緊急事態宣言下でも営業できるパチンコはまだまし

2021.05.29 / コラム
業界関係者が打ち合わせのために5月某日の平日昼間、東京・東銀座へ向かった。緊急事態宣言下の銀座には人通りがほとんどない。ピーアーク銀座店は今年3月一杯で閉店、ピーアーク銀座ネオは1年前に閉店している。コロナ前なら歌舞伎座周辺はキャリーバッグを引くインバウンド客で溢れていたことが懐かしく思えた。

打ち合わせは文明堂の喫茶室行われた。ティラミスカステラをドリンク付きで注文すると1800円。人通りが少なくなったとは言え、価格は銀座価格のままだ。

打ち合わせを終え、トイレに立った。

7~8階の飲食店は緊急事態宣言下で全店閉まったままだ。中国人相手の量販店に至っては1年前からシャッターを閉ざしている。

偶然、ビルの管理会社の人と話すことになる。自分の素性を明かし、銀座の生の話を教えてもらった。

「銀座の高級クラブが壊滅状態であることは報道されているか分かると思いますが、酒の卸、花屋さんまでクラブにぶら下がっていた業種も全滅。個人タクシーの運転手さんは銀座で3時間客待ちして売り上げは1メーターだった、と嘆いていました」

パチンコ業界関係者であることを明かしているので、ホールのことにも話は及んだ。

「私の行きつけの定食屋さんが東銀座にあるんですが、ここでホールのオーナーさんと時々会うことがありました。今はリモートワークが盛んな地区なので、サラリーマンがいなくなって今は閉めているんですが、この前、博品館劇場の近くの立ち食いソバ屋で偶然再会しまして、パチンコ業界も大変なことになっている、と話されていましたよ」

それによると現在運営している店舗の半分は閉めなければならないそうだが、何店舗のうちの半分なのかは不明だ。

パチンコ業界以上に厳しいのが不動産業界で、管理しているビルの飲食店のテナントが3分の1も出て行ってしまった。

「製薬会社のMRはドクターを接待するのが仕事でしたが、接待することは禁止されています。それ以上に忙しくてそれどころではないし、接待を受けてコロナに感染したとなれば大問題ですから行きたくても行けません。クラブはこうして太客を失って行っています」

この影響で仕事を失っているのが銀座のホステスだ。

「私の知り合いのホステスはこの前、パチンコ店で働いている、と言ってましたね。『私はきれいだから雇ってくれたんだ』と。ウーバーやってるホステスもいますが、まだパチンコ店の方がいいですよね」

酒をウリにしている飲食店が酒を出せないのは、死刑宣告と一緒。下を見ればきりがないが、緊急事態宣言下でも営業できるホールは、まだありがたいと思わなければならない、という話だった。






オリジナルサイトで読む