コロナ禍でP客が新たな遊びを見つけたらどうなる?

2021.05.06 / コラム
在京キー局がGW中のホールの稼働状況について取材を試みた。東京都からはホールは休業要請が出ているが、第1回目と違って応じるホールは極めて少ない。

まず、客がどうしてホールに行くのかを尋ねた。

「パチンコ店はクラスターが発生していないので」

「行くところがないから」

などとありきたりな答えだった。

ホールの取材も試みたが、中々応じてくれるホールがない中で、一人の店長が匿名を条件に取材に応じてくれた。

「去年の緊急事態宣言の時、パチンコ店は散々叩かれました。でも、ホールは換気性能が他の商業施設に比べて格段に高いことが証明され、お客さんは無言で打つことなどもクラスターは発生しませんでした。ホールは安全なので、第一波が収束した時は、お客さんは戻ってくるものと思っていました。ところが、一向に戻ってくる気配がありません」と肩を落とす。

コロナ前に比べると平日は4割減、土日は3割減で、コロナ前の稼働に戻った日は1日もないのが現状のようだ。

会員管理システムで来店しなくなった客層を調べたところ、1パチの高齢者が戻ってこない。

これについては、去年から指摘されていることでもある。

「年金支給日から3週間ぐらいまでは9割方戻りますが、その後はまた一気に下がります。パチンコをやりたい気持ちの表れだと思いますが、家族からは『変異型が出たらどうする。お願いだから止めてくれ』と家族から懇願されているようです。『〇〇さんが来ないのは感染したから』という噂も常連さんの間ではすぐに広まりますから、そういう心理が来店意欲を控えさせているんだと思います」

やりたい気持ちがあるうちは、ワクチン接種が終われば、また戻ってくる可能性はある。

ある生保会社が、コロナ禍で生活習慣がどのように変わったかを調査した。

リモートワークの普及や夜飲みが禁止される中で、「家で料理するようになった」と答える人がことのほか多かった。

自分で料理して家飲みの楽しさに目覚めたサラリーマンも少なくない。

料理に手間をかけるようになった分、洗い物に手間暇をかけたくない、ということで食洗器の売れ行きが好調のようだ。

コロナで生活スタイルが変わってきていることは確かで、家飲みに目覚めたサラリーマンがコロナ収束後も外飲みを控えるようになったら、居酒屋は大ダメージだ。

ニューノーマル時代に、パチンコユーザーがパチンコに変わる新しい楽しさを見つけたとしたら、それはそれで懸念材料だ。前出の都内のホール店長のケースでも分かるように、客の戻りは非常に厳しいものがある。

客の戻りが厳しい中で、これで玉を出し渋ると完全にホールへ通うことが断ち切られてしまう。業界に求められるのは、この基本中の基本である「出す」ということだ。







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