ホールにもEDLP戦略を

2021.05.20 / コラム
世の中には、繁忙期と閑散期によって値段が変わる業種がある。

身近なところでは新幹線の特急指定料金で、通常期・繁忙期・閑散期の3種類がある。その差は、繁忙期は通常期の200円増し、閑散期は通常期の200円割引と決められている。

飛行機は、新幹線のように一律には決まっていないが、JALの東京~大阪は繁忙期の大人普通運賃は2万7600円、閑散期は2万5200円、と2400円も差がある。

引越し業界ともなると繁忙期と閑散期で料金はかなり差がある。単身の引越しなら閑散期で4万円程度に対して繁忙期では5万円程度、と約1万円の違いがある。

ホテル業界ではアパホテルの差が激しかった。閑散期に7000円程度の部屋が繁忙期には2~3万円に跳ね上がることも珍しくなかった。

その一方で、特売日を設けず年間を通じて同じ低価格で販売する戦略のことをEDLP( Everyday Low Price) と呼ぶ。

広告により消費者に特売を告知する必要が無いため、販促費の軽減が可能になる。また、特売期間中に利幅の小さい特売品のみが売れる事による粗利の低下を避けることが出来る。

反面、常時低価格販売を行いながら利益を確保するためには、徹底した売上原価の低減とローコストオペレーションが不可欠となる。そのために品目を絞り込んで、1品目辺りの取扱数量を大量に取るため、定番品以外の販売数量の少ない品目は扱われないこともある。

では、パチンコホールはどちらの戦略を取るべきなのか?

昔から土日祝祭日は黙っていてもお客が集まるので、シメの営業。平日は稼働が下がるのでアケの営業が一般的だ。そういう意味では繁忙期と閑散期で値段が変わる業種に含まれている。

今は毎日がシメの営業なので客足が遠のいていくホールが多い。

ホールの営業会議で稼働の悪い平日の稼働をいかにして上げるかをテーマに話し合った。そこで出てきたのが、平日のメリットとして換金率を上げて、土日祝日は下げる、という案が出た。釘のアケ・シメではなく、換金率で差異を付ける、という発想だった。

平日の稼働を上げるために各ホールはイベントを行ってきたが、それが禁止されて何もできない中でのアイデアでもあった。

「その際、貯玉はどうするの?」

そこまで考えを及ばしていなかったので、却下となった。

それよりも、EDLP戦略に変更してみた方がまだましかも知れない。そうでもしないと新たな発想は生まれない。





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