フルモデルチェンジされた隼は、一目で隼と分かるシルエットを残しながら、エンジン、シャーシーは元より、すべて一から作り直した。
排気量は1340CC、197馬力、最高速は300キロ。リミッターを解除すれば335キロに達する。究極のスポーツバイクで、二輪車版スーパーカーとも言われている。
電子制御スロットルの採用や吸排気の機構変更などにより、低中速域における出力とトルクを向上しながら、空力特性の追求によって高速性能を落とすことなく、欧州で2020年より新型の二輪車を対象に導入されている新しい排ガス規制「ユーロ5」に対応。街乗りからツーリング、サーキット走行まで様々なシーンと乗り手の技量に対応してくれる。

ここまで新型隼のことを書いていると、パチンコ日報がバイク雑誌になったのか、と訝られるがそうではない。
2代目隼に乗っているホールオーナーは、3代目が発売と同時に買う予定にしているほど隼に惚れこんでいる。
3代目を購入すると2代目は不要になる。下取りに出して3代目を購入するのが一般的だが、オーナーには別の考えがあった。
バイク好きのオーナーは、社員とどうしてもツーリングがしたいとの想いがあり、営業本部長にバイクの免許を取るように勧めていた。
しかし、営業本部長の腰は重く、一緒にツーリングに行く夢が実現することはなかった。なぜなら、営業本部長はバイクに全く興味がなかったからだ。
そんな状況だったが、オーナーは3代目隼を購入することを決めた時、不要になった隼を営業本部長にタダで譲ることにした。それと同時に大型免許を取る費用もオーナーのポケットマネーで出すことにした。
原付しか乗ったことがない営業本部長に突然降ってわいた大型自動二輪免許の取得命令。しかも、乗るバイクは初心者にはハードルが高い隼、と来ている。
これがバイク好きならこんなうれしい話はない。隼がもらえて、免許の取得費用まで出してもらえるんだから。
普通自動車の免許を持っている営業本部長の場合、大型自動二輪免許の費用は19万円は最低かかる。いきなり大型からの挑戦なので、1回や2回での合格は難しいだろう。
しかし、なぜ、ここまでオーナーが肩入れするのかと言うと、オーナーの娘さんを営業本部長と結婚させたい思惑があるからだ。
義理の父親になるオーナーの厳命は、やはりパワハラになるのだろうか?