老後資金に余裕があるアクティブシニアを取り込むには?

2021.03.08 / コラム
2020年9月、日銀が発表した同年6月の個人金融資産残高は1882兆7464億円だった。このうち、個人資産の54.7%を占める現金・預貯金は1030兆円で前年から4%アップし、過去最高となった。増えた理由はコロナ禍で消費が抑制されたことに加え、国民全員に定額給付金が支給されたことが挙げられる。

1000兆円余りの現金による個人資産を所有しているのは60歳以上のシニア層で、6割を握っている、といわれている。つまり子育てや住宅ローンの支払いも終わり、悠々自適の年金生活者が、老後のためにおカネを貯め込んでいる。

この個人金融資産を各業界は虎視眈々と狙っている。

現金を銀行に預けても利子は0.002%で限りなくゼロに近い。資産をいかに運用して増やすか。

投資会社は「コロナに負けない高利回り株を狙え」と株式投資に誘い込む。

不動産投資は安定した収入源に加え、節税効果やレバレッジ効果を謳う。みんなで大家さんは1口100万円の資産運用で、想定年利7.0%、配当回数は年6回だ。

シニアの中でも70歳以上ともなるとパソコンはもちろん、スマホも使えない人が少なくない。70歳以上でネット通販の利用率は12%と低い。その中でも元気に現役で働き、購買意欲も強いアクティブシニア層へのアプローチは欠かせない。

アクティブシニアの「楽しみは?」というアンケートでは、5割以上が旅行と答え、3割が運動やスポーツ、2割が買い物という結果が出ている。

シニアの通販顧客を抱えるジャパネットたかたは、2018年にクルーズ事業のための新会社を設立し、豪華クルーズ船の船旅を企画している。コロナで中断しているが、収束後には再び活況を呈するものと思われる。

で、パチンコ業界はアクティブシニアを取り込む施策はどう取り組んでいるのか? 元々パチンコはシニアに支えられていたが、コロナ離れした層はともかくとして、それ以前にギャンブル性が高くなって離れた人たちに対して、若い頃に熱中したセブン機以外の一般電役機復刻版を作ってアプローチすることも一つの方法だ。

アクティブシニア向けが意外にもパチンコ初心者に受け入れられたりするかも知れない。初心者には難解なフローチャートが必要な液晶機では新規客を開拓することはできない。

遊技方法は単純明快。初心者でもすぐに理解できる遊技性。適度な射幸性は残しつつ、「遊んで楽しかった。遊ばせてもらい景品も取れた」と感謝され、パチンコに誘っても恨まれない遊技台が必要だ。

まず、小遣いも少なくなった業界人が思わず打ちたくなるパチンコ機を作って欲しいものだ。








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