【前半】通信革命で世界が加速!? 5Gがもたらすパチンコ業界の未来
2020.11.12 / その他いよいよ5G対応の「iPhone12」が発売し、テレビでもネットでも「5Gの時代が到来」と騒いでいる。世の中を席巻している「5G」とは具体的にどんなものなのか。そして5Gはパチンコ業界にどんな影響を与えるのか。外資系IT企業でマーケティングコンサルを務める阿部睦氏に話を聞いた。
通信速度向上だけじゃない「5G」の特徴とは!?
「5Gになったら今までよりも通信速度が早くなる」漠然とそんな風に理解している人は多いかもしれないが「具体的にどんな特徴を持つのか?」と問われるとちゃんと説明できる人は少ないかもしれない。まずは5Gとは何なのか阿部氏に話を聞いてみた
「5Gとは通信規格の5代目という意味です。通信規格の世代についての説明(下記カコミ参照)は省きますが、お持ちのスマホに『4G』と書かれているのはご存知かと思います。その次の規格ということになります。5Gは大きくわけて3つの特徴『超高速・大容量』『超低遅延』『多数同時接続』を持っています」

これまでの「4G」の通信速度が最大で約1Gbpsだったものに対して、5Gでは、20Gbpsに引き上げられる。これは理論上「2時間の動画を3秒でダウンロードできるほどの性能」だと阿部氏は言う。また、インターネット通信時に発生する遅延も4Gと比べて約1/10に抑えられるため、遠隔操作の制御が発展。「自動運転や遠隔医療などの発展が期待できる」とのこと。
また、4Gの場合は1つの基地局に対して、最大10万台が同時接続できるのだが、5Gになると同時接続は100万台まで可能になる。これによりあらゆるものがインターネットに接続できるようになり、家電製品のIoT化※が進む。
そんな夢が広がる5Gだが、現状はそこまで大きな変化は感じられないと阿部氏は続ける。
「5Gには『LTE』と『NR』という2つの通信技術があります。LTEは現状の4Gでも使用されている周波数帯で、これをアップデートすることで5Gの通信手段とするのですが、これは5G〝風〟という感じで少し早くなる程度。日本の5Gはここからはじまります。一方の『NR』は、超高速、大容量を分かりやすく体感できますが、4Gのように遠くから電波を飛ばせないので、小型基地局を多数設置する必要があります。また、建物の壁を通り抜けることができないという弱点もあります。日本ではまだ基地局環境の整備ができていません。このためiPhoneを始め国内発売の5GスマホのほとんどがNRには非対応です」
夢の通信革命と騒がれている5Gだが、現状は4Gの速度に「毛が生えた程度のもの」であり、飛躍的な進化を遂げるのはまだ先のことになりそうだ。
※IoT・・・Internet of Thingsの略。モノのインターネットという意味で、コンピュータなどの情報・通信機器だけでなく、世の中に存在するさまざまな物体(モノ)に通信機能を持たせ、インターネットに接続したり相互に通信することにより、自動認識や自動制御、遠隔計測などを行うこと。
5Gで予想される変化 |
IoT化が加速し働き方や産業が変わる本格的な5Gの時代になると、PCやスマホだけでなく、あらゆるものがインターネットに接続されIoT化される。近くの喫茶店を探すことは今でもできるが、「タバコが吸えて、現在空席がある喫茶店」という細かなニーズに対応した検索も可能になってくる。また、家庭の冷蔵庫の在庫状況を冷蔵庫自身が把握して「自動で注文をする」ということもIoT化が進むことで可能性が出ているのだ。 エンターテインメントの世界も飛躍的な進歩を遂げる。スポーツ中継の場合、チームや選手の基本情報を知りながら、試合の様子を360°好きな角度から見ることも可能に。新型コロナウイルスの影響でアーティストが無観客ライブをオンラインで配信するというのが増えているが、そんなライブもSF映画のようにホログラムで立体的に表現されて、目の前で歌ってくれるという未来も実現できそうなところまできているのである。 またテレワーク推奨のご時世だが、5Gが進めばさらに仕事が効率化され出張などもなくなる可能性も高い。 ![]()
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後半へ続く