スポンサーがつかずお蔵入りなったスロットを題材にした深夜ドラマ

2021.02.16 / コラム
在京キー局関係者が自らの業界を「斜陽産業」と自虐的に評価する。かつては憧れの業種だったテレビ局が窮地に立たされている。

「今年のボーナスは何とか出たが来年夏のボーナスはどうなるか分からない」と言いのける。その理由は広告収入が減少の一途をたどっているからだ。

実際、ゴールデンタイムの番組ですら、「どれだけ番宣を入れたら気が済むんだ」というぐらい本来のスポンサー広告より、番宣の本数の方が多いケースもある。この傾向はネット広告が台頭してきてからこのところずっと続いている傾向だ。それがコロナ禍でより鮮明になってきた。

テレビ局は年代別視聴率も取っている。スポンサーにすれば若者をターゲットにしている商品なのに、テレビでCMを打っても効果が薄い。なぜなら若者のテレビ離れが進む一方だからだ。

となれば、ターゲットを絞り込んで広告が打てるネット広告の方がより費用対効果も高いので、自ずとスポンサーはネットの方に流れる。

その推移が2019年に完全にテレビとネットが逆転現象を起こしている。


特に最近は検索連動型広告が急増している。ネットで検索した商品などがサイトを見ていても次々に飛び込んでくる。興味がある人にはうってつけだがうるさいぐらいまとわりついてくる。ま、その分、効果も高いのだろう。

テレビが負けているのは広告出稿量だけではない。ネットフリックスなど有料動画チャンネルの台頭はテレビ局の番組作りにも大きく影響している。

なにせネットフリックスは全世界で有料会員は2億人に達しようとしている。月額800円だから単純計算しても年間収入は1兆9000億円。すごい金額だ。

広告収入が減ってテレビ局がやっていることは制作費の削減だ。そこで槍玉に上がるのはギャランティーの高い芸能人、俳優、キャスターなどがリストラ対象となる。

俳優にしてもテレビ局で1本のドラマのギャラが300万円クラスとすれば、ネットフリックスなら500~700万円に跳ね上がる。それだけ有料チャンネルで潤沢な財源を確保しているからだ。制作費も潤沢なネットフリックスの方が面白い番組が作れる。ますます若者はテレビからネットへシフトしていく。そして、テレビを観るのはパチンコの様にシルバー層だけになってくる。

厳しい台所事情のテレビ局の営業部が、昔、広告出稿が多かった業種を洗い直し、企画ものでスポンサーを取ろうと動いた。

それが深夜帯のパチンコを題材にしたドラマだった。時代の流れから設定をパチンコからスロットに変更して、スロットを打つ客にスポットを当てるものだった。

で、遊技機メーカーに企画を持ち込んだ。乗り気だった1社からのOKが取れずに結局この企画はお蔵入りとなった。

6号機で苦境に立たされることが分かっているのだから、日電協でこの企画に乗って、スロットにスポットを当てるドラマが実現したら面白いのに。

関西ではバームクーヘンのマダムシンコがスポンサーとなって、シンコ夫妻と交友がある著名人を招いてゴルフラウンドを楽しむ番組がサンテレビで放送されている。夫妻のプライベート感満載のゴルフ番組だが、深夜帯ならこんな番組だって放送できる。












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