ホールの無人化がもたらす弊害

2021.01.27 / コラム
ホールの無人化についてはこれまで何度か紹介してきたが、ホール企業の中には無人化を促進するシステム開発の会社へ投資して、というのだが…。

コロナ禍でホールを取り巻く環境もガラリと変わった。

一番の変化は不要不急の外出自粛で客数が減ったこと。2割減はいい方で5割、6割減のまま回復基調が見えてこないホールもある。

そこで真っ先にホールが取り掛かるのが、売り上げが回復しないのなら経費の見直し。特に機械に関しては、“ハズレ”に手を出さないことで、3分の1に抑える、というホールもある。

次は人件費だ。

コロナ禍で稼働が落ちてそんなに忙しくないホールでは、アルバイトも必要ないほどだ。

「玉箱の上げ下げもなく、今、ホールの仕事は居酒屋よりも楽になっているのに、時給は居酒屋よりも2割ほど高い」(ホール関係者)というように給料体系も見直さなければいけない。このまま売り上げが下がれば、時給1300円が重たい負担となる。

一般的なホールの規模で1日の人件費を30万円とすれば、1店舗当たり年間で1億円以上の人件費がかかる。店舗数が増えれば増えるほど莫大な人件費となる。

それゆえ、人件費の削減につながるシステムなら導入したホールは少なくなくない。

監視カメラメーカーの関係者はこう話す。

「ホールはコンビニよりも無人化しやすい業種です。実験的に無人コンビニはありますが、振り込みや宅急便の受付もありますから完全無人化はできません。ホールでは一番の問題はゴト対策となりますが管理遊技機になればそれにも対応できます」

ホールではセルフレジも登場している。掃除は床掃除ならロボットもある。確かに無人化はしやすい。

接客業とか、サービス業とか言っていた時代は過去のものになってしまうのだろうか。

で、この監視カメラメーカーの関係者が教えてくれたのが、無人化が一番進んでいる中国の実情である。

その模様はこちらを見て頂ければいい。

すでに公道を走るバスの無人化運転から、宅配便の仕分、配送までが実用段階になっているのだから驚かされる。単純作業はどんどんロボットが行う時代がすでに始まっている。

こうして無人化の流れを見ていると、ロボットによって、どんどん人が働く場を失い、結果的には人間は豊かな生活を送ることもできず、娯楽どころではなくなってしまうような気がする。

会社にとって無人化は人件費の抑制になるが、職を失った人間はどこへ向かうことになるのか心配になる。










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