コロナ禍での取り組みについて

2021.05.12 / コラム
パチンコ日報賞応募作

パチンコにかつての人気を取り戻して欲しい一ファンさん

以下本文
 
現在、世界中で猛威を奮っている新型コロナウイルスは、様々な業界に多大な影響を与え、人々の生活様式までもを変えたと言っていいほどの勢いだ。

飲食業や興行・イベント業がこれほど衰退し、運送・宅配業、EC業が興隆することを、わずか1年半前に予想できた者は皆無だろう。

そんな中パチンコ業界も、強制的な自粛営業や世間からのバッシング、パチンコを悪者にしようとする各種報道の影響もあり、プレイ人口、プレイ時間が減少、廃業に追い込まれる店舗が多数出るなど「負のループ」に飲み込まれていた。

「いた」とあえて過去形にしたのは、ここ最近はその「負のループ」からの脱却する兆しが見えてきたからだ。

1年前の今頃に比べ、明らかにバッシング報道は減り、自粛していたユーザーも徐々に戻りつつある。

店舗からすればまだまだ厳しい状況は変わらないだろうが、一番大事なのは個々のユーザーや世間が持つ「こんな大変な時期にパチンコなんて!」という悪いイメージを払拭すること。それが達成されつつあるから「負のループからの脱却の兆し」が見えてきたと言えるのだ。
 
これまでのところパチンコ屋ではクラスターは発生していないが、あれだけバッシングしていたマスコミが「我々は間違ってました」などと言うはずもなく、単にパチンコ屋に関する報道が減っただけだ。
 
しかし、パチンコ屋各社が声を大にして、クラスターが発生していないことや、各種対策を徹底していることを世間に向けて発信してきた結果、少しずつユーザーが戻ってきたというのが現状だろう。
 
この、戻ってきたユーザーたちは、本当はパチンコ屋に来たかったけど、後ろめたくて我慢していた人達だ。
 「もしコロナに感染して、感染場所がパチンコ屋だったら会社に言いづらい」
 「感染しなくても、パチンコ屋に行くと言っただけで白い目で見られそう」

そんな思いで今までは我慢してきたが、最近はイメージの悪さがすこし改善したことによって戻ってきたのだ。
 
クラスターが発生していないことや、1時間に何回も空気の入れ替えをしている事実も重要だが、一番大事なのは「パチンコ屋は行っても大丈夫」という世間のイメージなのだ。逆に言えば、イメージが悪いままならクラスターに関する客観的事実も空気に関するデータも、何も意味を成さない。

今後のパチンコ業界に課せられた重要な任務はイメージの改善だ。そのためにはこれまでどおり、クラスターの発生が無いことや、空気の入れ替え能力が他業種の店舗よりも高いことなどを業界外に向けて積極的にアピールしていくことが重要なのはもちろんだが、他にも改善すべきことがある。

まずは、朝の並びを廃止すること。  

パチンコをしない人がもつ、パチンコ屋に対する悪いイメージの一因は朝の並びにあると私は考えている。実際に悪意ある報道でも、店内ではなく朝の行列のシーンを見たことがある人は多いだろう。    
 
それを見た人が思うのは「平日の昼間に、ガラの悪い人たちが路上喫煙しながら密になっている」というイメージだ。もちろん実際はガラの悪い人ばかりでは無いし、平日休みで休日に働いている人も多いだろう。しかし、悪意のある報道や路上に捨てられた吸い殻を見せられれば、悪いイメージがつくのは必然だ。
 
パチンコ業界は一刻も早く、オンラインシステムなどを活用した朝一入場のシステムを開発し、イメージの改善につとめるべきだ。

つぎに必要なのは消毒清掃の徹底だ。  

最近はどこのパチンコ屋でも、入り口に「清掃・消毒を徹底しています」といったポスターが貼ってあり、空き台には「消毒済み」のポップが掲げてある。しかし、私はパチンコ屋でまともに消毒作業をしているのを見たことがない。
 
客が席を立ったあと、汚い雑巾でハンドルや貸玉ボタンを1秒程度ずつ撫で「消毒済み」のポップを置いて行くだけだ。スプレーすらしない店の方が多いと感じる。
 
大手の飲食チェーンでは、客がいなくなったあとのテーブルを丁寧にスプレーし、メニューや呼び出しボタンも拭き上げていく作業を目にしたことがある。手間もかかり、大変だろうとは思うが、安心感があり、また来ようと思わせる。
 
パチンコ屋でもそういった丁寧な消毒作業は手間がかかるだろうし、人件費の問題もあるだろうが手を抜いてはいけない部分だ。ましてや入り口に「清掃・消毒を徹底しています」と掲げながら、客の見ている前で堂々と手抜き作業をするのは大問題だ。

「どうせパチンコ屋なんてそんなもん」
「ポスターに書いてあることなんて信用できない」
「ポップ掲げとけばいいやと客を馬鹿にしているんだろ」
と、自らの行動で示してしまっている。
 
客が見ていないところで手を抜くのも良くないが、客の前で堂々と手抜きをし、客がどう感じているかに気づいていないことが大問題だ。
 
パチンコ屋によく通うユーザーは半ば諦めているところもあるが、その手抜き作業を録画され、マスコミで報道されたらどうなるだろうか? 「ポスターに掲げられた消毒作業の呆れた実態」といった報道を見て、パチンコをしない世間の人々はどういったイメージをもつだろうか。

最後は騒音問題だ。

最近のパチンコ台には音量調節機能がついているが、なぜか時間がたつと最大音量になるのがデフォルト化している。そのまま打ち始める人がいれば、数台離れた位置にいても耳をつんざくような爆音だ。また、最小の音量では全く聞こえないが、下から2番目の音量ではうるさすぎる、ということを誰もが経験していることだろう。さらには誰も聞いてない店内BGMを爆音で流している店舗もある。
 
結果、店内の騒音は非常に大きくなり、普通の声での会話は不可能になるため、玉詰まりで店員を呼んだとき、コーヒーの注文をするときに、顔を耳元に近づけた上で、さらに怒鳴るような声量が必要になる。全員がマスクを付けているとはいえ、コロナ対策としてもこの部分は改善するべきだ。
 
また、コロナとは直接関係ないが、初めてパチンコ屋に入った人が二度と行かないと決めた理由が騒音がひどいから、ということの対策にもなる。
 
コロナによって人々の価値観の変化が起こり、「ステイホーム」「おうち時間」といった言葉が市民権を得て、自宅にいながらにしてできる趣味が見直されている。しかし、やっぱり外にでかけたい、家の中にこもっているばかりでは嫌だ、と考える人も多く、その人たちをどう取り込めるかが、今後のパチンコ業界にとっての大きな課題だ。
 
事実だけを言えば、パチンコ屋は一人でも友人同士でも気軽に行けて、コロナに感染する可能性も低い遊び場なのだ。しかし、現在の世間のイメージはそうではない。だから、何かあればすぐにバッシングされる。
 
多くの犠牲者を出し、悲惨な状況を作り出しているコロナウイルスではあるが、ビジネスとして見れば人々の生活や意識の変化はチャンスでもある。現状を嘆くのではなく、パチンコ業界の持つ強みを生かし、悪いイメージの払拭と新たなファンの獲得を目指していただきたい、と、一ファンとして切に願う。





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