Genting Berhad(グループ統括)20年度3Q EBITDA黒転。財務健全性高い~GENS,横浜RFP精査へ
2020.11.28 / カジノ【海外ニュース】
Genting Berhad(グループ統括)20年度3Q EBITDA黒転。財務健全性高い~GENS,横浜RFP精査へ
11月26日、Genting Berhadが2020年度3Q業績を発表。
Genting Berhadは、マレーシアのコングロマリットであり、IR事業は、Genting Berhad、子会社であるGenting Malaysia, Genting Singaporeを持つ。
2020年度2Q(7-9月)の調整後EBITDAはRM1,095 million,YoY44%減, 株主帰属当期損益はRM131 millionの赤字(前年同期RM 306 millionの黒字)。
円換算は、それぞれ285億円の黒字, 34億円の赤字。
9月末のネット有利子負債は、1,796億円。ネット有利子負債の額は、2019年の年間の調整後EBITDA(2,050億円)より少ない水準であり、財務体質は依然として健全。
Genting Berhadは、日本IR参入について、Genting Singaporeに担当させる方針。Genting Berhadは、親会社として、Genting Singaporeをサポートする立ち位置。
Genting Singapore 横浜市RFPを精査へ。最大100億米ドル投資
・11月14日
「横浜市RFPへの参画を検討中。今後、発表される経済条件を精査し、当社クライテリアに合致すれば、RFPに提案する予定」
(会社は、2019年度決算発表後、日本におけるIR事業コンソーシアムを9-10月に組成したいと述べた)
・2月4日、株主総会を開催。日本IR開発方針の提案が可決
「一つ、または複数エリアに提案する可能性。ただし、最初の7年間は一つのIRプロジェクトの開発運営のみ」
「大都市のみをターゲット。大阪府、横浜市、東京都(これまでに大阪府、横浜市のRFCに参加)」
「投資額は、最大100億米ドル(約1.1兆円)」
8月19日以降に明らかとなった、Genting Kong Kong(Genting Berhadの兄弟会社)の財務危機、Lim Kok Thay(リムファミリー当主。Genting Hong Kong, Genting Berhad両者の取締役会議長CEO)の対応(自身の保有株式のほとんどを金融機関向け担保に拠出)が、Genting Berhadの経営に与える今後の影響が注目される。
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財務状況:ネット有利子負債(2020年9月末):
・ネット有利子負債=RM6,909 million(約1,796億円)
– 手元流動性 RM31,040 million(現預金・現金等価物 RM28,918 million, 短期保有有価証券など)
– 有利子負債 RM37,948 million(借入金 RM37,031 million, リース債務 RM918 million)
2020年度3Q業績(7-9月)RM=マレーシアリンギット:
・売上高RM3,299mn,YoY38%減, 調整後EBITDA RM1,095mn,YoY44%減, 株主帰属当期損益 RM131mnの赤字(前年同期RM306mnの黒字)
・円換算は、売上高858億円, 調整後EBITDA 285億円, 株主帰属当期損益34億円の赤字
2020年度3Q累計業績(1-9月)RM=マレーシアリンギット:
・売上高RM8,516mn,YoY48%減, 調整後EBITDA RM1,725mn,YoY71%減, 株主帰属当期損益RM1,049mnの赤字(同RM1,467mnの黒字)
・円換算は、売上高2,214億円, 調整後EBITDA 449億円, 株主帰属当期損益273億円の赤字
<参考>2019年度業績(1-12月)RM=マレーシアリンギット:
・売上高RM21,617mn,YoY4%増, 調整後EBITDA RM7,883mn,YoY3%減, 株主帰属当期利益RM1,996mn,YoY46%増
・円換算は、売上高5,620億円, 調整後EBITDA 2,050億円, 株主帰属当期利益519億円
<セグメント>
– Leisure & Hospitality 売上高RM17,730mn,YoY2%増, 調整後EBITDA RM6,900mn,YoY4%減
– Plantation 売上高RM2,144mn,YoY20%増, 調整後EBITDA RM389mn,YoY1%減
– Power 売上高RM1,060mn,YoY1%増, 調整後EBITDA RM454mn,YoY8%減
– Property 売上高RM225mn,YoY2%増, 調整後EBITDA RM83mn,YoY9%増
– Oil & Gas 売上高RM310mn,YoY6%減, 調整後EBITDA RM215mn,YoY8%減
– Investments & Others 売上高RM148mn,YoY31%増, 調整後EBITDA RM158mnの赤字(前期RM227mnの赤字)
<Leisure & Hospitality セグメント>
– Malaysia 売上高RM7,059mn,YoY7%増, 調整後EBITDA RM2,651mn,YoY9%減
– Singapore 売上高RM7,526mn,YoY1%減, 調整後EBITDA RM3,728mn,YoY1%減
– UK and Egypt 売上高RM1,676mn,YoY6%減, 調整後EBITDA RM232mn,YoY27%増
– US and Bahamas 売上高RM1,469mn,YoY6%増, 調整後EBITDA RM289mn,YoY5%減
Genting Berhad(統括)Fitch, 格付け”BBB”維持も, 見通し”Negative”に~ASEANコロナリスク大
11月5日、Fitch Ratingsは、Genting Berhadのクレジットに関する”Outlook”(見通し)を、”Stable”(安定)から”Negative”(悪化)に変更した。格付けは、”BBB”を維持。
見通し変更の理由は、東南アジアにおける新型コロナウイルス(COVID-19)の影響の長期化、その結果、2023年末まで有利子負債依存度引き下げの見通しが立たなくなったこと。
Genting Berhadの旗艦施設は、Resorts World Genting(マレーシア)、Resorts World Singapore(シンガポール)。それぞれ、6月に再開したものの、東南アジアにおけるコロナ再拡大が懸念される状況。
Fitch Ratingsは、Genting Berhadの売上高、EBITDAの2019年レベルへの回復は、早くとも、2022年末まで困難と予測。以前は、2021年中のコロナ前レベルへの回復を予想していた。
今回、Fitch Ratingsは、Genting BerhadのEBITDA予想を、2020年15億MYRマレーシア・リンギット(375億円),YoY80%減、2021年42億MYR(1,050億円)、2022年74億MYR(1,850億円)とした。
Genting Berhadは、大きな設備投資計画を持つ。Resorts World Genting(マレーシア)、Resorts World Singapore(シンガポール)のそれぞれで大型追加投資計画があり、Resorts World Las Vegas(米国ネバダ州ラスベガス・ストリップ)を2021年後半に開業予定させる予定。
Genting Berhad(グループ統括)Fitch格付け”BBB”に引下げ~依然,Las Vegas Sandsより高位
10月16日、Fitch Ratingsは、Genting Berhadの格付けを”BBB+”から”BBB”へと引き下げた。
背景は、主たるキャッシュフローのドライバーであるマレーシア(Resorts World Genting)、シンガポール(Resorts World Sentosa)の新型コロナウイルス(COVID-19)からの回復速度が想定よりもスローとの判断。
Fitch Ratingsは、Las Vegas Sandsの格付けを”BBB-/Negative”としている。Genting Berhadの格付けがLas Vegas Sandsよりも高い理由は、ゲーミング展開地域の多様性、ゲーミング以外の事業の多様性、バランスシートの保守性・レバレッジレベルの低さ、など。
とくに、ゲーミングについては、Las Vegas Sandsは、マカオを最大のキャッシュフロードライバーとするが、そのコンセッションが2022年に満期となり、その後の継続性が不透明である点も指摘。
Genting Group 事業構成
Genting Berhad:3つのエンティティがIR事業推進。日本はGenting Singaporeが担当
Genting Groupでは、3つのエンティティがそれぞれIR事業を推進する。
日本については、日本政府がシンガポールの制度設計を参考とすることから、その実績を有するGenting Singaporeに担当させる方針。
<Genting Berhad(マレーシア)>
・主な施設:NA
・開発計画:Resorts World Las Vegas(米国ネバダ州ラスベガス・ストリップ)
<Genting Malaysia(マレーシア)>
・主な施設:Resorts World Genting(マレーシア), Resorts World Birmingham(英国), Resorts World New York city(米国ニューヨーク州), Resorts World Bimini(バハマ)
・開発計画:Resorts World Gentingの大型アップデート
<Genting Singapore(シンガポール)>
・主な施設:Resorts World Singapore(シンガポール)
・開発計画:Resorts World Singaporeの大型アップデートおよび日本における開発機会追求
Genting Singapore 20年度3Q 売上は前年比5割, EBITDA116億円の黒字。回復顕著~横浜RFP精査へ
11月14日、Genting Singapore(シンガポール証券取引所上場)は、2020年度3Q(7-9月)の事業概況を発表。
なお、シンガポール証券取引所は、2020年度より、四半期決算開示の義務化を解除しており、本発表は自主的な開示の位置づけ。
2020年度3Q(7-9月)業績 SGD=シンガポールドル:
・売上高SGD301 million,YoY50%減,調整後EBITDA SGD149 million,YoY46%減,当期損益SGD54 million,YoY66%減
・円換算は, 売上高235億円, 調整後EBITDA 116億円, 当期損益42億円
2020年度3Q累計(1-9月)業績 SGD=シンガポールドル:
・売上高SGD749 million,YoY60%減, 調整後EBITDA SGD216 million,YoY76%減, 当期損益SGD62 millionの赤字(前年同期SGD533 millionの黒字)
・円換算は, 売上高584億円, 調整後EBITDA 168億円, 当期損益49億円の赤字
3Q(7-9月)には、売上高は前年の5割となり、当期損益は黒字を確保。人件費を含むコスト削減が奏功。同社は、7月15日に人件費の削減を発表した経緯がある。
新型コロナウイルス(COVID-19)対応については、IR両施設は、3月26日にカジノフロアの入場可能顧客の限定策を発表、その後、4月6日にカジノ部門を閉鎖、4月7日に全面営業停止となった。
7月1日、シンガポール政府は、観光アトラクション13分野について段階的に再開させた。IR施設も、カジノを含め一部のアトラクションが開業(二つのIRは、6月19日にリテール、飲食のみ再開)。
当面、再開されるアトラクションは、営業時間内のあらゆる時点において、キャパシティに対する稼働率25%以下に維持することが求められる。
また、カジノ入場者は、既存会員、および、シンガポール国民(永住権保持者含む)の年間入場料支払者に限定する。
Genting Singapore 横浜市RFPを精査へ。最大100億米ドル投資
・11月14日
「横浜市RFPへの参画を検討中。今後、発表される経済条件を精査し、当社クライテリアに合致すれば、RFPに提案する予定」
(会社は、2019年度決算発表後、日本におけるIR事業コンソーシアムを9-10月に組成したいと述べた)
・2月4日、株主総会を開催。日本IR開発方針の提案が可決
「一つ、または複数エリアに提案する可能性。ただし、最初の7年間は一つのIRプロジェクトの開発運営のみ」
「大都市のみをターゲット。大阪府、横浜市、東京都(これまでに大阪府、横浜市のRFCに参加)」
「投資額は、最大100億米ドル(約1.1兆円)」
なお、2020年6月末の財務、および、2019年度業績は以下の通り。
2020年度6月末 財務 S$=シンガポールドル:
・ネットキャッシュ S$3,491mn(2,688億円)
・手元流動性 S$3,760mn
・借入金 S$269mn
(参考)2019年度通期業績(1-12月) S$=シンガポールドル:
・売上高S$2,480mn,YoY2%減, 調整後EBITDA S$1,190mn,YoY3%減, 営業利益S$863mn,YoY11%減, 当期利益S$689mn,YoY9%減
・円換算は, 売上高1,959億円, 調整後EBITDA 940億円, 営業利益682億円, 当期利益544億円
Genting Malaysia 20年度2Q 赤字234億円, Net Debt 1,488億円~日本追及G Singapore支援
8月27日、Genting Malaysiaは、2020年2Q業績を発表。
2020年度2Q(4-6月)の調整後EBITDAは126億円の赤字, 株主帰属当期損益は234億円の赤字。
6月末のネット有利子負債は、1,488億円。
同社の主力は、マレーシアResorts World Genting。欧米に施設展開する。
マレーシア(Resorts World Genting)は、段階的な再開の過程にある。英国は、8月15日よりほとんどの施設が再開。米国は、依然として休業中。バハマ(Resorts World Bimini)は、7月2日に再開したものの、7月25日より再休業中。
財務状況:ネット有利子負債(2020年6月末):
・ネット有利子負債=RM5,722mn(約1,488億円)
– 手元流動性 RM6,513mn(現預金・現金等価物 RM5,983mn, 制限付預金 RM20mn, 短期保有有価証券 RM510mn)
– 有利子負債 RM12,235mn(借入金 RM11,418mn, リース債務 RM817mn)
2020年度業績(4-6月)RM=マレーシアリンギット:
・売上高RM115mn,YoY96%減, 調整後EBITDA RM486mnの赤字(前年同期RM712mnの黒字), 株主帰属当期損益RM900mnの赤字(同RM416mnの黒字)
・円換算は、売上高30億円, 調整後EBITDA 126億円の赤字, 株主帰属当期損益234億円の赤字
<セグメント別>
・Leisure & Hospitality
– Malaysia = 売上高RM82mn,YoY95%減, 調整後EBITDA RM215mnの赤字(前年同期RM540mnの黒字)
– UK & Egypt = 売上高RM33mn,YoY92%減, 調整後EBITDA RM104mnの赤字(前年同期RM45mnの黒字)
– US & Bahamas = 売上高RM32mnのマイナス(前年同期RM378mnのプラス), 調整後EBITDA RM176mnの赤字(前年同期RM103mnの黒字)
2020年度累計業績(1-6月)RM=マレーシアリンギット:
・売上高RM2,070mn,YoY61%減, 調整後EBITDA RM131mnの赤字(前年同期RM1,396mnの黒字), 株主帰属当期損益RM1,318mnの赤字(同RM685mnの黒字)
・円換算は、売上高538億円, 調整後EBITDA 34億円の赤字, 株主帰属当期損益343億円の赤字
<セグメント別>
・Leisure & Hospitality
– Malaysia = 売上高RM1,307mn,YoY64%減, 調整後EBITDA RM117mn,YoY89%減
– UK & Egypt = 売上高RM404mn,YoY52%減, 調整後EBITDA RM81mnの赤字(前年同期RM86mnの黒字)
– US & Bahamas = 売上高RM289mn,YoY61%減, 調整後EBITDA RM162mnの赤字(前年同期RM169mnの黒字)
2019年度業績(1-12月)RM=マレーシアリンギット:
・売上高RM10,407mn,YoY5%増, 調整後EBITDA RM2,641mn,YoY8%減, 株主帰属当期利益RM1,395mn(前期RM20mnの赤字)
・円換算は、売上高2,602億円、調整後EBITDAは660億円、株主帰属当期利益349億円
<セグメント別>
・Leisure & Hospitality
– Malaysia = 売上高RM7,067mn,YoY7%増, 調整後EBITDA RM2,048mn,YoY11%減
– UK & Egypt = 売上高RM1,676mn,YoY6%減, 調整後EBITDA RM232mn,YoY27%増
– US & Bahamas = 売上高RM1,469mn,YoY6%増, 調整後EBITDA RM289n,YoY5%減