店長に大幅な権限委譲で増収増益の手法をホールに応用してみたら…

2020.12.01 / コラム

大手ディスカウント店で8年勤務していたが、家庭の事情で田舎にUターンすることになったAさん。最初は農機具の販売店へ就職したが、仕事が自分の性には合わないので、再就職したのがホールだった。

田舎の単店でオーナーに気に入られ、店長に昇進するのにさほどの時間はかからなかった。

オーナーはなぜ気に入ったのか、というとAさんの才能というかやる気だった。

店長になる前、Aさんは自分のアイデアを店長に色々相談していたが、何事も否定から入る店長でことごとく却下された。

そこで、Aさんは店長をすっ飛ばしてオーナーに直接稟議書を上げるようにしたところ、気に入られた。稼働が下がろうとも打つ策もなく、部下の企画は否定するだけの店長を降格して、Aさんが店長に昇格した。

ホール業務の中でも大手ディスカウント店で培った8年の経験は生かされた。前職は値段設定は本部が指示するのではなく、店長の裁量に任される範囲が広かった。さらに各売り場も権限が現場に委譲され、契約社員でも売り場を任され、値付けやレイアウトまで行う。

従って、同じチェーン店なのに、同じ商品の値段に差があることは不思議なことではなかった。

これが現場のモチベーションとなり増収増益を続けている。その代わりパワハラはある企業風土だが、自分の実力で昇進することはできた。

Aさんは店長になっても事務所にいることはなかった。

常に表周りをして、お客さんとのコミュニケーションをとると共に、お客さんの声は吸い上げて実行した。

心掛けたのは稼働のいい機種は稼働がいいから、利益を抜くのではなく、敢えて割数を上げ、薄利多売を貫いた。

「勝ったらまた行きたくなるじゃないですか。勝つ体験を増やすことが必要です」(Aさん)というように、週1回しか来なかったお客さんが週2回来るようになった。

来店客数は3カ月で2割もアップした。

店長に任命された時、Aさんはパチンコのことを勉強するために、ネットで関連サイトを片っ端から調べた。その時ぶち当たったのがパチンコ日報だった。

「日報で勉強になったのは元店長とトミナガさんの記事でした。これらは過去記事を全部読み返しました。時代にそぐわず使えない手法も中にはありましたが、勉強になりました」(Aさん)

軌道に乗りかけた時にコロナだ。

緊急事態宣言では休業も余儀なくされた。しかし、営業再開後は年配客の比率が高かったため客の戻りが芳しくない。Aさんの力でもどうにもならず、一時休業することとなった。

職を失ったAさんは古巣に復帰することを考えている。



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