第30回 ツイッター上にいるプチ有名人たちに聞く
雑誌や動画などの媒体に所属していないただのアルバイトスタッフに、数千人のフォロワーがつく時代になってきた。ツイッター上でわざわざ本人が語らなそうなことを、第三者であるPiDEAが根掘り葉ほりする。
PiDEA編集部(以下略編) : 今回はマルハン亀有店で「アイドル店員」としてTwitterを活用していらっしゃる、ちゃもさんに話を伺っていきます。
ちゃも(以下略ち):よろしくお願いします!
編:新卒1年目で「アイドル店員」ってなかなかレアですよね。どういった経緯で始まったんですか?
ち:実は、もともとアイドルが好きで憧れてて……。就職する前から本当はアイドルもやってみたかったんですけど、年齢的にちょっとなあ、っていうのもありまして。
編:10代前半の方も平気でいたりする、すごい業界ですからね。
ち:アイドルは諦めよう、と思って就職活動をしていたんですけど、そのとき、マルハンの採用の方に聞いてみたんです。「マルハンにもアイドル的なポジションってあるんですか」って。そしたら「ちゃもがチャレンジしてみたら良いじゃない!」って言われて。 それを聞いて、いつかできたら良いなと思ってました。
そうしたら、入社して半年が過ぎた10月に店長から「アイドル店員」やってみないかと声をかけていただいて。正直めちゃくちゃ嬉しかったです(笑)。自分のやりたいことができるんだ、と思って。
編:でも、ちゃもさんは正社員ということなので、「アイドル店員」というだけではなく、店舗の一構成員として仕事も覚えてかないといけないわけですよね。いくら、「やりたいこと」とはいえ、1年目から2つを両立させるのって結構大変だったりしないんですか?
ち:実はそうなんですよ……。マルハンの新入社員には、「コンピテンシー」っていう育成プログラムみたいなものがあって、「1年目の何カ月目までにはこれができるようになろう」という目標があるのですが、もともとパチンコ・パチスロをやらないので、ついていくのが精いっぱいで……。
今日も久しぶりにパチンココーナーに入ったんですけど、いつもはパチスロコーナーかカウンターだったので、忘れちゃってることも多くて大変でした(泣)。
編:聞いた話ですが、伝説になった「王将」事件というのもあったとか。
ち:はい……。お客さまから「餃子の王将ってどこにありますか?」と聞かれて、「駅前とか近くのショッピングモールにございます」と答えたところ、お客さまが困惑されてまして。インカムから「台のことじゃないの?」ってツッコミが入って……、本当だと思って。
混んでいる時間帯だったのにお客さまを困惑させてしまって、反省しています!
編:聞くぶんには面白いエピソードなので、いいと思います!(笑)。 ……それで、話は少し戻ってしまうのですが、アイドルが元から好きだったとおっしゃっていましたよね。
ち:はい。アイドルとアニメが大好きです。
編:好きになったきっかけを聞いていいでしょうか?
ち:最初は家族の影響でジャニーズやイケメン俳優に「キャー!」ってなってたんですけど、アプリをやっているうちに「ラブライブ!」にハマって、いつのまにか可愛い女の子のアイドルが好きになっていました。今の一番は「=LOVE」っていうグループです。
編:元AKB48の指原さんがプロデュースしているアイドルですよね。
ち:そうなんです。人前で見せたことはまだないんですけど、動画を見ながら練習したりもしています。運動不足解消も兼ねて(笑)。それに、踊っている時の自分が好きだなって思うんです。
編:やっぱり、ちゃもさんにとってアイドルは、そういうふうに人を突き動かすような魅力がありますか?
ち:そうですね。……自分の話になってしまうんですけど、実は中学生の時に、パニック障害を発症してしまって。
編:それは、電車で倒れちゃったりする大変な病気ですよね。
ち:はい。そのころは、学校にも行けなくて、行けても保健室登校、という時期もあったんです。高校にも行けるかどうか、じゃないですか。社会人にもなれないんじゃないかって不安でした。
その時期に自分の中で心の支えになっていたのがアイドルだったんです。曲の歌詞に共感したり、アイドルの子たちが頑張っているのを見ていたら、自分でもパニック発作が起きてしまうような苦手なことを少しずつ克服することができるようになって。
今は、薬も減らせていて、こうして就職もしていて、……特に「アイドル店員」をやらせてもらっていてすごい幸せです。でも、私だけが幸せで終わるんじゃなくて、お店に来てくれるお客さまに「癒し」を届けたいなと思っています。
私自身がアイドルに癒されて頑張ってこれたので、アイドルから受け取ったものを私もアイドル店員としてお客さまに返せるような、そういう存在になりたいなと、思います!
編:まっすぐな思いが伝わって来て、インタビュアーの立場ながら、ちょっと感動しております。来月で新卒2年目となるちゃもさん、締めにこの先の夢や、やってみたいことなどあればよろしくお願いします。
ち:将来は自分の経験を生かして、マルハンの中でアイドル事業を立ち上げ、採用、育成、プロデュースなど、多岐にわたり活躍してみたいです!
編:パチンコホールのアイドル事業! 新感覚でいいですね! ぜひその暁にはまたPiDEAでお話をお聞かせください。
取材を終えて……
「自分がアイドルのツイートにリプライを送って、返してくれるとすごく嬉しいので、私もお客さまからのリプライにはたくさん返信するようにしています」と語る姿が印象的でした。自分がアイドル好きだからこそ、ファン目線で「アイドル店員」ができるんですね。ちなみに、「ちゃも」という名前の由来は、ポケモンの「アチャモ」が好きで、ずっと「チャモ、チャモ」と言っていたら自然とついたあだ名だそうです。