し出していた。
全日遊連のパチンコ感謝デーの商品は百貨店と取引しているので、楽勝だと思っていたが、違った。どんな企画を持ってこようともパチンコ業界と取引する気が最初からないためだった。
「こちらがOKも出していない。協力するのを前提で企画書を持って来ているところで、一般企業の礼儀作法がないぐらい失礼だった」
長年作り上げたブランドイメージをパチンコ業界に利用されたくない、というのが本心のようだ。ホールにすれば、この会社のブランドイメージを使ってホールイメージをアップさせたい、という思惑だ。
これではwin winの関係は構築できない。
この会社にはホールだけでなく、メーカーもアプローチしていた。
版権使用料が入るから、パチンコ台を作らないかとか、パチンコメーカーのキャラクターグッズを置いてもらえないかとか。
パチンコ業界と関りを持ちたくないので、いずれの案件も玉砕している。
パチンコ業界自身が自らの姿勢を改革して、イメージアップを図らない限り、この会社とのコラボは実現することはないだろう。
しかし、この会社の担当者は、パチンコ好きで今でも打っている。
最近のお気に入りはメッセ。
「ウチの会社につながるものを感じる。遊べるし、従業員が生き生きしていて気持ちいい。大手ホールの人造のような接客でないところがいい。ウチの会社と同じ空気を感じる」
この話を聞いて、業界には見込みがあるホールがあることで、少しは救われた気持ちになった。
