換金方法を周知徹底させることが新規客開拓の第一歩?

2021.05.04 / コラム
パチンコ業界では「換金」という言葉は、長年タブー視されている。業界誌で景品交換と表現せずにストレートに「換金」というワードを使おうものなら、「4月にあった大阪の交換所停止を「事実上換金が停止」と書いて業界人を激震させている雑誌がある模様」とスレッドが立つほどだ。

実際、業界人を激震させたような事実もなく、スレッドのコメント自体も11個で終わっている。

警察庁も3店方式における換金の事実があったことに対しても「承知していない」と白を切り続けた経緯が、時代は変わった。

2018年3月9日、衆院内閣委員会で自民党・杉田水脈議員が矛先をパチンコの3店方式に向ける。

「カジノはチップを賭けてそれを現金に換える。パチンコは出た玉を3店方式で外に出て現金に換える。この3店方式は目くらましのようなもの。(警察庁の)レクでは外に出てからは関知しない、という答弁が返ってきたが、3店方式を規制する必要があるのではないか」と警察庁の姿勢を追及した。

山下局長は「客がパチンコ営業者以外の第三者に売るのは承知しているが、ただちに風営法違反ではない。第三者の買取を規制した場合、一般的なものの売買まで際限なく規制が広がりかねないと考えられる。実質的に同一であると認められたものは厳正な取り締まりをする」と応酬した。

警察庁の換金の事実を「承知していない」から「承知している」に修正すると共に、客が特殊景品を第三者に売って換金することは、ただちに風営法違反ではない、としている。

パチンコ業界をたまに取材している週刊誌のライターは、最近、パチンコを始めたばかりの20代の女性に出会った。アニメオタの彼女はその流れからパチンコに興味を持ったが、パチンコの知識がほぼない状態で、ホールに足を踏み入れた。

「出玉はカウンターで交換してその場で現金を貰えるのかと思ったら、違っていた。店は換金場所も教えてくれない。お客さんに聞いてくれ、というけど、恥ずかしくて聞けなかった」

彼女の話を聞いて、初心者の開拓を阻害している要因の一つに換金方法が周知徹底されていないことだと直感した。

初心者向けにパチンコのハウツーサイトや動画サイトはいくつかあるが、肝心の景品交換は一般景品との交換で完結している。特殊景品との交換、さらにはこの特殊景品をどこへ持って行って交換するかには踏み込んでいない。

やはり、業界人の間では換金はタブー視されている表れである。

「初心者を呼び込むためには換金方法を周知徹底させることが一番だと思います。簡単に分かる方法を業界で考えた方がいい」(週刊誌ライター)

警察庁としては一般景品との交換率を上げることは忘れていないので、業界が大々的に取り組むことはない。もっとも繁華街型以外はホールに隣接しているので分からないケースの方が少ない。







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