ガチャガチャとは無縁な人生だった。去年10月、ツーリングで長浜市に行った時、黒壁スクエアを散策していて見つけたのが海洋堂ミュージアムだった。
フィギュアを作っている会社ぐらいの知識しかなかったが、900円の入場料を払って中に入った。1回分のガチャ用コインが付いていた。何台かあったガチャの中からよく選びもせずに回したら出てきたのが七人の侍シリーズだった。
身長5センチほど。5ミリの顔にはしわや髭が描かれ、袴のしわまで精巧に再現する海洋堂の技術力に感心させられた。コレクターでなくてもついつい集めてしまいたくなる。大人がガチャガチャに嵌る気持ちが分かる。
今、ガチャガチャは第3次ブームと言われ、子供から大人までを魅了する。毎月300シリーズが登場し、市場規模は400億円に達している。メーカーは約30社あるが、シェアの約8割をバンダイ、タカラトミーアーツの大手2社が占め、残り2割は中小のメーカーがしのぎを削る。
市場拡大に伴い、駅の空きスペースなどにもガチャガチャが席巻する。
これに目を付けたホールが、ホールの集客サービスの一環で、ガチャガチャをホールの空きスペースに設置する検討を始めている。
「休憩室や出入口、さらには機械を間引いた台間に設置することを検討しています。ガチャガチャのメーカーにパチンコのキャラクターを出す予定はないか、と問い合わせまでしています」(ホール関係者)
ガチャガチャとパチンコは親和性が高いのも検討している理由だ。
今は100円単位でパチンコを楽しむことはできないが、昔は100円をもう100円と遊んでいたように、小銭を「もう1回、もう1回」と使うのがガチャ客でもある。
パチンコも新台が集客につながるように、ガチャガチャも新製品が毎月リリースされているので、集客が期待できる。
ガチャガチャは電気代がかからないことも魅力だ。加えて、賞味期限もない。
今やドラッグストアーの中には24時間営業で弁当、総菜、菓子、飲料水、酒、食料品まで扱い、コンビニにも安く販売している。ドラッグストアー1店で日用品の買い物は完結できる戦略に出ている。
パチンコも遊技機だけの集客には限界に来ているので、新たな集客アイテムを取り揃える必要性が出てきている。
飲食店を経営しているホールなら、弁当を販売することも一つの方法であろう。例えば外食機会が減って行き場を失ったA5ランクの高級肉も安く仕入れることができるようになっている。贅沢な焼肉弁当を安く提供することで認知度も上がって行く。地元貢献にもつながる。