総量規制によって業界が縮小したサラ金業界だが、パチンコ業界にも絡めたエントリーを何本か書いている。
直近では2020年9月4日の「パチンコと親和性の高かったサラ金業を反面教師に」がそれだ。
この中で消費者金融問題に詳しい大学教授が「国民生活に影響を及ぼすものは規制を受ける。今のパチンコは国民に遊技を提供していない。パチンコ業界の立ち位置は手軽なギャンブル場。行き過ぎたギャンブル場は臨界点に達していながら業界からは誰も異を唱える者がいないから、行政指導を受ける。パチンコ業界の人たちは、サラ金業界の衰退を見て、自分たちに置き換えられないのか!」と警鐘を鳴らしていた。
サラ金業界はグレー金利ゾーンの廃止によって、ピーク時の2万7000社から2000社まで激減している。
倒産した武富士は別として、アコム、プロミス、レイク、モビットはメガバンクの傘下に入り銀行系として営業を続けている。
このサラ金業界の衰退を遅ればせながら、自分の会社に置き換えている遊技機メーカーがある。
大手サラ金はシナジー効果があるためにメガバンクの傘下へ収まることができたが、遊技機メーカーではシナジー効果が期待できる業種が見当たらないので、受け入れる企業はない。このままでは武富士の二の舞になりかねない、という不安だ。
サラ金もパチンコも本来上場してはいけない業種だった。それが市場規模の拡大と共に、上場を目指すようになったが、株価と投資家に目を向けるあまり業績拡大は至上命題となった。
仮に規制緩和が改善されても遊技人口が元に戻ることを本気で考える業界人もいない。
ホールの売り上げ、粗利が減れば、新台購入の体力もどんどん奪われていく。新台市場がシュリンクすれば、組織の図体がデカければデカいほど、会社のダメージも大きくなる。
こんな時は非上場で株価を気にすることなく、開発が続けられる方がまだ気楽だ。しかし、何が何でも販売台数を維持するために、業界の“悪”商慣習が蔓延る。
ハンドルネーム「名無し」さんの改善提案はこうだ。
「誰もが分かっている当たり前のことだが、遊技台設置期限の廃止もしくは長期設置可能、そして抱き合わせや機歴販売の禁止だろう。一定期間が過ぎたら強制的に買わせる、そして自由に買えず、購買履歴や違法である抱き合わせじゃないと買えないようなシステムが、この業界の諸悪の根源ではないだろうか。これがなくなれば、今よりも厳選されたメーカーだけが残り、さらにユーザーにウケる台しか売れなくなる」
いずれにしても、遊技機メーカーの中には、サラ金業界の危機に直面しているところも出てきている、ということだ。