遊技機のリースが当たり前になれば、ホールは高い機械代から解放され、経営も楽になるはずなのだが…。
改めてこれまで取り上げたリース問題を振り返ってみる。
まずは、ハンドルネーム「カエル」さんが、ユーザー目線でリース問題に斬り込む。
以下本文
昔からホールの大きな出費になっているのは新台導入の際にかかる機械代だ。
毎月数十台導入され、中にはユーザーから望まれない台もある。
欲しくも無い、遊技したくも無い台の機械代を全てユーザーが負担しているのだ。遊技人口は減り、メーカーが大きくなり過ぎた現在この無駄を省く事は避けては通れない事だ。
今回はその方法の1つとして「台のリース契約」を提案したい。
例えば1台あたり2万円/月 でリース契約する。
メーカーは2年設置で機械代を回収でき、さらに2年以上稼働する台を作ればメーカーは新台を出さずして利益を得られる。逆に2年と持たない台を作ってしまうと機械代を回収出来ない。
つまり面白く無い台は即ホールから姿を消すのである。メーカーは2年稼働が見込める面白い台を作るだろう。台が導入された後も飽きがこない様にこまめに解析や新情報をメーカーから発信するはずだ。
今の出したら終わり、そんな殿様商売は出来なくなる。
ユーザーにとって悪い事は1つも無い。
以上終わり
機械代は結局は末端のユーザーが負担しているわけで、ユーザー目線でリースにすれば、ホールも必要以上に回収を急ぐこともないので、ユーザーも負け続けなくても済む、と言う発想である。
一方、税務の専門家である税理士からも遊技機のリースについてこんな見解を示している。この税理士は、高齢を理由に引退することになった税理士事務所のクライアントを引き継いだ時に、ホール企業が含まれていた。
税理士がホール企業の帳簿を見て一番最初に驚いたのが遊技機の高さだった。新台で40万で購入した機械が1年後には5万円で売却されたり、中古なのに60万円で買ったり、とパチンコ業界の日常が理解できなかった。
「一般的に会社では車やコピー機はリース契約で節税したりしています。実際、引き継いだホールさんもコピー機や観葉植物、さらには清掃道具までリース契約をしているのに、なぜ、一番高い遊技機がリースではないのか、不思議でなりません。本来はリースが合う業界だと思います。ここを追及して、問題点を探せば改善できて良い業界になる」(税理士)
一般的にリースのメリットは企業の信用力不足によって、借り入れが困難な場合、リースを利用することで、設備機器等の購入資金をリース会社が肩代わりしてくれるので、企業は借入をすることなく、設備機器を利用できる。リースの最大の機能は、このように資金調達力にある、と言われている。
リースを利用すると月々のリース料を経費処理する事も認められ、購入による所有資産の場合に必要な減価償却の手続きや固定資産税の納付の必要もなくなるので、事務負担が軽減される。
では、なぜ、こんないいこと尽くめのリースが遊技機では普及しないのか?
「パチンコ機は使用頻度が短いのでリース期間前に変えてしまう。リースをやること自体に意味がありません」(元Oリース関係者)とバッサリ切る。
さらに一番の問題は所有権移動の問題。リースだとホールには所有権がないので、中古書類も出ないのでチェーン店移動もできない。
新台を購入すると固定資産となり減価償却しなければならない。減価償却とは購入した資産の購入代金を分割して費用化する方法で、この資産の購入費用を、利用できる期間に配分するという方法を減価償却という。その固定資産が何年間使用に耐えうるのかを「耐用年数」という言葉で表現する。
「税制改正で加速度償却ができるようになり、パチンコは2年が1年、パチスロは3年が2年に変わりました。耐用年数が2年の場合リースは7掛けまで引っ張れますが、耐用年数が1年なら、1年で落とせるので資産計上しなくてもいい。ますますリースのニーズはなくなります。体力があるなら現金で買った方が得」(同)
こういうことから遊技機のリースが普及しないのだが、買うよりもリースの方が得になる時が業界が改革が始まる時でもある。
