人気おこわ弁当屋の店主がパチンコから貰ったヒント

2021.06.04 / コラム
コロナ禍でも比較的安定しているのは弁当屋だ。ただし、テイクアウトや宅配需要が増えた分ライバルも増えたが、それでもパチンコ好きだった店主のおこわ弁当の人気は落ちることはなかった。

赤飯おこわ、五目おこわ、栗豆おこわに各種おかずがつくので普通の弁当よりもお値打ち感があるが、理由はそれだけではなかった。

店主が拘ったのは漬物だった。

一般的には弁当屋だけでなく、飲食店の漬物は、業務スーパーで買ってきたものを使うことが多い。

店主は桜漬けやしば漬けを自らが丹精込めて手作りしている。箸休め的存在の漬物にも手を抜くことがないので、おかずもおこわ弁当も美味しいと評判となっている。

パチンコ好きの店主は、自分の好きな機種しか打たない拘りを持っていた。マイホールでその機種が撤去されれば、その機種を求めて近隣のホールへ移動した。少々遠くなってもその機種だけを追い求めた。

好きな機種には「嵌った」思い出があった。

ある日、この拘りを自分の弁当作りに置き換えてみた。

お客さんが弁当に嵌ってもらうには何をすればいいか?と考えた時に思い浮かんだのが漬物だった。

同業他社のほとんどが漬物は業務用を使っているので、味の差を感じることはない。みんな漬物には手抜きしている。

それで、店主が好きな桜漬けから自分で漬けることにした。自分が美味しいと納得する桜漬けを試行錯誤で完成させた。

お客さんにアンケートを取ってみると、「こんな美味しい桜漬けは他では買えない」「こんな美味しい桜漬けは食べたことがない」と好評で、売り上げは右肩上がりとなった。

弁当における漬物は主役ではない。あってもなくてもいいような存在だが、今では桜漬けは「自社の命」と位置付けている。

翻ってこの考え方をホール経営に当て嵌めてみれば面白い。パチンコ店の主役は言わずもがな遊技機である。弁当は美味しいのが第一条件とすれば、遊技機の調整がそれに当て嵌まる。そもそも今のホールは提供する遊技機が商品として提供されていないことが大問題なのだが…。ここをクリアしないと前に進んでも意味がない。

では、ホールで漬物的存在と言えば何だろう?

ホールの脇役と言えば従業員? 景品? ホール環境? 

それは自分で考えてもらおう。

要はお客さんに提供するモノは脇役的存在であろうが、一切手を抜かずに提供する、ということだ。









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