中堅ホールの頭取りデータが消えた

2021.02.08 / コラム
「気づいたのは1月末です。ウチのエリアから1駅先にあったホールの頭取りデータが消えたのは。この店舗は都内や神奈川、埼玉でもチェーン展開している中堅どころなんですが、データが見られません。使っている頭取りシステムは全店加入が基本ですから、10店舗あれば10店舗全店入らなければならないので、全店解約したということでしょう。その代わりにみんなの頭取りか、マーケットSISに切り替えているものと思われます」と話すのは都内のホール役員。

頭取りシステムが登場する以前は、各店舗のアルバイトが1時間もかけて競合店の頭取りに回っていた。それを1日3回以上回っていた。中には店休日なのに数字を入れて、サボっているのがバレたりした事例もある。データの信ぴょう性を上げて、アルバイトのコスト削減を図るために誕生したのが頭取りシステムだった。

理想的な頭取りシステムは独占状態だった。そのためにシステム使用料が硬直化していたり、見たい地域だけ加入したい、というホールの要望は聞き入れてもらえずチェーン全店舗加入が必須条件となっていたりする。

コロナ禍により昨対で2~3割以上業績がダウンしている状況下で、あらゆるコストの見直しが図られている。頭取りのシステム使用料の見直しも例外ではない。

前出のホール役員はさらに話をこう続ける。

「わざわざ自分たちが競合店を見に行かなくてもいいので、使っています。競合店と戦っているエリアで、競合店が止める動きが出て、競合店のデータが見られなくなれば、おカネを払って使う意味がなくなってきます。いずれ、安い頭取りに切り替えますが、普通に考えても止めるとすれば大手からになると思います。大手ほど店舗数も多いのでシステム使用料もバカになりません。大手が抜ければそれに追従する動きが加速すると思います」

解約する動きに加えて、コロナ禍で頭取りの調査員の確保が難しくなっているのか、第三者が調査している店舗のデータがなくなっている事例も出始めている。

蟻の一穴、という格言がある。どんな頑丈な堤防を築いても、アリ一匹分の穴が原因で崩れてしまう、とことだ。

最初の動きは小さいが、春先からこれら一連の動きはさらに加速するものと思われる。

新たな勢力としてみんなの頭取りやマーケットSISが登場する中で、頭取り市場で三つ巴の戦いが始まろうとしている。最後に生き残るのはどこだ?




人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える

オリジナルサイトで読む