中国に情報流出懸念から技術者のLINEを禁止した遊技機メーカー

2021.03.20 / コラム
スマホ時代のSNSツールと言えばトップはLINEで月間アクティブユーザー数は8600万人に達している。Twitter(4500万人)やInstagram(3300万人)、Facebook(2600万人)など他のSNSとの違いは、全世代が幅広く利用していることが特徴で、インフラ化したメッセージツールとなっていることだ。

Eメールのようにメアドを入力する必要もなく、あいさつ文も不要で手軽で使いやすいことからメッセージのやりとりはLINEの独断場となっている。

新型コロナの追跡システムでは、各自治体がLINEを採用していることでもその浸透ぶりが分かる。今やLINEは社会インフラの役目を果たしているともいえる。

ところが、8600万人分の膨大な個人情報が中国に筒抜けになっていた。LINEがシステム管理の委託をしていた中国の関連会社で閲覧が可能な状態になっていた、という。実際に中国人スタッフが、日本のサーバーに少なくとも32回アクセスしていたようだ。

さらに、トークでやりとりされた画像や動画は韓国内のサーバーに保管されていることも分かった。中国と韓国の政府にLINEの情報が筒抜けになっていたとしたら、空恐ろしいことだ。特に中国はサイバーセキュリティー法があるので、反スパイ、反テロリズム、国家安全の観点から当局から閲覧命令が出た場合、データを開示しなければいけない。

ちなみに、LINEの機能ではプライバシー管理でLetter Sealingがオンになっていれば、トーク内でのメッセージは高度な暗号化で保護されている。発信者の端末からLINEのサーバーを経由した受信者の端末までユーザー間のメッセージ内容を暗号化し、送信者と受信者以外にはメッセージ内容を解読できないように設計された暗号化通信方式を採用している。

この報道を受けてある遊技機メーカーは、技術者のLINE使用を禁止した。私的なことから仕事のことまで一切LINEを使うな、ということだ。

連絡は社内メールを使うように変更された。メーカーの開発事項は社内でも機密事項なので社内メールの方が会社としても管理しやすい。

私的な利用も禁止されるとなると、断然見直されて来るのがケータイ番号でやりとりするショートメッセージとなる。時代に逆行するようだが会社でLINE禁止となればそうなってくる。

ま、これがメーカーの危機管理の姿なのだろう。







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