2020年入社の大学同期がそれぞれ選んだ道のその後

2021.03.16 / コラム
2020年新卒入社した社会人1年生は、コロナ禍で入社式や新人研修も行われないままに、自宅待機で新生活がスタートした。

同じ大学の同期4人は、それぞれ進んだ道は違ったが、今年3月に久しぶりの再会を果たした。

4人の進路はJALの子会社、大手外食チェーン、大手ホール企業、介護会社だった。この中で一番規模が小さい会社が介護で社員は20名程度だ。会社の規模ではダントツに小さい介護だが、4人の中で一番表情が明るかったのは介護だった。

子会社とは言え親方がJALなら人生の勝ち組のようなものだったが、航空業界の惨状は今さら説明するまでもない。国際線は言うに及ばず国内線も減便、減便で空港内は閑散としている。インバウンドが回復するまでは最低5年はかかると言われているように、この間、他の会社に出向するなどの方法で、どう持ちこたえるかが課題となっている。

外食チェーンに入社した男性は、24時間営業を取りやめたり、不採算店の閉店ラッシュに見舞われ、コロナ禍で昼間の客足も落ちた。会社はアルバイトを認めているので、休日にはウーバーイーツの配達員を始めた。会社は雇用助成金を受けているので、出社しなくてもいい日が増え、ウーバーの仕事が増えた。1日働くと8000円~1万円にはなる。月5~6万円はウーバーで稼いでいる。

大手ホール企業に就職したのは女性だった。決め手は「女性店長も活躍している」。いざ、入社してみると店長になれない先輩がぎっしり詰まっていた。余程秀でた才能がなければ、店長にはなれない現実が分かってきた。20年後に自分が管理職になっているかと言えば、疑問符が付いた。

介護会社を選んだのは女性だった。明確な動機を持って介護の世界へ入った。

「最初からこの業界を狙っていました。介護の世界は給料が安いので人手不足ながら、高齢化社会で絶対廃れることはない。いずれ、労働環境は改善され、給料も上がる。50歳の時には管理職になっている」と目を輝かせる。

介護福祉士を始め、社会福祉士、精神保健福祉士、理学療法士、作業療法士は国家資格で、それを取得することでステップアップしていく自分の姿を描いている。

介護業界で生き生きしている彼女の姿を見て、ホール企業を選択した女性は羨ましくて仕方なかった。

10年、20年、30年後の自分の姿が描ける業界にしなければ、優秀な人材も入ってこない。ホール経営者自身が10年後の業界がどうなっているか分からないようでは、社員のモチベーションも上がるはずがない。

世の中から必要とされる産業であれば、自ずと将来像も描けるというものだ。







オリジナルサイトで読む