政府・与党:21年度税制改正大綱に議論本格化~カジノ勝ち分課税が焦点。自民党,”国際標準”
2020.11.27 / カジノ【国内ニュース】
2020年11月19日、自民党・税制調査会総会が開催され、12月上旬の2021年度税制改正大綱取りまとめに向けた議論が開始した。
11月26日、自民党の甘利明・税制調査会長は、IRにおけるカジノ関連税制整備について、2021年度税制改正大綱において「基本的なことを決める。国際標準になる」と述べた。日本経済新聞などが報じた。
焦点は、具体的なカジノ利用者の勝ち分(Winnings)課税措置。2019年12月に策定された、2020年度の与党税制改正大綱では、同措置について、以下が記述された。
「カジノから生じる所得にかかる適正な申告の確保等の観点から、国内外のギャンブル課税の状況、今後制定されるカジノ管理委員会規則等に基づく詳細な規制の具体化の状況、最新の技術の活用可能性等も踏まえつつ、関連する納税環境の整備について、IR事業の開業に向けて、今後検討する。その際、事業者の事務負担や国際競争力の確保についても考慮する。」
政府:20年度税制改正大綱”カジノ利用者課税”~国内外標準, 事業者負担, 国際競争力を考慮へ
2019年12月11日、自民党、公明党の税制調査会は、協議会を開催し、2020年度の与党税制改正大綱案を了承。12日、両党が正式決定。
カジノ利用者の勝ち分(Winnings)課税措置に関する記述は以下の通り。
「カジノから生じる所得にかかる適正な申告の確保等の観点から、国内外のギャンブル課税の状況、今後制定されるカジノ管理委員会規則等に基づく詳細な規制の具体化の状況、最新の技術の活用可能性等も踏まえつつ、関連する納税環境の整備について、IR事業の開業に向けて、今後検討する。その際、事業者の事務負担や国際競争力の確保についても考慮する。」
具体的なカジノ利用者の勝ち分(Winnings)課税措置については、今後議論が継続されることになるが、国内外標準, 事業者負担, 国際競争力を意識した設定になる方向。
11月27日、財務省は、与党の税制調査会において「カジノ事業者及びカジノ所得に係る税制上の所要の措置」を提示。
それに対し、IR法制に関わった国会議員らは、問題意識を共有し、対応を進めていた。
問題意識とは、財務省案が、国内の公営競技等、国際的なカジノの課税プラクティスから逸脱しており、カジノ利用者の利用意向つれてカジノ事業者の投資意欲を委縮させ、カジノ事業者に大きな事務負担を与えるリスク。
政府:財務省 自民党税制調査会にカジノ事業者及びカジノ所得に係る税制措置案を提示
11月27日、財務省は、自民党税制調査会において「カジノ事業者及びカジノ所得に係る税制上の所要の措置」を提示。
財務省は、令和2年度(2020年度)の与党の税制改正大綱で方向性を決め、令和3年度(2021年度)の通常国会に税制改正法案を提出予定。
カジノ利用者の勝ち分(Winnings)への課税法に関し、財務省は日本居住者、非居住者それぞれに以下を提案。
・日本居住者:マイナンバーカードを用い、利用者の全プレイ履歴を記録。勝ち分(チップ購入額、退場時の払戻金の差額)を一時所得として課税
・非居住者:所得に対して源泉徴収
財務省案に対し、IR法令に深く関わった与党国会議員らは、問題意識を共有。問題意識とは、財務省案が、国内の公営競技等、国際的なカジノの課税プラクティスから逸脱しており、カジノ利用者の利用意向つれてカジノ事業者の投資意欲を委縮させ、カジノ事業者に大きな事務負担を与えるリスク。
例えば、
・日本居住者:公営競技(1ゲームの大きな勝ちを課税対象とする)の一時所得の扱いと同じにすべき
・日本居住者:IR整備法の立法時には、マイナンバーカードは、入退場管理のみに用いられる前提であった(プレイ履歴把握に用いない、)
・非居住者:米国では、源泉徴収は、1ゲームの大当たり(5,000ドル以上または300倍以上)のみ対象。主にスロットマシンの大当たり対象
なお、ギャンブル勝ち分の税務上の扱いは、日本、米国は課税対象であるが、中国、シンガポール、英国などは非課税。