マレーシア:Genting Malaysia 政府の州間移動禁止(1月13-26日)受け, RWGの営業縮小へ

2021.01.14 / カジノ
2021-01-14

【海外ニュース】

1月12日、Genting Malaysiaは、マレーシアのResorts World Gentingの一時的な営業方針変更を発表。政府による移動制限強化により予想される顧客ニーズ減少を踏まえ、運用キャパシティ削減、一部施設休業を実施へ。

1月11日、マレーシア政府は、13日から26日の間、Movement Control Order(MCO)、Conditional MCO、Recovery MCOの強化策を発表。本施策は、マレーシアにおける州間の移動を禁止する。

Genting Malaysiaは、3月18日より、マレーシア(Resorts World Genting, その他リゾート施設群)、米国(ニューヨーク州のResorts World Casino New York City、Resorts World Catskill)、英国(カジノ施設群)を閉鎖。

6月19日、Genting Malaysiaは、Resorts World Genting、18-19日にマレーシアリゾート施設を再開。

Genting Groupは、Genting Berhadを中心に、連結子会社であるGenting Malaysia(株式所有49.5%)、Genting Singapore(52.7%)がIR事業を展開。
日本活動は、Genting Singapore(Resorts World Sentosa運営)に担当させる方針。

Genting Malaysia 米NY州Resorts World Catskills(関連会社)増資160億円~米国でも打撃大

11月26日、Genting Malaysiaは、2020年3Q業績を発表。

2020年度3Q(7-9月)業績は、調整後EBITDAはRM311 million,YoY55%減, 株主帰属当期損益はRM705mnの赤字(同RM411mnの黒字)。
円換算は、それぞれ81億円の黒字, 183億円の赤字後EBITDAは126億円の赤字。

Resorts World gentingを中心とするマレーシア事業の売上高は前年比34%減であり、前年の6割強の水準を確保。

9月末のネット有利子負債は約1,598億円。2019年度の調整後EBITDA(660億円)の2.5倍ほど。十分な管理下にある。

2019年より、マレーシア政府は、Resorts World Genting(国内唯一のカジノ施設を含む)のGGR課税率を25%から35%に引き上げた。

なお、Gentingグループの日本IR参入については、Genting Singaporeに担当させる方針。同社は、グループ構成員として、Genting Singaporeをサポートする立ち位置。

事業概況と展望:
・マレーシア:6月19日、Resorts World Gentingが再開。政府の移動制限(Conditional Movement Control Order)が続く中、運営体制を環境に適応させる方針。屋外テーマパークは、2021年央の開業へ。
・英国:8月15日、カジノ施設は営業を再開。その後、11月4日から再休業。コスト削減を推進。
・米国:ニューヨーク州のRWNYC, RWCは、9月9日より再開。バハマのRW Biminiは休業が継続中。

財務状況:ネット有利子負債(2020年9月末):
・ネット有利子負債=RM6,145mn(約1,598億円)
– 手元流動性 RM4,464mn(現預金・現金等価物 RM3,686mn, 短期保有有価証券など)
– 有利子負債 RM10,709mn(借入金 RM9,798mn, リース債務など)

2020年度3Q業績(7-9月)RM=マレーシアリンギット:
・売上高RM1,417mn,YoY46%減, 調整後EBITDA RM311mn,YoY55%減, 株主帰属当期損益RM705mnの赤字(同RM411mnの黒字)
・円換算は、売上高368億円, 調整後EBITDA 81億円, 株主帰属当期損益183億円の赤字
<セグメント別>
・Leisure & Hospitality
– Malaysia = 売上高RM1,181mn,YoY34%減, 調整後EBITDA RM425mn,,YoY21%減
– UK & Egypt = 売上高RM131mn,YoY68%減, 調整後EBITDA RM51mnの赤字(前年同期RM86mnの黒字)
– US & Bahamas = 売上高RM70mn,YoY80%減, 調整後EBITDA RM72mnの赤字(前年同期RM55mnの黒字)

2020年度3Q累計業績(1-9月)RM=マレーシアリンギット:
・売上高RM3,488mn,YoY56%減, 調整後EBITDA RM180mn,YoY91%減, 株主帰属当期損益RM2,023mnの赤字(同RM1,096mnの黒字)
・円換算は、売上高907億円, 調整後EBITDA 47億円, 株主帰属当期損益526億円の赤字
<セグメント別>
・Leisure & Hospitality
– Malaysia = 売上高RM2,489mn,YoY54%減, 調整後EBITDA RM541mn,YoY67%減
– UK & Egypt = 売上高RM536mn,YoY57%減, 調整後EBITDA RM132mnの赤字(前年同期RM172mnの黒字)
– US & Bahamas = 売上高RM359mn,YoY67%減, 調整後EBITDA RM233mnの赤字(前年同期RM224mnの黒字)

(参考)2019年度業績(1-12月)RM=マレーシアリンギット:
・売上高RM10,407mn,YoY5%増, 調整後EBITDA RM2,641mn,YoY8%減, 株主帰属当期利益RM1,395mn(前期RM20mnの赤字)
・円換算は、売上高2,602億円、調整後EBITDAは660億円、株主帰属当期利益349億円
<セグメント別>
・Leisure & Hospitality
– Malaysia = 売上高RM7,067mn,YoY7%増, 調整後EBITDA RM2,048mn,YoY11%減
– UK & Egypt = 売上高RM1,676mn,YoY6%減, 調整後EBITDA RM232mn,YoY27%増
– US & Bahamas = 売上高RM1,469mn,YoY6%増, 調整後EBITDA RM289n,YoY5%減

Genting Malaysia 米NY州Resorts World Catskills(関連会社)増資160億円~米国でも打撃大

9月11日、Genting Malaysiaは、持分法対象関連会社Genting Empire Resorts(米国ニューヨーク州Resorts World Catskillsの運営会社)の優先株式1.5億米ドル(約160億円)の新規発行を引き受けると発表。

目的は、Genting Empire Resortsの運転資金および短期借入金の返済対応。ニューヨーク州、そのゲーミング産業は、米国の中でも、とりわけ新型コロナウイルス(COVID-19)の打撃が大きかった。

Genting Empire Resortsの株主構成は、Kien Huat Realty III(創業者一族)が51%、Genting Malaysiag49%。

新型コロナウイルスの影響表面化後、両株主とも資金調達に応じてきた。

一連の優先株がフルに普通株に転換した場合、Genting Malaysiaの保有株式は、現時点では44%に、2030年では57%になる。

Resorts World Catskillsは、3月中に施設を閉鎖、9月9日にニューヨーク州の規定に沿って再開した。

9月3日、ニューヨーク州アンドリュー・クオモ知事は、9月9日より州全域におけるカジノ、Video Lottery Terminal(VLT, レーシーノ)の25%キャパシティでの再開を容認すると発表。

英国:カジノを含むレジャー,8月15日より再開。約5ヵ月間の休業後~Genting Malaysia事業保有

8月13日、英国政府は、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染対策のアップデイトを発表。
前回のアップデイトは、2週間前の7月31日であった(イングランドが対象)。

8月15日より、カジノ、スケートリンク、ボーリング、インドアレジャーなどの再開が可能となった。これらは、約5か月ぶりの再開となる。

英国政府は、3月20日より、カジノを含むエンタテインメント、ホスピタリティ、インドアレジャーを休業要請。

英国の2019年度(2018年10月~2019年9月)のカジノ市場(Gross Gambling Yield)は、£1,053mn,YoY0.6%減(約1,421億円)。カジノ施設数は、全151施設。うち、Rank Groupが64施設、Genting Groupが42施設およびIR施設一つを運営。

日本IRへの参入意欲を持つ海外事業者のうち、英国における大きな事業基盤を有するのは、Genting Group 。
Genting Groupは、Genting Berhadを中心に、英国事業はGenting Malaysia、日本活動はGenting Singapore(Resorts World Sentosa運営)に担当させる。

Genting Berhadの子会社Genting Malaysia(株式所有49.5%)は、英国において、Genting Casino(全英で42施設を展開)、および、IR施設Resorts World Birminghamを運営。

Genting Malaysia 19日10時, RWG部分再開。カジノ施設,リワード客限定~英米ほぼ休業中

6月17日、Genting Malaysiaは、6月19日10時にResorts World Genting、18-19日にマレーシアリゾート施設を再開すると発表。

ただし、当面、カジノ施設は、SkyCasino at SkyAvenue, Genting Club at Genting Grand Hotelのみ開業とし、入場はGenting Rewards members(グループ共通リワードプログラム)に限定とする。
また、ホテル、飲食、アトラクションなども部分開業となる。

Genting Malaysiaは、3月18日より、マレーシア(Resorts World Genting, その他リゾート施設群)、米国(ニューヨーク州のResorts World Casino New York City、Resorts World Catskill)、英国(カジノ施設群)を閉鎖。

その後、複数回、閉鎖期間を延長した。

Genting Malaysiaは、3月17日付で米国のニューヨーク州Resorts World Casino New York City、Resorts World Catskillの閉鎖を発表。3月26日付で英国のResorts World Birmingham、その他ランドカジノ全施設の閉鎖を発表(ただし、オンラインのGentingBet.comは営業継続中)。

米国、英国の施設のステイタスは以下の通り。

<英国>
・6月15日、Resorts World Birmingham(RWB)のショッピングアウトレットが再開。RWBのその他施設、すべてのランドカジノは休業継続中。英国政府は、7月4日の全施設再開を容認する方向
<米国>
・Resorts World Casino New York City(RWNYC)、Resorts World Catskill(RWC)とも休業中

Genting Bhd:Malaysia FOXと和解。テーマパーク計画再始動

7月25日、Genting Malaysiaは、フォックス・エンターテインメント・グループ、ウォルト・ディズニー(フォックスの映画事業を買収)との和解を発表。Genting Malaysiaは、Resorts World Genting内のアウトドア・テーマパーク計画を改めて推進へ。

両者は、改めて、7月25日訂正版の覚書(Memorandum of Agreement)を締結。Genting Malaysiaは、フォックスの知的財産(Intellectual properties)のライセンスを得る。

Genting Malaysiaは、マレーシア・クアラルンプール郊外のResorts World Gentingにおいて、アウトドア・テーマパークを計画中であり、フォックスとその他のコンテンツを活用する。テーマパークの名称は、改めて検討する。

Genting Malaysiaは、2013年12月、Genting Integrated Tourism Plan(GITP)を策定し、10年間で100億マレーシアリンギット(約2,500億円)を投資する計画を発表。
その一環で、20世紀FOXテーマパークを計画に組み込んできた。

Genting Malaysiaは、当初、3億ドルを投資し、2018年にテーマパークを開業する予定であったが、契約上のトラブルが発生。
2018年11月に、Genting Malaysiaが、フォックス・エンターテインメント・グループ、ウォルト・ディズニーを提訴。その後、2019年1月に、フォックス・エンターテインメント・グループがGenting Malaysiaを逆提訴する展開となっていた。

Genting Group 事業構成

Genting Berhad:3つのエンティティがIR事業推進。日本はGenting Singaporeが担当

Genting Groupでは、3つのエンティティがそれぞれIR事業を推進する。

日本については、日本政府がシンガポールの制度設計を参考とすることから、その実績を有するGenting Singaporeに担当させる方針。

<Genting Berhad(マレーシア)>
・主な施設:NA
・開発計画:Resorts World Las Vegas(米国ネバダ州ラスベガス・ストリップ)

<Genting Malaysia(マレーシア)>
・主な施設:Resorts World Genting(マレーシア), Resorts World Birmingham(英国), Resorts World New York city(米国ニューヨーク州), Resorts World Bimini(バハマ)
・開発計画:Resorts World Gentingの大型アップデート

<Genting Singapore(シンガポール)>
・主な施設:Resorts World Singapore(シンガポール)
・開発計画:Resorts World Singaporeの大型アップデートおよび日本における開発機会追求

Genting Singapore 20年度3Q 売上は前年比5割, EBITDA116億円の黒字。回復顕著~横浜RFP精査へ

11月14日、Genting Singapore(シンガポール証券取引所上場)は、2020年度3Q(7-9月)の事業概況を発表。
なお、シンガポール証券取引所は、2020年度より、四半期決算開示の義務化を解除しており、本発表は自主的な開示の位置づけ。

2020年度3Q(7-9月)業績 SGD=シンガポールドル:
・売上高SGD301 million,YoY50%減,調整後EBITDA SGD149 million,YoY46%減,当期損益SGD54 million,YoY66%減
・円換算は, 売上高235億円, 調整後EBITDA 116億円, 当期損益42億円

2020年度3Q累計(1-9月)業績 SGD=シンガポールドル:
・売上高SGD749 million,YoY60%減, 調整後EBITDA SGD216 million,YoY76%減, 当期損益SGD62 millionの赤字(前年同期SGD533 millionの黒字)
・円換算は, 売上高584億円, 調整後EBITDA 168億円, 当期損益49億円の赤字

3Q(7-9月)には、売上高は前年の5割となり、当期損益は黒字を確保。人件費を含むコスト削減が奏功。同社は、7月15日に人件費の削減を発表した経緯がある。

新型コロナウイルス(COVID-19)対応については、IR両施設は、3月26日にカジノフロアの入場可能顧客の限定策を発表、その後、4月6日にカジノ部門を閉鎖、4月7日に全面営業停止となった。
7月1日、シンガポール政府は、観光アトラクション13分野について段階的に再開させた。IR施設も、カジノを含め一部のアトラクションが開業(二つのIRは、6月19日にリテール、飲食のみ再開)。

当面、再開されるアトラクションは、営業時間内のあらゆる時点において、キャパシティに対する稼働率25%以下に維持することが求められる。
また、カジノ入場者は、既存会員、および、シンガポール国民(永住権保持者含む)の年間入場料支払者に限定する。

Genting Singapore 横浜市RFPを精査へ。最大100億米ドル投資
・11月14日
「横浜市RFPへの参画を検討中。今後、発表される経済条件を精査し、当社クライテリアに合致すれば、RFPに提案する予定」
(会社は、2019年度決算発表後、日本におけるIR事業コンソーシアムを9-10月に組成したいと述べた)
・2月4日、株主総会を開催。日本IR開発方針の提案が可決
「一つ、または複数エリアに提案する可能性。ただし、最初の7年間は一つのIRプロジェクトの開発運営のみ」
「大都市のみをターゲット。大阪府、横浜市、東京都(これまでに大阪府、横浜市のRFCに参加)」
「投資額は、最大100億米ドル(約1.1兆円)」

なお、2020年6月末の財務、および、2019年度業績は以下の通り。

2020年度6月末 財務 S$=シンガポールドル:
・ネットキャッシュ S$3,491mn(2,688億円)
・手元流動性 S$3,760mn
・借入金 S$269mn

(参考)2019年度通期業績(1-12月) S$=シンガポールドル:
・売上高S$2,480mn,YoY2%減, 調整後EBITDA S$1,190mn,YoY3%減, 営業利益S$863mn,YoY11%減, 当期利益S$689mn,YoY9%減
・円換算は, 売上高1,959億円, 調整後EBITDA 940億円, 営業利益682億円, 当期利益544億円
 

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