もしAmazonのギフト券やiTunesカードが景品に認められたら?

2021.02.22 / コラム
「クレーンゲームは欲しいものがあるかどうかで売り上げが随分変わる。ではパチンコ店の景品カウンターに欲しいものがあるかどうかよく考えて欲しい。欲しいものなどないから景品が出ない。有価証券の提供が禁止されているので法改正は必要だが、Amazonのギフト券やiTunesカードのようなものが求められる」と話すのは大手シンクタンクの関係者。

御もっともな話だ。

しかし、そもそも論がちょっと違う。ホールには欲しい景品がないから、景品が出ないのではなく、客の嗜好が景品ではなく換金だから景品がおざなりにされた結果の品揃えが今の姿、と言った方が近い。

そういう意味ではクレーンゲームとパチンコの景品を並列で並べるのは的外れとも言える。クレーンゲームは中の景品が欲しいから、景品が取れるまで必死になっておカネを使う。クレーンゲームの目的は中の景品だが、パチンコは景品が欲しいために打っているのではない。

ゲーセンにはない換金というアドバンテージがパチンコにはあるから市場規模もパチンコの20兆円に対してゲーセンは6500億円と比較にならないぐらい差がある。

先のシンクタンク関係者は「業界は機種にしか目が向いていない。景品の見直しを図ってお客さんが欲しいものを並べなければならない。ランドセル業界は大人気の鬼滅の刃のランドセルをさっそく作ったメーカーもある。パチンコ業界も景品に対してこれぐらいの姿勢で臨まなければいけない」と力説する。

景品で新規開拓ができるのならパチンコ業界としても本腰を入れて取り組まなければならない。景品で集客しようと思えば既存の換金思考の客を総替えする必要が出てくる。

お客がいらない景品ばかりを並べている、というが、お客が一番欲しがる特殊景品は充実している。

シンクタンク関係者の50代の同僚は今でも月1回ほどの割合でホールに足を運んでいる。

その同僚曰く「パチンコは出玉がなければ、客は行かない。今は1パチでさえ回らない。本当にパチンコを止めようと思っている」と近況を話す。

欲しい特殊景品が取れなくなったから行かなくなる。

昭和の終わりから平成にかけて業界に参入した業界関係者は次の様に話す。

「当時はハネ物は10万円以下で、設備も建築費も安かったから発展した。しかし、今はあらゆるものが高コストになっている。そこへ来てお客さんは減少している。今後遊技人口が増えることは絶対にない。売り上げも上がらない中で、生き残るにはいかにコストを下げるか。これしかない。デジタル化、IT化、キャッシュレス化を取り入れて人口減に堪えるしかない」

欲しい景品がない云々の話しではない。







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