5月12日付の業界誌グリーンべるとで以下の報道があった。
「日工組と日電協は4月15日、現在1,500ゲームまでとしている有利区間の継続ゲーム数制限を廃止し、上限3,000ゲームまで搭載可能とする新たなパチスロ自主規制を発表した。ゲーム性拡大を目的とした事実上の緩和措置となる。旧規則機の撤去期限が刻一刻と迫っているにも関わらず、依然として厳しい情勢が続くパチスロ6号機市場浮上のきっかけに繋げたいところだ」
6号機の販売が低調なスロット業界にとって、朗報のようにも思える有利区間のゲーム数の緩和は果たしてどのような効果をもたらすのか? スロット関係者に本音で迫った。
「AT区間が倍になっても肝心の取れる枚数が上限2400枚のまま。言い換えれば、お客さんがMAX2400枚取るのに2時間かかっていたのが4時間もかかるということ。倍の時間がかかることに何のメリットもない。
また、この長ったらしい間は、新たな売上が上がらない。ダラダラとメダルを増やすゲーム中、売り上げは上がらない。よってホール現場ではコイン単価が上がらないとなる。
ま、ダラダラ長く遊ぶことが好きなお客さんにはいいかもしれませんが、仕事帰りの一発勝負のファンには受けないでしょう」
1時間で約700ゲームということは、1500ゲームを消化するには2時間強かかる。それが3000ゲームまで搭載可能になった、ということは従来2時間かかっていたものが、4時間に伸びた。
稼働重視型のホールと時間がたっぷりあって朝から晩まで遊べるユーザーには向いているかも知れない。
しかし、利益重視型ホールと会社帰りのサラリーマン客にはこの規制緩和は、かったるい機械になることを意味している。
「スロットの規制は差枚数を出してはいけない、という規制から始まっている。保通協の適合率が低いのは皆、出玉で引っかかっている。で、本当の規制緩和とは2400枚が3000枚になることを意味する。有利区間ゲーム数が1500ゲームから3000ゲームになることを“緩和”という言葉で惑わされてはいけない」(スロット関係者)
新規則でパチンコでは5万発出るような機械もある中で、スロットは2400枚の壁に阻まれている。保通協の試験でパチンコは試射試験だけだが、スロットは試射試験に加え、シミュレーション試験がある。プログラムで悪さができないように目を光らされている。
依存症対策のための出玉規制だったわけだが、2400枚を緩和してもらわないと角を矯めて牛を殺すことになる。