ホール企業の中には、今後のホール運営に当たり、色々な会社の集客の成功事例を参考に導入を試みようとしている。
ここで一つのヒントになっているのが「ボールパーク」だ。
これはアメリカの大リーグが発祥で「スタジアム」ではなく「ボールパーク」と呼び、野球観戦以外の様々なお楽しみが満載されているのが特徴である。野球ファンはもとより家族連れや友達同士などより多くの人に来てもらって、地域の活性化につなげる狙いもある。
この理念を日本のプロ野球団でいち早く取り入れたのが、広島東洋カープの本拠地「マツダスタジアム」である。
広島市民球場の老朽化に伴い、2009年に広島駅の近くに移転したマツダスタジアムは、流行りのドーム球場ではなかった。
ボールパークの概念を取り入れ、ベキューを楽しめるコーナーやカップルが寝そべって観戦できるスペースを設けたり、と遊び心が満載。まさに球場に足を運ぶことがレジャーになる球場として全国的にも注目された。
さらに派生効果として「カープ女子」が生まれる。首都圏に住んでいた女性で、東京ドームや神宮球場に足を運んでいたカープファンを指すのだが、2014年、「関東カープ女子野球観戦ツアー」を企画して、東京から広島までの往復の新幹線代を球団が負担した。148人が参加して、この年のユーキャン流行語大賞に「カープ女子」がノミネートされた。
野球に興味がなかった女性ファンが増えたことで観客動員数を押し上げている。
横浜ベイスターズも親会社がDeNAに替わってからは、「コミュニティボールパーク」化構想と名づけて、横浜スタジアムを含む横浜公園一帯の改修・整備を段階的に進めている。
そこには、こんな思いが込められている。
「スタジアムという閉じられた空間で野球を楽しむだけではなく、野球が好きな人もそうでない人も自然とスタジアムの周りに集まってきて、居酒屋のように人々がコミュニケーションを楽しんでくれる場になることを目指しています」(横浜DeNAベイスターズ広報部)
ボールパーク化はプロ野球の各球団が注目している。楽天は昨年6月、左中間席後方に宿泊施設「Rakuten STAY×EAGLES」をオープンさせている。2023年に開業を目指す日ハムの新球場は、レフト側にホテルと温浴施設を併設する。
このボールパーク化は、パチンコ業界では「ダイナムサロン」が近い。4月2日のエントリーで紹介しているが、日報コメンテーター陣は辛辣だった。そんな批判にもめげることなく、新しい挑戦は続けて欲しい。
「パチンコパーク化」によってパチンコのイメージも改革してもらいたい。