オーナーからパワハラを受けた店長の逆襲

2021.03.30 / コラム
「弁護士は合法的なタカリヤだ!」と唇を噛むのは古希を過ぎたホールオーナーだ。

自分の仕出かしたことは棚に置いて、示談に応じたことを悔しがる…。

地方で3店舗を経営している。

いずれも300台クラスの小型店舗で、建物は建て替え時期をとっくに過ぎていた。コロナとは関係なしに業績は下がり続けていたが、コロナの影響でさらに下り坂を転げ落ちていた。

歯止めがかからない業績悪化にオーナーの怒りは、店舗責任者である店長に向かう。

この時期に業績を上げるには、よほどの資本力があり、出し続けるしかないが、そんな余力はなかった。

初老のオーナーはワンマンだった。もっとも、ホール経営者で超が付くほどのワンマンも珍しくもない。むしろ、ワンマンぶりが店舗展開の原動力になっていた。

オーナーから店長には、「稼働を上げろ!」と毎日のように怒号が飛んだ。

その一方で「粗利も取れ」。もはや数えるぐらいしか客がいない店舗では、店長の能力では成す術もなかった。

追い詰められる日々が続き、精神的にも病み始めた。実際に精神科へも通うようになった。

このままでは、自分自身がどうなるか分からなくなり、弁護士に相談した。

ここから店長の逆襲が始まった。

オーナーをパワハラで訴えることにした。

そのために、オーナーの厳しすぎる“指導”はすべて録音した。

証拠が固まったところで、弁護士を伴ってオーナーと対峙した。

「パワハラで警察に被害届を出します」と口火を切った。

パワハラの意味も理解していないオーナーは、「警察に訴えられる」ということに慌てた。

厳しい指導をしていたことを本人は認めたが、それがパワハラになるとは思ってもいなかったようだ。

警察沙汰になるのはまずいと思ったオーナーは、示談に応じることにした。

で、示談金は248万円だった。

退職金制度のないホールだったので、これが退職金代わりになり、店長はホールを辞めた。

ホールでパワハラ教育が必要なのは管理職だけではなく、オーナーも受けておく必要がある。



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