部下から告白された女性店長の困惑

2021.03.11 / コラム
釘もたたく男社会の業界では女性店長の数はまだまだ少ない。新入社員A君が数少ない女性店長の店舗に配属された。

社会人1年生は最初の上司のことは何十年経っても忘れることがない。会社の色にまだ染まっていないために、その上司がいい悪いに関わらず、脳裏に焼き付く。

A君は部下全員から慕われ、バリバリ仕事をこなす女性店長の姿が眩しかった。将来は自分も仕事ができる店長になりたいと思うと同時に、畏敬の念を抱いた。

最初は上司として、指導を仰いでいたA君だが、それがやがては恋愛感情になってしまった。

年の差は一回り以上離れている。

A君は「好きだ」という感情が抑えきれなくなり、遂に行動に出た。ラブレターを店長に手渡した。

店長からするとあくまでも部下の一人であった。

ラブレター攻撃は1回で終わることもなく、何度か続いた。もちろん、こんな経験は初めてで、店長自身どう対処したらいいか困り果てた。情にほだされることもなく、店長の方からA君が好きだという感情は1ミリも湧いてはこなかった。

同期の店長に相談した。

手紙も見せて意見を聞いた。

「部下との恋愛関係は将来に響く。ほっておけ」とアドバイスしたが、対応を間違って辞められてもこまる。仕事ぶりは同期の中でもトップクラスだった。

その後もラブレター作戦は続き、困り果てた店長は本社に相談した。

その結果、本社が下した結論はA君の異動だった。たくさんの店舗を経験した方がいいだろう、との理由を付けて。

転勤までまだ数カ月あった。

そこから、A君の猛烈アタックが始まった。店長に仕事でも認めてもらおうと、誰よりも熱心に仕事するようになった。

特に接客では最高ランクの評価を受けるようになった。

ここまで仕事にも打ち込める人材はそうそういない。

現時点では、まだ一緒の店舗で働いている。

A君は年上に興味があっても、店長は年下には興味がない。

異動後にこのままフェードアウトを狙う会社と店長だが、A君の熱情がいつまで続くのかは、第三者には分からない。

職場結婚を禁止しているわけではなく、むしろ推奨しているが、その後の進展があればまた、お伝えする。





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