お年寄りをホールに呼び戻すために必要なこと

2021.01.04 / コラム

2021年のパチンコ業界はどうなるか? その予測をするためには日本経済全体を俯瞰しなければ、パチンコ業界の動向も読めない。その前にコロナが収束しないことには物事も始まらないが悲観的な材料しかない。

ホール現場で「ヤバイ」と思ったことは、12月の年金支給日にいつものように稼働が上がらなかったことだ。

新型コロナが再加速する冬場を迎え、政府は「勝負の3週間」として位置づけ、11月25日から感染対策を短期集中的に行うように呼び掛けたように、お年寄りはこれでますます外に出歩かなくなった。それが12月の年金支給日の稼働に影を落としている。

さらに、感染拡大が収まらない東京都の小池知事は「年末年始は来年の東京の姿を占う重要な局面だ」と述べ、買い物や通院など、やむをえない場合を除いて外出を自粛して欲しい、と改めて呼びかけた。

不要な外出呼びかけにより、大きく影響を受けている業種の代表格と言えば飲食業だ。特に、雑居ビルの2階~5階の飲食店からの悲鳴が上がっている。フリーの客はまず雑居ビルの上には上がって来ない。空きテナントが目立ち、オーナーは賃貸収入が入って来ない。

ま、これは予想できることだが、会社帰りのサラリーマン客をターゲットにしていた吉呑みですらも業績を大きく落としている。

「リモートワークと夜のクラスターに第三波で日高屋や吉呑み客が減っている。さらに1000ベロと言われていたが1000円出せる客すらも少なくなっているので、これからは酒とつまみ1品で500ベロに単価を落とさなければならない時代になる」と経済アナリスト。

2021年が景気が回復するメドもなく、政府が年末年始の帰省を控えるように呼び掛けたことから鉄道各社は書き入れ時を失い、業績悪化が続く。今年の夏のボーナスは期待できない。

「為替は100円を割る。アメリカが低金利政策を続ける限り、日本も金利を上げることがなく、円高は1年は続く。自動車産業や輸出産業はしんどくなる。ボーナスも出ない、給料は下がるで、主働きでも住宅ローンが払えなくなっているケースが増えている。労働者の給料が上がらないことには、レジャー費が市中に流れることはない」(同)

その影響は地方から進行する。

広島県内のある遊技組合は、かつては6店舗が営業していたが、現在は1店舗となり、1店舗で単組を運営している。地元には大手の化学繊維や石油化学の工場があるので労働者はいるのに、遊技人口が減り続けている。

労働者の収入が減れば、パチンコも打てない。当たり前のことである。

そして、資本力のないホールから淘汰されていくわけだが、コロナで足が遠のいているお年寄りをどうやって呼び戻すかが今年にかかっている。

ホールの換気対策は万全とされているが、一方の消毒は段々とおざなりになっている。特にパチンコ客はトイレに行っても手を洗わない人が多い、といわれている。ハンドル周りなどの直接手を触れる部分の消毒の徹底のほか、自分で除菌できるグッズをホールで準備することも必要だろう。









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