下請け会社は正社員の他、フリーランスのプログラマーも使っていた。仕事がなくなったフルーランスのAさんは、昨年暮れから都内でウーバーイーツのアルバイトを始めた。
Aさんは配達地域を小金持ちが住んでいそうな高級住宅街に的を絞った。最初は普通に配達するだけだったが、これでは何ら進歩もないので、あることを思いついた。
フリーランスのプログラマーなので、履歴書代わりに自分のスキルをはがき大サイズに印刷して配った。
高級住宅街なので配達先ではお手伝いさんが出てくることもある。会社の役員・社長クラスが住んでいるだろうとの読みだった。
ウーバーイーツを始めて7カ月以上が経ったある日、Aさんのスマホに見知らぬ番号から着信があった。
Aさんを面接したい、という連絡だった。
100枚以上は配っていたので、どこの誰かはさっぱり見当がつかなかった。
連絡があったのは、ジェネリック系医薬品メーカーの3代目で、新たな事業としてIT系の会社を立ち上げることになっていて、そのメンバーとしてAさんに白羽の矢が立った。
Aさんに注目したのは、その発想力だった。自分を売り込むのにウーバーイーツの配達をしながら、社長が住んでいそうな場所をピンポイントで攻める。
自分の運命は自分で切り開く。その手本のような話だ。
では、パチンコ業界は自らの手で業界の将来を切り開こうとしているのか?
遊技客の年齢分布はきのこ雲型、中・高齢者に支えられ30代以下が大きく欠落している。下のボリュームを増やすことが最大の課題となっている。そのためには、セブン機に比重を置きすぎたことを反省しなければならない。
ハンドルネーム「もと役員」さんはこう指摘する。
「デジパチって全くの未経験者の側から見たら意味不明な遊びとしか映らないみたいですよ。
私の妻もGWに初めて連れパチした息子も「意味不明」と申しています。メーカーも、もういい加減に継続率や有利区間(あまり良く知らないw)とかの規制緩和を求めるのでは無く、羽根物の
役物設計の自由化を電チュー非搭載や最大TYを担保に求めとかにシフトした方が良いんじゃないですかね?」
業界が一番輝いていた30年前は、セブン機以外にハネモノ、権利モノ、一発機、普通機と機種構成もバリエーションに富んでいた。売り上げの上がらない機種=遊びたい客を排除しながら、売り上げが上がるセブン機へと先鋭化させた結果が、今の業界の姿である。
持続可能な業界にするためには、今の機種構成では若者に興味を惹いてもらうことなどできるはずもない。上場メーカーは相当な危機感を持っているようだが、やるべきことは出玉の規制緩和を行政に求めることではない。
もと役員さんが言うように役物設計の自由化などで、これまで見たこともないワクワクするパチンコ台を開発できるように、規制緩和を求めてもらいたい。
