音量を下げると商売にならない?

2021.05.13 / コラム
パチンコ日報賞応募作

しょうゆさん

以下本文

商売を毀損しない程度に感染対策はする。
これがパチンコ店に限らず、商売をしている経営者の偽らざる本音だと思います。

いろいろな業種、いろいろな店にそれぞれ特徴があり、感染対策をどの程度までやっているのかは千差万別と言っていいくらいでしょう。

その業界の在り様や、客層によって対策レベルはさまざまです。
業界ごとの括りで言えばパチンコ業界の感染対策かなり先進的だと言われていますしその通りだと思います。

古くから当たり前に備わっていた排煙設備、分煙が進んできた時代を敏感に察知し設置していた分煙ボード、計数管理のために導入されていた各台計数機が玉を触れずに遊技できる状態であったこと。

令和二年に発令された緊急事態宣言以降の感染対策への取組みはかなり迅速でありました。
ホール組合である全日遊連より各都道府県の遊協からの感染対策ガイドライン策定と通達、休業要請で休んでいる状態から営業への復帰は迅速な感染対策を伴ったものでした。

ホールで行っている対策としては

・遊技台、景品カウンターにアクリル板やビニールなどの間仕切りを設置
・遊技台には「消毒済」のPOPを置き、遊技客が離席した後には消毒を行う
・入店するための入口を制限し検温、消毒を行ってから入店させる
・マスク着用を義務化し、不所持の客には無料で提供
・喫煙ルーム使用の人数制限
等々、これらの感染対策を早くから取り入れてきました。

そしてホール(客室)への対策はもちろん、外には見えていませんが、従業員に向けてバックヤードでの感染対策の取組みを充実させている法人も多くあります。

コストをかけて感染対策を実行し、客や従業員に安心してサービスのやりとりができるようにしています。

【アフターコロナにおいても商売を続けていくため、客や従業員の信頼を失わないため】です。
ただ単に信頼を失わないように最低限の対策するわけではなく、もっと積極的な法人もあります。

「より高度な感染対策を実行して信頼を得て客数を増やし、商売繁盛へ繋げていこう」
「競合ホールがサービスを低下させているからこそ利益率を下げた営業で客数を増やし、商売繁盛へ繋げていこう」
というような意識を持っているホールもあります。

アフターコロナでダメージを受けていないホールはありませんが、そんな中でもたくましく生き残っていこう、より成長していこうという志があるホールが存在していることはとても嬉しく思います。

しかし、この業界にはひとつだけ大きな「できていないこと」があります。

最低限の対策や、より高度な対策をしているホールと様々ですが「店内BGM、遊技機音量を下げる」の両方ができているホールがほとんど存在しないということです。

今年の2月3日に全日遊連から「遊技機や店内BGMの音量を最小にすることを徹底するよう要請」が出ていますが実施しているホールはほとんどありません。

コロナ感染の多くは人との会話だと知られ、飲食やカラオケなど業態によってより警戒感のある対策を求められています。
パチンコをしながらの会話は確かに少ないですが、人同士のコミュニティという側面も併せ持った業種であることは間違いありません。

勝った負けた、どんな演出がきたなど、客同士の会話はあります。
トイレの場所や台の仕様を聞いたり、従業員と話すことも多々あるでしょう。

その際に大声にならないように店内を静かな環境にしておくことも大きな感染対策のひとつです。
客や従業員に、より安心できる環境を整えるひとつの手段として、音量調整の検討をしてほしい。
客が操作できる音量調整ではなく、裏パックのツマミやダイヤルで行う基本の音量調整です。
全台開けての調節は本当に面倒ですし人手もかかる大変な作業だと思いますが検討してほしいと思います。

最後に、今年になって全国チェーンの大手ホールで店内BGMが大音量で流されているのを体験しました。
「カンナムスタイル」という曲が大音量で流され、延々とリピートされていました。
遊技台の音はもちろん聞こえず、従業員との会話も大声でのやりとりになりました。

「アフターコロナでこれまであった様式が変化した」とよく聞きますしその通りだと実感しています。
大音量BGMと派手な演出で客を煽って商売する、という様式は変化していかないのでしょうか。
客や従業員の店内音量に対する意識に変化は起きていないのでしょうか。
店内BGM、遊技機音量を下げて営業することは商売を毀損する変化になるのでしょうか。





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