6Gでオンラインパチンコ時代到来か?

2021.01.07 / コラム

去年春から5Gのサービスが開始されたばかりだが、スマホは一昨年11月にiPhone11Max Proに機種変したので、当分5Gを体感することはないだろう。通信の世界では10年ごとに世代が替わる中で、5Gでは中国企業に遅れを取ったがNTTドコモは2030年のサービス開始に向け、6Gのホワイトペーパーを公開している。

各国企業とも6Gの覇権争いに向け、韓国のサムスングループは1兆8248億円、中国のファーウェイは、1兆6142億円、アメリカのインテルは1兆1438億円の開発費を計上している。

通信の覇権争いに日本企業が乗り遅れそうな事態が、菅総理の目玉政策の一つである「ケータイ代の値下げ」だ。

NTTは子会社のNTTドコモ(66.2%の株を取得)を完全子会社にするために、ドコモの残り株すべてを4兆円で公開買い付けすることを発表している。NTTグループの稼ぎ頭であるドコモの利益をすべて取り込むことで、6Gの投資にぶち込むこともできるが、ケータイ代の値下げに応じれば、それだけ利益が少なくなり、他国企業のような巨額投資も困難になる。

5Gは開始されたばかりだが、5Gで期待されている多くの社会課題解決やニーズへの対応が2020年代中に実現されていると考えられる。

地方創生、少子高齢化、労働力不足等の社会課題に対して、高速・低遅延な通信ネットワークにより、テレワーク、遠隔操作、遠隔医療、遠隔教育、車含む多様な機器の自律運転などの様々な解決策が2020年代中に提供されることが予想される。

2030年代の6Gでは、解決策のさらなる普及やより高度な対応により、完全なる課題解決と発展が求められる。国内外のどこにいても超リアルな体感であらゆる人、情報、物にアクセス可能となり、働く場所や時間の制約を完全に撤廃できる世界となることが期待される。

これにより、地方と都市部の社会格差や文化的格差が劇的になくなり、人々の都市集中を回避し、地方の発展が進むとともに、人々の暮らしをストレスのないより豊かなものにすることができる。

XR(VR, AR, MR)デバイス含むウェアラブルデバイスの高機能化、8Kやそれを超える高精細映像やホログラム、触覚含む新たな五感通信等が普及し、人と人、人とモノとの通信が超リアルでリッチなものとなる。これにより、ゲーム、スポーツ観戦などで革新的なエンターテイメントサービスやエンタープライズサービスが場所と時間の制約なく提供される。

「6Gになるとパチンコの在り方も変わる。大前提として法改正が必要になるが、パチンコもオンラインでスマホできるようになっている。メーカーの生き残り戦略の一環だが、日本中のパチンコ店はなくなっている。ユーザーはメーカーのサーバーにアクセスして遊技を楽しみ、課金される。将来のパチンコ業界はメーカーだけが残っている」(在京テレビ局経済部記者)と予測する。

しかし、ケータイキャリアが政府の方針で値下げに応じれば、開発費が捻出できなくなるので、6Gでも世界の後塵を拝することになる。

「安くケータイ代を抑えたいのであれば、楽天モバイルのような格安スマホに乗り換えればいいだけ。そもそも楽天に免許を与えたのは価格破壊を起こすためだが、今の3大キャリアが値下げに応じれば格安スマホの意味がなくなる。値下げはとんでもない話だ」(同)と憤る。







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