デッドストックになった50枚入りマスク

2021.06.26 / コラム
中国の春節休暇の始まる1月25日前後から日本国内でも新型コロナウイルスの報道が連日されるようになった。

この日を境に前日に比べ1.5倍近くマスクが売れ始める。販売数は増加の一途を辿り、1月31日には1月24日の4倍の販売数となる。

奈良県で新型コロナの国内初感染が確認された1月28日から、兵庫、大阪を中心に店頭からマスクが消え始め、品薄地域は一気に全国に拡大した。

その頃、ネットでは1箱50枚入りの「医療用マスク」は、1980円の開始価格が1万7000円で落札された。ここからマスクの高額転売が始まる。

2月、3月は店頭にマスクの在庫はなく、1枚のマスクをケバ立つまで使いまくり、急場をしのいだ。

ようやくマスクが店頭に出回るようになったのは4月に入ってから。
写真が撮影されたのは4月14日で、大阪・ナンバのドラッグストアーでは50枚入りが3980円で販売されていた。



1万円以上で転売されていたことを思うと3980円は十分安く感じる。思わず1箱買い求めた。

同時に企業からの大量注文も受け入れるようになり、マスク不足も解消の方向へ向かった。

この頃、ホールが50枚入りのマスクを2000円の仕入れ値で大量注文した。景品として提供するためだ。ホールは400円乗せて2400円の値段で景品交換した。

これがマスク不足真っ只中の2月、3月なら飛ぶように売れただろう。パチンコ客以外の一般客も噂を聞きつけてマスク欲しさにホールへ来ただろうが、タイミングが少し遅かった。

景品に置いて当初はポツポツと出たが、ホールが期待したほどマスクと交換する客はいなかった。

で、現在デッドストックとして220箱がバックヤードに眠っている。



年末のアメ横では50枚入りが200円で投げ売りされているような時代に、さすがに2400円では交換する客はいない。

市場価格に合わせて安売りも考えたが、仕入れ値を割って市場価格に合わせて交換していたら、所轄から何を言われるか分からないので、怖くて安売りも憚られる。

そこで、従業員に配って処分しようと思ったが、ノンブランドで99%カットの表示もないマスクを欲しが者もいなかった。

「どうせ使うのならちゃんとしたマスクを付けたい」というのが従業員の本音だった。

「埃を吸うことになる大掃除の時にでもこのマスクを使うしかない」と責任者はあきらめ顔だ。

最近はマスクの2枚重ねが効果があると言われているが、ちゃんとしたマスクの上に汚れカバー用として使いますか?







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