オンライン化の流れの中でパチンコはどう対応する

2020.11.08 / コラム

セガサミーホールディングスが希望退職者650名の募集を発表したのが11月6日のことだった。

希望退職者の募集を行う理由は以下の通り。

当社は、2020年8月5日公表の「通期業績予想に関するお知らせ」に記載の通り、当社グループの事業の多くがCOVID-19の影響を大きく受けている状況に鑑み、外部環境に適応した構造へと変革すべく構造改革委員会を設置し、①非事業資産を対象としたバランスシートの見直し、②市場環境の変化に適応できる組織体制の構築、③グループ全体の固定費を中心としたコスト削減(削減目標 150億円)等に取り組んでおります。

これまでの構造改革の取り組みとして、2020年11月4日にはアミューズメント施設運営を手掛ける連結子会社株式の一部譲渡を公表いたしましたが、早期の収益回復および今後の持続的な成長を実現するためには、固定費を中心としたコスト削減を進め、より一層効率的な体制を構築することが必要であると考え、希望退職者の募集を行うことを決定いたしました。

現在グループ社員は9051名ということだから約7%の人員を削減することになる。このうち、パチンコ部門がどれぐらいの対象になるのかが気になるところである。

加えて日本でのIR参入を今後の事業の柱の一つに置きたい同社としては、計画にどの程度の影響があるのか? 海外のカジノも軒並みコロナの影響で大打撃を受けている。これを救済するためにオンラインカジノを認める動きもある。

iag JAPANによると、フィリピンのゲーミング規制機関PAGCORは、事業者が新型コロナウイルスによる損失を取り戻せるよう支援する狙いで、マニラの統合型リゾートにオンラインでのベット受付許可を与えた。
オンラインベットの申請が認められたのは、シティー・オブ・ドリームス・マニラ、オカダ・マニラ、リゾートワールド・マニラ、ソレアリゾート&カジノの4社。
巨大な箱モノのカジノよりもオンラインカジノの方が設備投資もかからず収益率が高い。

オンラインカジノではないが、オンラインコンサートの威力の凄まじさを見せつけたのが、アラフェスだ。11月3日、嵐が新国立競技場で開催した無観客コンサートはライブ配信され、売り上げはファンクラブ会員限定の1部が100万人、一般の人がチケットを買える2部も同程度さばけた、という。会員は4800円なので、単純計算すると一部だけで48億円、2部の一般は5800円なので58億円で計100億円以上の売り上げを叩き出したことになる。

これが有料のライブ配信でなく、観客を入れていたら新国立競技場は8万人収容できるので、一人1万円とすれば8億円の売り上げにしかならない。

コロナ禍によるライブ配信と言う手法は、既成のビジネスモデルを根底から打ち崩してしまった。

ウイズコロナ時代は人の行動パターンも変わってきたように、パチンコ業界も変革しなければ生き残れない過渡期にある。戻らない客はもう戻っては来ない。メーカーも2000~3000台で利益が出る機械づくりが求められているが、随分寂しい時代になった。

パチンコのオンライン化は外から攻めてきそうな気配である。 







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