昨年12月に行われた日工組の役員会において、TV、ラジオ、新聞等におけるCM自粛を2021年3月31日で終了することを決議。これにより4月1日以降は、組合員の判断でTV等でのCMを行えるようになった。
そんな中でいち早くCMを投下したのがSANKYO。8月2日より全国で順次導入開始となった「PF 機動戦士ガンダムユニコーン 」(以下、ガンダムUC)のCMは、地上波を中心に多くのパチンコユーザーの目に触れることになった。そこで、編集部では10年ぶりに解禁になったCMの効果を探るべく、ガンダムUCの新装初日を取材。稼働状況やユーザーの声、またホール関係者の声を集めたのでご一読願いたい。
新装初日の状況をお伝えする前に、まずはスペックを振り返っておきたい。
本機は大当り確率1/319.7のミドルタイプ。右打ちのRUSH突入率は60%でRUSHの継続率は約81%、右打ち時の大当り出玉はALL1500個と、現行機種の中でも特に一撃性能の高い仕様だ。
ヘソ入賞時、初当りの20%で3000個大当り+RUSH確定という魅力も備え、さらに右打ち時は大当り3連続以降で右打ち変動スピードが〝覚醒〟することでアップ。ユーザーの遊技意欲を高めるスペック、仕様、そしてコンテンツを携えた本機の初日動向を振り返っていこう。
8月2日、都内近郊の店舗ではガンダムUCをはじめ、複数の新台が導入開始となった。
今回は、楽園池袋店、楽園渋谷駅前店、レイトギャップ、エクスアリーナ東京、マルハン日野店のオープン状況をチェックした。
<CASE 01 楽園池袋店>
パチンコ 922台
パチスロ 607台
所在地:東京都豊島区南池袋1-24-5
(ガンダムUC導入台数:20台)
池袋駅から徒歩3分程度と好立地な場所にある「楽園池袋店」。同店は朝10時のオープンとともに新台も開放。パチンコとパチスロの列は別々となっており、パチンコの方にはおよそ150人ほどのユーザーが列を作っていた。オープンとともに「ガンダムUC」コーナー20台は満台となっていた。
<CASE 02 楽園渋谷駅前店>
パチンコ 550台
パチスロ 450台
所在地:東京都渋谷区道玄坂1-3-1 B1F~4F
(ガンダムUC導入台数:15台)
渋谷駅前にある同店は新台が18時開放となる時差オープン。17時40分からの抽選にはおよそ80名ほどのユーザーが参加していた。並んでいた30代の男性ユーザーは「ガンダムが好きなので並んでいます。スペックもいいですし、早く打ちたいですね。取れるといいなぁ」と語ってくれた。新台開放10分前からは原作アニメの楽曲であるAimerの「RE:I AM」が店内BGMで流されるなど、オープン前から店内は盛り上がっていた。
<CASE 03 マルハン日野店>
パチンコ 640台
パチスロ 312台
所在地:東京都日野市栄町5丁目23番地9
(ガンダムUC導入台数:20台)
東京都日野市にあるマルハン日野店では、ガンダムUCを20台導入。パチンコが人気のお店ということもあり、平日にも関わらず朝から150名ほどのユーザーが列を作っていた。同店では、ハイスペック機を好むユーザーの回遊を狙っているのかガンダムUCと牙狼月虹を背中合わせで配置。店内装飾でも両機種をPRするようなオリジナルの箱型POPを設置していた。
<CASE 04 エクスアリーナ東京>
パチンコ 660台
パチスロ 511台
所在地:東京都墨田区東墨田2-8-5
(ガンダムUC導入台数:10台)
ユーザーからの支持率も高い墨田区の人気店・エクスアリーナ東京はガンダムUCを10台導入。台数はそこまで多くないが、ガンダムのコンテンツ推しのポスターを掲出しPRにはぬかりはない様子。朝から100名以上のユーザーがならび、ガンダムUCコーナーはオープンと同時に満台になった。無事に台を確保したユーザーは「ガンダムユニコーンが好きで、導入を待っていました。事前にチェックしていたのでスペックは理解しているつもりですが、演出はあまり見ないようにしていたので、今から楽しみです」と話してくれた。
<CASE 05 レイトギャップ>
パチンコ 598台
パチスロ 406台
所在地:東京都大田区平和島1-1-1ビックファン平和島2F
(ガンダムUC導入台数:36台)
大田区にある高稼働の人気店舗「レイトギャップ」はガンダムUCを36台導入。うち33台が4円パチンコで、3台は1円パチンコで稼働スタートとなっていた。大量導入店舗ではあるが、コーナー入り口にポスターを掲出する以外に目立った装飾はなく、どちらかというとシンプルな印象。それでも100名以上のユーザーが列を作り、取材者が店舗に入ったタイミングではすでに満席。ビッグタイトルの人気ぶりを見せつけられた印象だ。
10年ぶりに解禁されたTVCMの影響はあったのか。取材店舗で並んでいたユーザーや新台を確保できたユーザーに話を聞いた。
40代 男性ユーザー(楽園池袋店)
「TVCMを何回か目にして、YouTubeで動画をチェックしてみました。宣伝もスペックもだいぶ力の入った感じがしたので、打ってみようと思ってきました。ガンダムユニコーンというアニメはあまりよく知らないのですけど、無事に確保できたので、ガッツリ打ってみようと思います」
30代 男性ユーザー(楽園渋谷店)
「ガンダムが好きなので、TVCMを最初に見たときは興奮しました。パチンコ機種のCMはいままで見たことなかったので余計にびっくりしました」
30代 男性ユーザー(レイトギャップ)
「TVCMをやっていたのは知っています。何回か見ましたが、自分はそこまで刺激は受けていないと思います。『あーやっているなぁ』という感じでしたね。ただ、今回のガンダムのスペックは非常に気になっていたので、初日に確保できてよかったです」
TVCMを見て「導入を楽しみにしていた」という人もいれば「CMで機種を認知して情報収集をはじめた」というユーザーも。
TV離れが進んでいると言われているが、ユーザーの話を聞くかぎり、10年ぶりに解禁されたTVCMは、導入前の機種認知には大きな影響を与えているといっても過言ではなさそうだ。
「朝から若いお客様に並んでいただき、開店と同時に満席になりました。自店では立ち上がりが良くて、初日から甘く動いています」とガンダムUCの入替初日の様子を語るのは、東京・巣鴨にある巣鴨会館の西間木統括部長。
「緊急事態宣言でホールが広告宣伝を自粛しているなか、テレビCMで導入が告知されたのは助かりました。特にターゲットにしている若年層へアピールできたのではと思います」と話してくれた。
実際に同店でガンダムUCを遊技していたのは若い男性客が中心。10年ぶりに解禁されたテレビCMだが、さっそくその効果が現われたといえそうだ。
また都内のオフィス街にあるホールの店長は「どうなることかと思われたオリンピックですが開会式の視聴率が良かったように、コロナ禍が続くなか自宅でテレビを見る機会が増えていると思います。だからこそガンダムの新しいパチンコが出るというテレビCMも注目を集めたはずですし、ウチも上々の立ち上がりで、初期稼働に貢献してくれたのではないでしょうか」と、機種CMに対しての効果を語ってくれた。
CM効果の目安にも成り得る稼働データを見ると、ガンダムUCの稼働は約4万3000個(PiDEA調べ)となっており、同日に導入された他機種パチンコと比較しても1万個近く高い数値を記録している。CM効果も含めて、導入前認知は成功した結果といえるだろう。今後、この稼働をキープしていけるかどうかは導入店舗の運用にかかっている。旧規則機撤去が近づいている現状において、本機のように多くのユーザーに受け入れられた機種を長期運用していくかが今後のホール営業のカギとなるはずだ。